ドグラ・マグラ1 [日本の近代文学]
「ドグラ・マグラ(上)」 夢野久作 (角川文庫)
病院に監禁されていた記憶喪失の青年にまつわる、奇怪な事件を描いた物語です。
1935年刊行。日本探偵小説の三大奇書のうちのひとつです。カバーがすばらしい。
ある日、目覚めた「私」は監禁されていて、自分の名前さえ思い出せませんでした。
部屋にも見覚えがありません。すると隣から、痛々しい女の声が聞こえてきました。
「お兄さま、お隣の部屋にいらっしゃるお兄様」「あたしです。お兄様の許嫁だった」
「結婚式を挙げる前の晩の真夜中に、お兄様のお手にかかって死んでしまったのです」
やがて若林という巨大な紳士が現れ、ここが九州大学精神病科の七号室だと言います。
そして「私」が、狂人の解放治療という実験の研究材料となっていると言うのです。
「私」の記憶が戻ったときには、空前絶後の犯罪事件の真相が分かるのだそうです。
その事件は、ある青年が従妹との結婚式の前の晩に、相手を絞殺したというものです。
「私」は、自分を思い出させるために、病院の中のある部屋に連れて行かれました。
さまざまな資料の中に、「ドグラ・マグラ」という原稿があって・・・
「私」は誰なのか? なぜ記憶がないのか? なぜ病院にいるのか?
隣の少女は何者なのか? 若林教授はいったい何をしたかったのか?
「この小説を読破したものは、必ず一度は精神に異常をきたす」と言われています。
ある意味その通りです。読み始めたら続きが気になって、気が狂いそうになりました。
ところが、上巻を読み終えても、少しも謎が解けていないのです。
どういうことなのか気になって気になって、気が狂いそうになっています。
謎の解明のヒントは、若林教授の前任者である正木教授の残した文書にあるようです。
「胎児の夢」「遺言書」など6つの文書があり、作品の半分ほどを占めています。
中でも「胎児の夢」という論文は、非常にユニークで印象に残りました。
それは、胎内の胎児は10か月の間、数十億年の生物進化を夢に見る、というものです。
そして胎児は、先祖の行ったさまざまな体験を、記憶として持っているというのです。
このことは、「私」の事件の謎の解明において、とても重要な伏線となっています。
また「遺言書」は、正木教授が自殺の理由を、映画のシナリオ風に説明したものです。
「呉一郎」という名前が、実母と許嫁を絞殺した嫌疑者として、初めて登場します。
そして、どうやら「呉一郎」は、物語の主人公「私」のことのようなのです。
さらに、許嫁の「モヨ子」というのは、隣の部屋にいる少女のことのようなのです。
しかし、あくまでも「そのよう」なのであり、はっきりしたことが分かりません。
ふと気が付くと読者も「私」同様、犯人は自分じゃないかと考えてしまう仕掛けです。
さて、正木教授の6文書のうち、もっとも読みにくいのが最初の「アホダラ経」です。
「チャチャラカ、チャカポン」のリズムで、ぐじゃぐじゃと30ページ以上続きます。
この部分で挫折する人が多いのだそうですが、実は効果的な攻略法があります。
それは、ユーチューブの朗読を2倍速で聞きながら読む、という方法です。
この朗読は、とてもうまいです。特に「アホダラ経」は節回しがすばらしいです。
ぜひ聞いてください。「アホダラ経」は、5:11:40(5時間11分40秒)から始まります。
ちなみにこの朗読をすべて聞くと、26時間以上になります。2倍速でも13時間です。
語りの西村俊彦さん、よくぞやってくれました。本当にいい仕事をしています。
最後になりましたが、「ドグラ=マグラ」について、次のような説明がありました。
「切支丹伴天連の使う幻魔術のことを言った長崎地方の方言だそう」と。(P93)
さいごに。(300m走)
記録会で、300m走という種目に出ました。炎天下の中で走りました。
タイムは41秒70。40秒ジャストを狙っていましたが、だいぶ甘かった!
