獄門島 [日本の現代文学]
「獄門島」 横溝正史 (角川文庫)
名探偵の金田一が、瀬戸内海の「獄門島」で起きた連続殺人事件を解明する物語です。
1947年に連載された金田一耕助シリーズの長編で、横溝の最高傑作とされています。
終戦の一年後、金田一耕助は、瀬戸内海の孤島「獄門島」にやってきました。
戦友の鬼頭千万太の死に際に、獄門島で起こる災いを防ぐよう頼まれたのです。
「おれがかえってやらないと、三人の妹たちが殺される・・・だが、だが、おれは
もうだめだ。金田一君、おれの代わりに・・・おれの代わりに獄門島へ行ってくれ。」
(P31)
千万太の家は有名な網元でしたが、太閤と呼ばれた祖父は1年前に亡くなりました。
当主は精神を病んでいました。ほか、千万太の三人の妹など女しか残っていません。
本家である千万太の鬼頭家は今、まさに衰亡を迎えようとしています。
そして、この家を守ろうとしているのが、和尚と村長と医者の3人です。
一方で、分家の鬼頭家は、今こそ勢力を増そうと何やら画策しているようなのです。
そして千万太の葬儀の夜、末の妹の花子が殺されて、梅の木に逆さづりにされ・・・
花子はなぜ殺されたのか? また、なぜそのような殺され方をしたのか?
「きちがいじゃが仕方がない」とはどういう意味か? 和尚は何を知っているのか?
最初の謎が解けぬうちに、第二・第三の殺人が起こって・・・
金田一はようやく、三つの俳句に何か意味が隠されていることを知りますが・・・
面白いです。先が気になって、どんどん読めてしまいます。
推理だけではありません。閉ざされた世界の異常さが、生々しく描かれています。
「この島の住人どもは、みな常識では測り知れぬ奇妙なところを持っている。貝殻の
ような堅い鎧のなかに、本土の人々などの思いもよらぬような、変てこな考えを包ん
でおりますのじゃ。」(P127)
しかし、突っ込みどころは満載です。殺し方が凝りすぎです。こだわりすぎですよ。
金田一にヒントを与えるための見立てになっています。これではまるでゲームです。
それに、犯人がフェア・プレーの精神から、事件を解く鍵を置いていったって?
やっぱりこれはゲームですよ。犯人にはもう少し真剣さ(!)がほしかったです。
さて横溝正史には、ほかに「八つ墓村」「犬神家の一族」「悪魔が来りて笛を吹く」
「悪魔の手毬唄」「本陣殺人事件」など、多くの傑作や映画化作品があります。
さいごに。(まさか共産と・・・)
立民を中心に野党が候補者の一本化を進め、選挙が面白くなってきました。
うちの選挙区では、共産までもが立民のため、候補者を立てないというまさかの展開。
なりふりかまわぬ努力と感嘆する人もいれば、節操がないと嘲笑する人もいます。
後者が9割ですが。それにしても、まさか、立民と共産が手を組むとは・・・
名探偵の金田一が、瀬戸内海の「獄門島」で起きた連続殺人事件を解明する物語です。
1947年に連載された金田一耕助シリーズの長編で、横溝の最高傑作とされています。
終戦の一年後、金田一耕助は、瀬戸内海の孤島「獄門島」にやってきました。
戦友の鬼頭千万太の死に際に、獄門島で起こる災いを防ぐよう頼まれたのです。
「おれがかえってやらないと、三人の妹たちが殺される・・・だが、だが、おれは
もうだめだ。金田一君、おれの代わりに・・・おれの代わりに獄門島へ行ってくれ。」
(P31)
千万太の家は有名な網元でしたが、太閤と呼ばれた祖父は1年前に亡くなりました。
当主は精神を病んでいました。ほか、千万太の三人の妹など女しか残っていません。
本家である千万太の鬼頭家は今、まさに衰亡を迎えようとしています。
そして、この家を守ろうとしているのが、和尚と村長と医者の3人です。
一方で、分家の鬼頭家は、今こそ勢力を増そうと何やら画策しているようなのです。
そして千万太の葬儀の夜、末の妹の花子が殺されて、梅の木に逆さづりにされ・・・
花子はなぜ殺されたのか? また、なぜそのような殺され方をしたのか?
「きちがいじゃが仕方がない」とはどういう意味か? 和尚は何を知っているのか?
最初の謎が解けぬうちに、第二・第三の殺人が起こって・・・
金田一はようやく、三つの俳句に何か意味が隠されていることを知りますが・・・
面白いです。先が気になって、どんどん読めてしまいます。
推理だけではありません。閉ざされた世界の異常さが、生々しく描かれています。
「この島の住人どもは、みな常識では測り知れぬ奇妙なところを持っている。貝殻の
ような堅い鎧のなかに、本土の人々などの思いもよらぬような、変てこな考えを包ん
でおりますのじゃ。」(P127)
しかし、突っ込みどころは満載です。殺し方が凝りすぎです。こだわりすぎですよ。
金田一にヒントを与えるための見立てになっています。これではまるでゲームです。
それに、犯人がフェア・プレーの精神から、事件を解く鍵を置いていったって?
やっぱりこれはゲームですよ。犯人にはもう少し真剣さ(!)がほしかったです。
さて横溝正史には、ほかに「八つ墓村」「犬神家の一族」「悪魔が来りて笛を吹く」
「悪魔の手毬唄」「本陣殺人事件」など、多くの傑作や映画化作品があります。
さいごに。(まさか共産と・・・)
立民を中心に野党が候補者の一本化を進め、選挙が面白くなってきました。
うちの選挙区では、共産までもが立民のため、候補者を立てないというまさかの展開。
なりふりかまわぬ努力と感嘆する人もいれば、節操がないと嘲笑する人もいます。
後者が9割ですが。それにしても、まさか、立民と共産が手を組むとは・・・
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