アンの青春 [20世紀アメリカ文学]
「アンの青春」 L・M・モンゴメリ作 村岡花子訳 (新潮文庫)
新任教師として働きながら、村の改善会の活動も行うアンの日常生活を描いています。
「赤毛のアン」に続いて、1902年に出ました。16歳から18歳のアンを描いています。
16歳半のアンは、プリンス・エドワード島のアヴォンリー小学校で働き始めました。
目を悪くしたマリラを支えながら、持ち前の明るさで何事も前向きに取り組みます。
仕事の傍ら、村の改善会を結成して、公会堂のペンキ塗り替えのために奔走します。
よその小学校で教えているギルバートも、土日は戻ってきてアンと一緒に活動します。
隣に引っ越してきたハリソンさん。マリラが引き取った双子のデイビーとドーラ。
そしていつもそばにいるギルバート。いろいろな人と関わりながらアンも成長し・・・
前作同様「アンの青春」も楽しく読めました。魅力はなんといっても「アン」です。
どんなときにも明るさを失わず一生懸命なアンの言葉に、読者は元気をもらいます。
「けっきょく、一番、幸福な日というのは、すばらしいことや、驚くようなこと、胸
の沸きたつようなできごとがおこる日ではなくて、真珠が一つずつ、そっと糸からす
べりおちるように、単純な、小さな喜びを次々にもってくる一日一日のことだと思う
わ」(P276)
前作の終盤で和解したギルバートは、アンに遠慮して、やや控えめに行動しています。
そこが少しもどかしかったです。二人の関係の発展は、次作のお楽しみとなります。
さて、私にとってとても印象的だったのは、アンとギルバートの何気ない会話です。
特にギルバートがかっこいい。彼は医者になる決意をアンに打ち明けました。
「僕は病気と苦痛と無知に挑戦するんだ・・・それはみんな、つながり合っている一
族なんだよ。僕はね、アン、この世界にある、誠実な、貴重な仕事に加わって自分も
その一部分の使命を果たしたいんだ。世界がはじまって以来、りっぱな人たちが積み
かさねてきた人間の知識に、たとえわずかでもつけくわえたいんだ。」(P92)
こんなことを自分の言葉で伝えられるギルバートは、すばらしい。
また、これに対するアンの言葉もアンらしくてとても良いです。
「あたしは、自分がこの世に生きているために、ほかの人たちが、いっそうたのしく、
暮らせるというようにしたいの・・・どんなに小さな喜びでも幸福な思いでも、もし
あたしがいなかったら味わえなかったろうというものを世の中へ贈りたいの」(P93)
この物語は、アンとギルバートが、レドモンド大学に出発する直前で終わっています。
この場面に、今後のふたりの関係が示唆されています。次作が本当に楽しみです。
「けっきょくロマンスはすばらしい騎士がラッパのひびきも華やかに、自分の生涯に
あらわれてくるというものではなく、いつのまにか、昔ながらの友達が自分の傍を静
かに歩いていた、というふうに、忍びよるものかもしれなかった。」(P460)
アンとギルバート以外にも、読みどころはたくさんありました。
ハリソンさん夫妻の出来事、ミス・ラヴェンダーの婚姻、ヘスターの庭の逸話・・・
続く「アンの愛情」では、とうとうアンとギルバートと・・・?
ぜひ近いうちに読みたいです。
さいごに。(幹事長としても)
私は職場の親睦会の幹事長をしています。
オミクロン株の感染が拡大したことで、幹事長としての仕事も急に増え始めました。
送別会の開催が心配になってきましたが、すでにキャンセル料が発生しています。
今月末には30%に上がります。忘年会同様、難しい判断をしなければなりません。
新任教師として働きながら、村の改善会の活動も行うアンの日常生活を描いています。
「赤毛のアン」に続いて、1902年に出ました。16歳から18歳のアンを描いています。
16歳半のアンは、プリンス・エドワード島のアヴォンリー小学校で働き始めました。
目を悪くしたマリラを支えながら、持ち前の明るさで何事も前向きに取り組みます。
仕事の傍ら、村の改善会を結成して、公会堂のペンキ塗り替えのために奔走します。
よその小学校で教えているギルバートも、土日は戻ってきてアンと一緒に活動します。
隣に引っ越してきたハリソンさん。マリラが引き取った双子のデイビーとドーラ。
そしていつもそばにいるギルバート。いろいろな人と関わりながらアンも成長し・・・
前作同様「アンの青春」も楽しく読めました。魅力はなんといっても「アン」です。
どんなときにも明るさを失わず一生懸命なアンの言葉に、読者は元気をもらいます。
「けっきょく、一番、幸福な日というのは、すばらしいことや、驚くようなこと、胸
の沸きたつようなできごとがおこる日ではなくて、真珠が一つずつ、そっと糸からす
べりおちるように、単純な、小さな喜びを次々にもってくる一日一日のことだと思う
わ」(P276)
前作の終盤で和解したギルバートは、アンに遠慮して、やや控えめに行動しています。
そこが少しもどかしかったです。二人の関係の発展は、次作のお楽しみとなります。
さて、私にとってとても印象的だったのは、アンとギルバートの何気ない会話です。
特にギルバートがかっこいい。彼は医者になる決意をアンに打ち明けました。
「僕は病気と苦痛と無知に挑戦するんだ・・・それはみんな、つながり合っている一
族なんだよ。僕はね、アン、この世界にある、誠実な、貴重な仕事に加わって自分も
その一部分の使命を果たしたいんだ。世界がはじまって以来、りっぱな人たちが積み
かさねてきた人間の知識に、たとえわずかでもつけくわえたいんだ。」(P92)
こんなことを自分の言葉で伝えられるギルバートは、すばらしい。
また、これに対するアンの言葉もアンらしくてとても良いです。
「あたしは、自分がこの世に生きているために、ほかの人たちが、いっそうたのしく、
暮らせるというようにしたいの・・・どんなに小さな喜びでも幸福な思いでも、もし
あたしがいなかったら味わえなかったろうというものを世の中へ贈りたいの」(P93)
この物語は、アンとギルバートが、レドモンド大学に出発する直前で終わっています。
この場面に、今後のふたりの関係が示唆されています。次作が本当に楽しみです。
「けっきょくロマンスはすばらしい騎士がラッパのひびきも華やかに、自分の生涯に
あらわれてくるというものではなく、いつのまにか、昔ながらの友達が自分の傍を静
かに歩いていた、というふうに、忍びよるものかもしれなかった。」(P460)
アンとギルバート以外にも、読みどころはたくさんありました。
ハリソンさん夫妻の出来事、ミス・ラヴェンダーの婚姻、ヘスターの庭の逸話・・・
続く「アンの愛情」では、とうとうアンとギルバートと・・・?
ぜひ近いうちに読みたいです。
さいごに。(幹事長としても)
私は職場の親睦会の幹事長をしています。
オミクロン株の感染が拡大したことで、幹事長としての仕事も急に増え始めました。
送別会の開催が心配になってきましたが、すでにキャンセル料が発生しています。
今月末には30%に上がります。忘年会同様、難しい判断をしなければなりません。
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