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英国の流儀Ⅰ・Ⅱ [読書・ライフスタイル]

 「英国の流儀Ⅰ」「英国の流儀Ⅱ」 林勝太郎 (朝日文庫)


 英国の伝統的ファッションを中心に、男の服装のこだわりを記したエッセイです。
 林勝太郎は服飾評論家です。挿絵も著者によるものです。


英国の流儀―ブリティッシュ・スタイル (朝日文庫)

英国の流儀―ブリティッシュ・スタイル (朝日文庫)

  • 作者: 林 勝太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1995/11
  • メディア: 文庫



英国の流儀〈2〉TRADITIONAL FASHION (朝日文庫)

英国の流儀〈2〉TRADITIONAL FASHION (朝日文庫)

  • 作者: 林 勝太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1996/11
  • メディア: 文庫



 私が30歳でファッションに目覚めたころ、愛読していた著書の1冊です。
 当時の私にとって、ファッションにおけるご意見番は、板坂元と林勝太郎でした。

 服飾評論家林勝太郎は、伊勢丹のファッション・プロデューサーでもありました。
 この本が出たのが1984年のバブル期で、バブルがはじけた後に文庫化されました。

 バブルで大きく変わってしまった当時、人々は変わらないものを求めていました。
 そして、何十年も変わらない英国の伝統的なファッションが、見直されたのです。

 「男の服装というものは、一時的に流行に押し流されるものではなく、由緒正しい
 本格的なものを安心して長く着ることにある。つまり完成されたブリティッシュ・
 スタイルを高尚な趣味によって洗練させる。これこそが男の服装学の基本ではない
 か。」(ⅠのP210)

 「それがよいものだと信ずれば何十年、あるいは何百年のロング・スパンで子孫に
 受け継いでゆく。その驚くべき信念と勇気ある行動の中で、質の追求が行われ、長
 い歴史の中で辛抱づよく磨きをかけ、だんだんと完成に近づけていった生活様式が
 ブリティッシュ・スタイルなのである。」(ⅠのP234)

 「英国の流儀」二冊は、どこを読んでもイギリスの香りがして、味わい深いです。
 Ⅰ巻では「トレンチコート・ストーリー」が、特に面白かったです。

 また、Ⅱ巻ではワイシャツやネクタイについて言及している部分が良かったです。
 ファッションの歴史的な背景を説明してくれるので、知的好奇心が満たされました。

 Ⅱ巻の終盤「ダンディズム再考」「紳士の服装学」「トラディッショナルについて」
 などは、林勝太郎のファッションに対する考え方がよく分かって、面白かったです。

 さらに、時々ギクッとするような鋭い考察があって、読み手は気が抜けません。
 たとえば、英国式のゴルフについて、林は次のように述べています。

 「英国式ゴルフとは要するに、科学的な挑戦ではなく、自然の神秘のなかで平静に
 切り抜けていくパーセイヴィングのゴルフなのだ」・・・自然の神秘ねえ・・・

 さて、この本を読んだ当時の私は、伝統的な英国ファッションにかぶれました。
 身の丈に合わぬと知りながら、東京のギーブス&ホークスでスーツを誂えたりして。

 あの頃は独り身だったから、そんな贅沢もできました。
 今では逆立ちしたってできない。と、さまざまな感慨をもたらしてくれる本です。

 さいごに。(時計が故障)

 ゼニスのエル・プリメロを購入してから、もう20年近くたちました。
 だから、色々な部分が故障し始めたのも、仕方がないかもしれません。

 オーバーホールすると、5万~10万はかかります。(ボーナスまで待たなければ)
 良いものを持つのはいいけど、身の丈に合ったものを持つことが大事ですね。

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