黄色い部屋の謎 [20世紀フランス文学]
「黄色い部屋の謎」 ガストン・ルルー作 平岡敦訳 (創元推理文庫)
密室状態で起こった殺人未遂事件の謎を、若き新聞記者が解明する物語です。
1908年刊行。密室トリックの古典的名作として知られています。
「オペラ座の怪人」と同じ平岡訳で読みたくて、創元推理文庫版を選びました。
「黄色い部屋の秘密」のハヤカワ文庫版も読みやすく、カバーもおシャレです。
弁護士サンクレールが、15年前に起きた「黄色い部屋の怪事件」について語ります。
主人公の探偵役は、ジョゼフ・ルルタビーユで、当時18歳の若き新聞記者です。
高名なスタンガルソン教授と、娘のマティルドは、科学研究に没頭していました。
実験室の横にはマティルドの部屋があり、一面に黄色い壁紙が貼られていました。
ある夜、マティルドが部屋に入った後、彼女の叫び声と二発の銃声が聞こえました。
スタンガルソンと老僕が助けようとしますが、内から鍵が掛かっていて入れません。
窓には鉄格子がはめられているので、やむなく扉に体当たりして、中に入りました。
中には、血だらけのマティルドが倒れていて、首を絞められた跡が残っていました。
部屋は荒らされ、犯人の血の付いた手形もありましたが、犯人はどこにもいません。
被害者のマティルドはこめかみをひどく負傷し、精神も錯乱し、危機的な状況です。
この事件を解明するため、高名な警部フレデリック・ラルサンが呼び出されました。
若き新聞記者のルルタビーユも、弁護士の「私」と一緒に、現場にやってきました。
ラルサンは調査により、犯人がいかにして黄色い部屋から出たのかを解明しました。
ラルサンは犯人を、マティルドの婚約者であるダルザックだと、考えていました。
ところが、ルルタビーユには、ダルザックが犯人には思えないのです。
敏腕刑事ラルサン対若き新聞記者ルルタビーユ。どちらが真相に近づくのか・・・
密室にいたはずの犯人は、どのように逃げ出したのか?
そもそもこの犯行は、誰によるものなのか?
再びマティルドの部屋に現れた犯人を、追い詰め途端、犯人は消えてしまい・・・
犯人を撃ったはずが、別の死体が現れ、またも犯人は消えてしまい・・・
ダルザックの裁判の日、ルルタビーユが示した「反論の余地のない証拠」とは?
そして、真犯人は?・・・(誰が予想し得たでしょうか!)
トリックも、犯人も、まったく予想外でした。私は唖然としました。
100年以上前の作品ですが、すごいです。驚きの連続でした。
「密室のトリック」について、肩すかしだと言う人もいますが、気持ち分かります。
「犯人がいかに逃げたか」を懸命に推理した人にとっては、確かに肩すかしですね。
しかし、私にとっては、大きな驚きでした。
「そうきたか!」と、うなりました。確かにこの作品は名作でしょう。
ただし、若干細かすぎて分かりにくい部分もあります。
何時に何が起こったのか、メモをとりながらでないと、私は理解できませんでした。
さて、本書には続編の「黒衣夫人の香り」がありますが、惜しいことに絶版です。
ルルタビーユの知られざる過去が明らかになるという、興味深い作品なのですが。
さいごに。(テレサテンよ、永遠に)
先日、歌番組でテレサテンの特集をしていました。
私のイチオシは「別れの予感」。「あなたが好きすぎて不安になる」という歌です。
「あなたの言うがままについてくこと、それだけだから」というフレーズに泣けます。
我が家の女衆からは、そういう昭和的なところが評判悪い。昭和は遠くなりにけり。
密室状態で起こった殺人未遂事件の謎を、若き新聞記者が解明する物語です。
1908年刊行。密室トリックの古典的名作として知られています。
「オペラ座の怪人」と同じ平岡訳で読みたくて、創元推理文庫版を選びました。
「黄色い部屋の秘密」のハヤカワ文庫版も読みやすく、カバーもおシャレです。
弁護士サンクレールが、15年前に起きた「黄色い部屋の怪事件」について語ります。
主人公の探偵役は、ジョゼフ・ルルタビーユで、当時18歳の若き新聞記者です。
高名なスタンガルソン教授と、娘のマティルドは、科学研究に没頭していました。
実験室の横にはマティルドの部屋があり、一面に黄色い壁紙が貼られていました。
ある夜、マティルドが部屋に入った後、彼女の叫び声と二発の銃声が聞こえました。
スタンガルソンと老僕が助けようとしますが、内から鍵が掛かっていて入れません。
窓には鉄格子がはめられているので、やむなく扉に体当たりして、中に入りました。
中には、血だらけのマティルドが倒れていて、首を絞められた跡が残っていました。
部屋は荒らされ、犯人の血の付いた手形もありましたが、犯人はどこにもいません。
被害者のマティルドはこめかみをひどく負傷し、精神も錯乱し、危機的な状況です。
この事件を解明するため、高名な警部フレデリック・ラルサンが呼び出されました。
若き新聞記者のルルタビーユも、弁護士の「私」と一緒に、現場にやってきました。
ラルサンは調査により、犯人がいかにして黄色い部屋から出たのかを解明しました。
ラルサンは犯人を、マティルドの婚約者であるダルザックだと、考えていました。
ところが、ルルタビーユには、ダルザックが犯人には思えないのです。
敏腕刑事ラルサン対若き新聞記者ルルタビーユ。どちらが真相に近づくのか・・・
密室にいたはずの犯人は、どのように逃げ出したのか?
そもそもこの犯行は、誰によるものなのか?
再びマティルドの部屋に現れた犯人を、追い詰め途端、犯人は消えてしまい・・・
犯人を撃ったはずが、別の死体が現れ、またも犯人は消えてしまい・・・
ダルザックの裁判の日、ルルタビーユが示した「反論の余地のない証拠」とは?
そして、真犯人は?・・・(誰が予想し得たでしょうか!)
トリックも、犯人も、まったく予想外でした。私は唖然としました。
100年以上前の作品ですが、すごいです。驚きの連続でした。
「密室のトリック」について、肩すかしだと言う人もいますが、気持ち分かります。
「犯人がいかに逃げたか」を懸命に推理した人にとっては、確かに肩すかしですね。
しかし、私にとっては、大きな驚きでした。
「そうきたか!」と、うなりました。確かにこの作品は名作でしょう。
ただし、若干細かすぎて分かりにくい部分もあります。
何時に何が起こったのか、メモをとりながらでないと、私は理解できませんでした。
さて、本書には続編の「黒衣夫人の香り」がありますが、惜しいことに絶版です。
ルルタビーユの知られざる過去が明らかになるという、興味深い作品なのですが。
さいごに。(テレサテンよ、永遠に)
先日、歌番組でテレサテンの特集をしていました。
私のイチオシは「別れの予感」。「あなたが好きすぎて不安になる」という歌です。
「あなたの言うがままについてくこと、それだけだから」というフレーズに泣けます。
我が家の女衆からは、そういう昭和的なところが評判悪い。昭和は遠くなりにけり。
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