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巨人たちの星1 [20世紀アメリカ文学]

 「巨人たちの星」 ジェイムズ・P・ホーガン作 池央耿訳 (創元推理文庫)


 ガニメアンの末裔チューリアンと、地球を狙うジェヴレニーズとの戦いの物語です。
 「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」に続く第三弾で、様々な謎が解けます。


巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1983/05/27
  • メディア: 文庫



 地球で歓迎を受けたガニメアンは、巨人たちの星を目指して旅立っていきました。
 そして、彼らが到着する前に、巨人たちの星からメッセージが送られてきました。

 驚くことに巨人たち(チューリアン)は、地球のことを知り尽くしていたのです。
 「この地球という惑星そのものが、どこかから監視されているに違いない・・・」

 しかもチューリアンは、地球人がガニメアンの脅威であると、認識していました。
 地球を監視する者は、情報を故意に歪曲して、チューリアンに伝えているのでは?

 それにもかかわらず、国連は誤解を解消しようという努力を、全くしていません。
 国連の上層部では、なにやら陰謀が企てられているような気配がします。

 そこでハント博士らは、秘密裏にチューリアンとのホットラインを設けて・・・
 ハントらは椅子に座った瞬間に、チューリアンの世界に入り込んでいて・・・

 人工知能ヴィザーによるバーチャルリアリティの描写は、実にみごとです。
 知覚が超光速で伝送され、宇宙の果ての相手とリアルタイムで対話できるのです。

 そうしている間にも、ガニメアンたちの宇宙船には危機が迫っていて・・・
 ヴィザーに接続して、ガニメアン、チューリアン、地球人が一堂に会し・・・

 ジェブレンとは何者なのか? 彼らの狙いはいったい何なのか?
 これまで何をしてきたのか? これからいったい何をする気なのか?

 今回も、ハントとダンチェッカーのコンビが大活躍します
 彼らが、二人が論理的に導いた解釈は、あっと驚くような内容で・・・

 アメリカ人とソヴィエトの人間が、お互いに協力し合う場面は心温まります。
 地球人とガニメアンとの、人種を超えた友情もまた、感動的です。

 また、所々に表れる作者の文明批判や社会批判が、作品を奥深くしています。
 次のような記述に、作者の一番言いたかったことがあるのではないでしょうか?

 「生産性がどんなに向上しても、労働の質が変わるだけで、人が労働そのものから
 解放されることはない。一般大衆が自分たちの労働の成果である富と自由を与えら
 れないとしたら、いったいその収穫は誰が持ち去っているのだろうか?」(P252)

 さて、ようやく333ページまできました。内容が濃いのでなかなか進みません。
 チューリアンとジェブレンの対決は避けられません。このあとも、楽しみです。

 さいごに。(すごーく疲れーたー)

 ユーチューブで、グッチ裕三の「1週間」を見つけました。懐かしい!
 ディープパープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の替え歌です。

 「すごーく疲れーたー 休んでいいですかい?」 サイコーです。
 ほかにも「犬のおまわりさん」などもオススメ。久々に爆笑しました。




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