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神話学入門 [哲学・歴史・芸術]

 「神話学入門」 大林太良(たりょう) (中公新書)(ちくま学芸文庫)


 ヨーロッパで発達した神話学について、分かりやすく整理して解説した入門書です。
 中公新書から1966年に出版されました。現在は、ちくま学芸文庫に入っています。


神話学入門 (中公新書 96)

神話学入門 (中公新書 96)

  • 作者: 大林 太良
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/07/15
  • メディア: 新書



神話学入門 (ちくま学芸文庫)

神話学入門 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 太良, 大林
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2019/03/08
  • メディア: 文庫



 著者はまず神話を、宇宙起源神話、人類起源神話、文化起源神話の三つに分けます。
 そのあと、それぞれの神話について、具体例を示しながら詳しく解説しています。

 たとえばジャワの人間創造神話など、未開人の神話には魅力的なものがあります。
 「ああ悲しい。私は女と一緒に生活できないが、女無しでも生活できない。」(笑)

 また、西アフリカのパングヴェ族には、エデン追放と似た内容の神話がありました。
 蛇(=ペニス)が男に、エボンの実(=女陰)を与えた結果、神は人類に死を・・・

 また、アフリカのロアンゴで行われる、火の儀式の紹介も興味深かったです。
 国民の前で交接させられた男女は、穴の中に突き落とされ、土をかぶせられて・・・

 と、魅力的な神話や儀式が紹介されている点で、この本は面白いです。
 ただ、内容が古い点と、書き方が学術的で味気ない点が、少し気になりました。

 著者は、当時の学説を、ひたすらまじめに整理分類することに力を注いでいます。
 「面白い話を共に楽しもう」というサービス精神は、ほとんど感じませんでした。

 実は、冒頭の第Ⅰ章が「神話研究の歩み」であり、40ページも費やされています。
 しかしこの部分は、あくび無しでは読めません。いきなり挫折しそうになりました。

 こういう研究史の部分は、私のような素人には必要なかったと思います。
 それよりも、もっとたくさんの面白い神話を、披露してほしかったです。

 第Ⅱ章「神話とはなにか?」も、神話と伝説と昔話の違いを説明しているだけです。
 本論は第Ⅲ章「神話の分類」からですよ。ここから読むことをオススメします。

 さて、著者の大林太良が中心となって、「世界神話事典」が編集されました。
 現在、角川ソフィア文庫から出ています。さっそく購入してしまいました。


世界神話事典 世界の神々の誕生 (角川ソフィア文庫)

世界神話事典 世界の神々の誕生 (角川ソフィア文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2012/10/04
  • メディア: Kindle版



世界神話事典 創世神話と英雄伝説 (角川ソフィア文庫)

世界神話事典 創世神話と英雄伝説 (角川ソフィア文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2012/12/17
  • メディア: Kindle版



 さいごに。(帰って来た「半沢直樹」)

 待ちに待った「半沢直樹」の続編、この7月になって、ようやく放送されました。
 第1回の15分拡大版も、面白すぎてあっという間でした。次回も楽しみです。

 今回は、「ロスジェネの逆襲」と「銀翼のイカロス」のドラマ化です。
 しまった! 「銀翼のイカロス」を読むのを忘れていた! 早々に読まなくては。

 「ロスジェネの逆襲」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2015-09-13

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