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レベッカ1 [20世紀イギリス文学]

 「レベッカ 上」 ダフネ・デュ・モーリア作 茅野美ど里訳 (新潮文庫)


 後妻として大邸宅に住む主人公が、亡き先妻の影に追い詰められていく物語です。
 1938年の作品。1940年にヒッチコックによって映画化されたことで有名です。


レベッカ (上) (新潮文庫)

レベッカ (上) (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/02/28
  • メディア: 文庫



 「わたし」は、ある夫人の話し相手として雇われている、貧しくて若い女性です。
 モンテカルロに滞在中、同宿の貴族の男性マキシムと、親しくなりました。

 彼は妻を亡くしたばかりでした。妻は「レベッカ」という魅力的な女性でした。
 「わたし」はマキシムから求婚され、美しい領地マンダレーで生活を始めました。

 ところが、その屋敷の所々から、先妻レベッカの幻影を感じるのです。
 特に、レベッカの結婚時から雇われているダンヴァーズ夫人は、少し不気味です。

 「ねえ、奥様、ミセス・デ・ウィンターには、こうしておしゃべりしているわたく
 したちが見えると思いませんか。死者が還ってきて生きている者を見ているとお思
 いになりませんか」(P353)

 「ときどき思うのでございます」夫人は囁いた。「ミセス・デ・ウィンターがマン
 ダレーに還ってきて、奥様とだんな様がごいっしょのところを見ているのではない
 かと」(P353)

 ダンヴァーズ夫人は、レベッカの部屋を、彼女が死んだ日のまま保存しています。
 彼女はレベッカを崇拝していました。だから「わたし」を妬ましく思っています。

 仮装舞踏会の時には、「わたし」を罠にかけるようなアドバイスをしました。
 それによって、「わたし」とマキシムの仲は、急速に冷めていき・・・
 
 最初この小説は、「ヒッチコックが撮った怖い物語」という印象が強かったです。
 ところが実際は、なかなか怖くなりません。上巻ではほとんど何も起こりません。

 身分違いの結婚をして、慣れない環境におどおどしている、神経過敏な女の妄想。
 というのが、上巻を読んだあとの私の感想です。

 しかし、退屈な物語というわけではありません。けっこう面白いのです。
 すらすら読めます。訳がうまいせいか、文章がとても分かりやすいです。

 物語は下巻に入ってから、急速に展開するらしいです。
 下巻に期待しています。


レベッカ (下) (新潮文庫)

レベッカ (下) (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/02/28
  • メディア: 文庫



 さいごに。(痩せても喜べない)

 なかなか減らなかった体重が、4月に入ってから減り始めました。
 痩せてきたのは、新しい役職の仕事による過労とストレスのせいだと思います。

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