幻獣辞典 [20世紀ラテンアメリカ文学]
「幻獣辞典」 ボルヘス作 柳瀬尚紀訳 (河出文庫)
神話から近代小説まで、古今東西の書物に登場する幻の生物を、集大成しています。
1957年に初版が出て、1969年に完全版が出ました。全120の幻獣を紹介しています。
キマイラ、スフィンクス、セイレーンなど、ギリシア神話でおなじみのものから、
ポオ、カフカ、ルイス・キャロルの小説中の存在まで、幅広く集められています。
どの幻獣も個性的で面白く、ボルヘスの蘊蓄が、知的好奇心を満たしてくれます。
「誰しも知るように、むだで横道にそれた知識には一種のけだるい喜びがある。」
(P9「序」より)
私はこの本に「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」で出会いました。
主人公が「幻獣辞典」で、一角獣について調べていたので、気になっていました。
「一角獣」については、乙女の手で捕らえられるという点が面白かったです。
一角獣は、情欲ゆえに我が狂暴さを忘れ、乙女の膝に頭を乗せたところを・・・
私にとって最も興味深かったのは、「鏡の動物誌」です。
かつて、鏡の世界と人間の世界は共存し、自由に行き来していたと言います。
あるとき鏡の人々が地上に侵入し・・・黄帝は彼らを鏡の中に閉じ込めて・・・
現在彼らは単なる奴隷的な反射像だが・・・いつか黄帝の魔力が解けると・・・
「ア・バオ・ア・クゥー」の記述もまた、なかなか興味深かったです。
それは、勝利の塔の螺旋階段に住み、誰かが階段を登り始めると目覚めて・・・
訪問者が一段一段登るにつれて、その生き物の色合いは強烈になり・・・
最上段においてそれは完全な姿になるが、人はそれを見ることができず・・・
中には、「スクォンク(溶ける涙体)」というかわいらしい生き物もいます。
スクォンクは始終涙を流して泣いていて、涙に全身が溶けてしまうことが・・・
「足萎えのウーフニック」もまた、かわいらしいです。
もし自分が足萎えのウーフニックだと悟ると、その者は死んで他の者が・・・
また中には、わけのわからない項目もあります。例えば「過去を称える者たち」。
「過去は絶対で、過去は現在を所有したこともなく」・・・どこが、幻獣?
興味深いのは、「球体の動物」。プラトンが「法律」の中で、こう述べました。
「惑星その他の星も生きている」と。つまり、星もまた幻獣、ということです。
「ファスティトカロン」の項では、聖霊が作った二冊の本について書かれています。
ひとつは聖書。もうひとつは世界全体。教訓は生き物の内に閉じ込められて・・・
突然、意外な文章に出会って、驚くこともあります。
デカルトは言ったという、猿は実はじゃべれるのだが、沈黙の方が好きなので・・・
さて、ボルヘスはほかに、「怪奇譚集」を出しています。少し気になります。
また、後期短編集「ブロディ―の報告書」も、読んでみたいです。
さいごに。(家族で見る日本選手権)
これまで陸上の日本選手権の中継があっても、見るのは私ひとりでした。
最近は家族で見ています。娘が昨年陸上を始めて、興味を持つようになったので。
100mはやはり桐生が強かったです。200mは飯塚。400Hは、やはり安部でした。
やっぱり、家族で見た方が、ずっと楽しいですね。とても盛り上がります。
神話から近代小説まで、古今東西の書物に登場する幻の生物を、集大成しています。
1957年に初版が出て、1969年に完全版が出ました。全120の幻獣を紹介しています。
キマイラ、スフィンクス、セイレーンなど、ギリシア神話でおなじみのものから、
ポオ、カフカ、ルイス・キャロルの小説中の存在まで、幅広く集められています。
どの幻獣も個性的で面白く、ボルヘスの蘊蓄が、知的好奇心を満たしてくれます。
「誰しも知るように、むだで横道にそれた知識には一種のけだるい喜びがある。」
(P9「序」より)
私はこの本に「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」で出会いました。
主人公が「幻獣辞典」で、一角獣について調べていたので、気になっていました。
「一角獣」については、乙女の手で捕らえられるという点が面白かったです。
一角獣は、情欲ゆえに我が狂暴さを忘れ、乙女の膝に頭を乗せたところを・・・
私にとって最も興味深かったのは、「鏡の動物誌」です。
かつて、鏡の世界と人間の世界は共存し、自由に行き来していたと言います。
あるとき鏡の人々が地上に侵入し・・・黄帝は彼らを鏡の中に閉じ込めて・・・
現在彼らは単なる奴隷的な反射像だが・・・いつか黄帝の魔力が解けると・・・
「ア・バオ・ア・クゥー」の記述もまた、なかなか興味深かったです。
それは、勝利の塔の螺旋階段に住み、誰かが階段を登り始めると目覚めて・・・
訪問者が一段一段登るにつれて、その生き物の色合いは強烈になり・・・
最上段においてそれは完全な姿になるが、人はそれを見ることができず・・・
中には、「スクォンク(溶ける涙体)」というかわいらしい生き物もいます。
スクォンクは始終涙を流して泣いていて、涙に全身が溶けてしまうことが・・・
「足萎えのウーフニック」もまた、かわいらしいです。
もし自分が足萎えのウーフニックだと悟ると、その者は死んで他の者が・・・
また中には、わけのわからない項目もあります。例えば「過去を称える者たち」。
「過去は絶対で、過去は現在を所有したこともなく」・・・どこが、幻獣?
興味深いのは、「球体の動物」。プラトンが「法律」の中で、こう述べました。
「惑星その他の星も生きている」と。つまり、星もまた幻獣、ということです。
「ファスティトカロン」の項では、聖霊が作った二冊の本について書かれています。
ひとつは聖書。もうひとつは世界全体。教訓は生き物の内に閉じ込められて・・・
突然、意外な文章に出会って、驚くこともあります。
デカルトは言ったという、猿は実はじゃべれるのだが、沈黙の方が好きなので・・・
さて、ボルヘスはほかに、「怪奇譚集」を出しています。少し気になります。
また、後期短編集「ブロディ―の報告書」も、読んでみたいです。
さいごに。(家族で見る日本選手権)
これまで陸上の日本選手権の中継があっても、見るのは私ひとりでした。
最近は家族で見ています。娘が昨年陸上を始めて、興味を持つようになったので。
100mはやはり桐生が強かったです。200mは飯塚。400Hは、やはり安部でした。
やっぱり、家族で見た方が、ずっと楽しいですね。とても盛り上がります。
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