鍵 [日本の近代文学]
「鍵」 谷崎潤一郎 (中公文庫)
変態的嗜好を持つ夫と淫乱な妻の、それぞれの日記が交互に示されています。
中公文庫版では、棟方志功による挿絵が50点以上挿入されていて、買いです。
一月一日、夫は妻が読むことを半ば期待して、日記に閨房のことを書き始めました。
妻もまた、夫が読むことを前提に日記を書き始め、二人の日記が交互に展開します。
夫は56歳。妻を深く愛しているものの、妻を満足させていないことを気にしている。
妻は45歳。まだとても美しく世にもまれな名器を持ち、淫乱でアノ方は病的に強い。
一月四日、妻は書斎で鍵を拾いました。それは、夫の日記がある引き出しの鍵・・・
二人は、お互いの日記を読んでいないという振りをしていますが・・・
夫婦には娘がいて、娘には木村という恋人がいますが、木村は妻に気があります。
夫は木村に嫉妬しますが、その嫉妬が大きいほど、性的な快楽を味わうのです!
あるとき4人でブランデーを飲み、妻が風呂場で倒れて、ベッドに運ばれました。
妻の全裸姿を眺めた夫は興奮して・・・妻は「木村さん」とうわごとを言い・・・
よせばいいのに夫は、妻に何度もブランデーを飲ませ、その度にいたずらをします。
妻は何をされるか分かっていながら、ブランデーを飲んでは必ず風呂場で倒れます。
アホかと思いながらも、しだいにそんなヘンタイ夫婦に愛着を感じてきます。
特に夫の方は、妻への愛が切々と感じられ、読んでいるうちに可愛くなってきます。
そしてしまいには夫は、とうとう妻の上で・・・
あっぱれ! 男は誰しも、このヘンタイ教授を見習うべきでしょう。
面白いのは、夫が一種の境に入っているように描かれているところです。
ある意味彼は、ある種の悟りを開いたのかもしれません。
「ソノ時僕ハ第四次元ノ世界に突入シタトイウ気ガシタ。タチマチ高イ所、忉利天
ノ頂辺ニ登ッタノカモ知レナイト思ッタ。」(P100)
ところで、最後の方の妻の日記は、謎解きの意味合いがあって面白いのですが、
やや説明的すぎるように感じました。もう少し謎を残した方が良かったのでは?
「鍵」という作品は、「痴人の愛」以上にヘンタイ感が大きいです。
ところが、棟方志功の野性味あふれる版画が、作品の芸術性を支えています。
「鍵」は新潮文庫版もありますが、棟方志功の挿絵がある中公文庫版がオススメ。
カバーイラストもサイコーです。次は、「瘋癲老人日記」を読みたいです。
さいごに。(体重70キロ超!)
いつものことですが、冬になると体重が増えてしまいます。
今年は毎日運動をしていたので、2キロ増えて68キロぐらいかと思っていました。
ところが、久しぶりに昨日体重を計ったら、なんと71キロありました!
家の体重計が狂ったと思って、職場の体重計で計ってみたけど、やはり71キロ!
変態的嗜好を持つ夫と淫乱な妻の、それぞれの日記が交互に示されています。
中公文庫版では、棟方志功による挿絵が50点以上挿入されていて、買いです。
一月一日、夫は妻が読むことを半ば期待して、日記に閨房のことを書き始めました。
妻もまた、夫が読むことを前提に日記を書き始め、二人の日記が交互に展開します。
夫は56歳。妻を深く愛しているものの、妻を満足させていないことを気にしている。
妻は45歳。まだとても美しく世にもまれな名器を持ち、淫乱でアノ方は病的に強い。
一月四日、妻は書斎で鍵を拾いました。それは、夫の日記がある引き出しの鍵・・・
二人は、お互いの日記を読んでいないという振りをしていますが・・・
夫婦には娘がいて、娘には木村という恋人がいますが、木村は妻に気があります。
夫は木村に嫉妬しますが、その嫉妬が大きいほど、性的な快楽を味わうのです!
あるとき4人でブランデーを飲み、妻が風呂場で倒れて、ベッドに運ばれました。
妻の全裸姿を眺めた夫は興奮して・・・妻は「木村さん」とうわごとを言い・・・
よせばいいのに夫は、妻に何度もブランデーを飲ませ、その度にいたずらをします。
妻は何をされるか分かっていながら、ブランデーを飲んでは必ず風呂場で倒れます。
アホかと思いながらも、しだいにそんなヘンタイ夫婦に愛着を感じてきます。
特に夫の方は、妻への愛が切々と感じられ、読んでいるうちに可愛くなってきます。
そしてしまいには夫は、とうとう妻の上で・・・
あっぱれ! 男は誰しも、このヘンタイ教授を見習うべきでしょう。
面白いのは、夫が一種の境に入っているように描かれているところです。
ある意味彼は、ある種の悟りを開いたのかもしれません。
「ソノ時僕ハ第四次元ノ世界に突入シタトイウ気ガシタ。タチマチ高イ所、忉利天
ノ頂辺ニ登ッタノカモ知レナイト思ッタ。」(P100)
ところで、最後の方の妻の日記は、謎解きの意味合いがあって面白いのですが、
やや説明的すぎるように感じました。もう少し謎を残した方が良かったのでは?
「鍵」という作品は、「痴人の愛」以上にヘンタイ感が大きいです。
ところが、棟方志功の野性味あふれる版画が、作品の芸術性を支えています。
「鍵」は新潮文庫版もありますが、棟方志功の挿絵がある中公文庫版がオススメ。
カバーイラストもサイコーです。次は、「瘋癲老人日記」を読みたいです。
さいごに。(体重70キロ超!)
いつものことですが、冬になると体重が増えてしまいます。
今年は毎日運動をしていたので、2キロ増えて68キロぐらいかと思っていました。
ところが、久しぶりに昨日体重を計ったら、なんと71キロありました!
家の体重計が狂ったと思って、職場の体重計で計ってみたけど、やはり71キロ!
2021-01-11 04:00
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