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ゴッドウルフの行方 [20世紀アメリカ文学]

 「ゴッドウルフの行方」 ロバート・B・パーカー作 菊池光訳 (ハヤカワ文庫)


 盗まれたゴッドウルフ写本の行方を追う探偵が、殺人事件に巻き込まれる物語です。
 スペンサー・シリーズの記念すべき第一作です。のちに人気シリーズとなりました。


ゴッドウルフの行方 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)

ゴッドウルフの行方 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1986/09/01
  • メディア: 文庫



 私立探偵のスペンサーは、ある大学の学長から仕事を依頼されました。
 それは、大学内組織に盗まれたゴッドウルフ写本を取り返す、というものでした。

 容疑者は、SCACE。「資本家の搾取に反対する学生委員会」という組織です。
 スペンサーはさっそく、その組織の書記をしているテリイに会いに行きました。

 テリイはその本を知らないと言い、男友達のデニスは答えようとしませんでした。
 ところが深夜にテリイから電話があり、駆け付けるとデニスが殺されていて・・・

 誰がデニスを殺したのか? なぜデニスは殺されたのか?
 デニス殺しとゴッドウルフ写本の盗難には、どのようなつながりがあるのか?

 ヘイドン教授を訪ねた後、スペンサーはギャングに手を引くよう脅されて・・・
 この事件を指揮していた殺人課のクワーク警部補もまた、担当を外されて・・・

 スペンサー・シリーズの魅力は、スペンサーはじめ登場人物たちの粋な会話です。
 特に13章、スペンサーとクワークがお互いの距離を縮める部分は実にしびれます。

 「くびになるまでは、かなり優秀な警官だったそうだな。なんでくびになったんだ?」
 「命令不服従。おれのいちばんの取り柄だ」(P161)

 一方、ヘイドンは・・・正義を掲げて悪を行い、助けられても助けることはしない。
 危険が迫ると、自分の妻さえも売る! こういう小モノが、いちばんタチが悪い。

 また、登場回数はわずかですが、学生新聞の編集者アイリスは印象に残りました。
 年のいった黒人女子学生ですが、生き生きとしていて、言葉が弾んでいます。

 さて、この本は名作だと思います。また、スペンサーの記念すべき第一作です。
 それにもかかわらず、現在絶版とのこと。早く新カバーで改版を出してほしいです。

 さいごに。(ネコのおかげ)

 友人のKはネコ嫌いですが、妻と娘に強行突破され、ネコを飼い始めたのだそうです。
 ところが、ネコが来てからというもの、女衆二人はいつも機嫌が良いのだそうです。

 Kは、「最近生活が快適なのは、ネコのおかげだよ」と言っていました。
 ちなみにわが家では、ジャニーズがネコの役割を担っています。

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