最近、おなかのたるみと、足腰の弱体化が、とても気になっています。
もう少し体を絞って、脚力をつけて、せめて40秒台で走れるようにしたいです。
病院に監禁されていた記憶喪失の青年にまつわる、奇怪な事件を描いた物語です。
1935年刊行。日本探偵小説の三大奇書のうちのひとつです。カバーがすばらしい。
ある日、目覚めた「私」は監禁されていて、自分の名前さえ思い出せませんでした。
部屋にも見覚えがありません。すると隣から、痛々しい女の声が聞こえてきました。
「お兄さま、お隣の部屋にいらっしゃるお兄様」「あたしです。お兄様の許嫁だった」
「結婚式を挙げる前の晩の真夜中に、お兄様のお手にかかって死んでしまったのです」
やがて若林という巨大な紳士が現れ、ここが九州大学精神病科の七号室だと言います。
そして「私」が、狂人の解放治療という実験の研究材料となっていると言うのです。
「私」の記憶が戻ったときには、空前絶後の犯罪事件の真相が分かるのだそうです。
その事件は、ある青年が従妹との結婚式の前の晩に、相手を絞殺したというものです。
「私」は、自分を思い出させるために、病院の中のある部屋に連れて行かれました。
さまざまな資料の中に、「ドグラ・マグラ」という原稿があって・・・
「私」は誰なのか? なぜ記憶がないのか? なぜ病院にいるのか?
隣の少女は何者なのか? 若林教授はいったい何をしたかったのか?
「この小説を読破したものは、必ず一度は精神に異常をきたす」と言われています。
ある意味その通りです。読み始めたら続きが気になって、気が狂いそうになりました。
ところが、上巻を読み終えても、少しも謎が解けていないのです。
どういうことなのか気になって気になって、気が狂いそうになっています。
謎の解明のヒントは、若林教授の前任者である正木教授の残した文書にあるようです。
「胎児の夢」「遺言書」など6つの文書があり、作品の半分ほどを占めています。
中でも「胎児の夢」という論文は、非常にユニークで印象に残りました。
それは、胎内の胎児は10か月の間、数十億年の生物進化を夢に見る、というものです。
そして胎児は、先祖の行ったさまざまな体験を、記憶として持っているというのです。
このことは、「私」の事件の謎の解明において、とても重要な伏線となっています。
また「遺言書」は、正木教授が自殺の理由を、映画のシナリオ風に説明したものです。
「呉一郎」という名前が、実母と許嫁を絞殺した嫌疑者として、初めて登場します。
そして、どうやら「呉一郎」は、物語の主人公「私」のことのようなのです。
さらに、許嫁の「モヨ子」というのは、隣の部屋にいる少女のことのようなのです。
しかし、あくまでも「そのよう」なのであり、はっきりしたことが分かりません。
ふと気が付くと読者も「私」同様、犯人は自分じゃないかと考えてしまう仕掛けです。
さて、正木教授の6文書のうち、もっとも読みにくいのが最初の「アホダラ経」です。
「チャチャラカ、チャカポン」のリズムで、ぐじゃぐじゃと30ページ以上続きます。
この部分で挫折する人が多いのだそうですが、実は効果的な攻略法があります。
それは、ユーチューブの朗読を2倍速で聞きながら読む、という方法です。
この朗読は、とてもうまいです。特に「アホダラ経」は節回しがすばらしいです。
ぜひ聞いてください。「アホダラ経」は、5:11:40(5時間11分40秒)から始まります。
ちなみにこの朗読をすべて聞くと、26時間以上になります。2倍速でも13時間です。
語りの西村俊彦さん、よくぞやってくれました。本当にいい仕事をしています。
最後になりましたが、「ドグラ=マグラ」について、次のような説明がありました。
「切支丹伴天連の使う幻魔術のことを言った長崎地方の方言だそう」と。(P93)
さいごに。(300m走)
記録会で、300m走という種目に出ました。炎天下の中で走りました。
タイムは41秒70。40秒ジャストを狙っていましたが、だいぶ甘かった!
最近、おなかのたるみと、足腰の弱体化が、とても気になっています。
もう少し体を絞って、脚力をつけて、せめて40秒台で走れるようにしたいです。
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