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精霊の守り人 [日本の現代文学]

 「精霊の守り人」 上橋菜穂子 (新潮文庫)


 精霊の卵を宿した第二皇子を、女用心棒が命がけで守る、ファンタジー小説です。
 1996年刊行。守り人シリーズの第一巻。綾瀬はるか主演でドラマ化もされました。


精霊の守り人 (新潮文庫)

精霊の守り人 (新潮文庫)

  • 作者: 菜穂子, 上橋
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/03/28
  • メディア: 文庫



 女用心棒で短槍(たんそう)の達人バルサは、谷川に落ちた第二皇子を救出しました。
 後日、新ヨゴ王国の二ノ妃に接待されたとき、バルサの運命は大きく転換しました。

 妃は言います。11歳の皇子チャグムは命を狙われている、それも父帝の命令らしい。
 ある夜皇子の体は青白く光っていた、体内に得体の知れない魔物が宿っている、と。

 呪術師トロガイが言うには、宿ったものを助けられれば、皇子の命も助かるとのこと。
 しかし帝は、魔物が宿ったことが噂になる前に、チャグムを殺そうとしているのです。

 秘密を知ったバルサは、否応なくチャグムの用心棒となり、宮廷をあとにしました。
 帝に仕える聖導師は、すぐに狩人と呼ばれる隠密(おんみつ)にあとを追わせ・・・

 皇子に宿ったものは何か? 「精霊の守り人」とは何か?
 どうすれば皇子を救うことができるか? バルサは皇子を守り抜くことができるか?

 主人公の用心棒バルサは、なんと30歳の女性です。児童文学には珍しい設定です。
 しかしこの設定が、年齢をこえて多くのファンを獲得したのではないでしょうか。

 追ってくる狩人たちを、冷静な判断で次々と倒していく姿は、実にかっこいいです。
 腹が斬られることを知りつつ、防御より攻撃を選んで、相手の額を割ったり・・・

 しかし、この物語の最大の魅力は、なんと言ってもその壮大な世界観でしょう。
 この世界には、目に見える世「サグ」のほか、目に見えない世「ナユグ」があり・・・

 そして、目に見えない「ナユグ」の生き物が、100年に一度「サグ」に卵を産み・・・
 その卵を狙って、「ナユグ」のある生き物が、「サグ」に現れて・・・

 読み始めたら、あっという間に、この不思議な物語世界に入り込みます。
 とても面白くて、私はいっき読みしました。続編「闇の守り人」も読みたいです。


闇の守り人 (新潮文庫)

闇の守り人 (新潮文庫)

  • 作者: 菜穂子, 上橋
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/06/28
  • メディア: 文庫



 さいごに。(「今さらかよ」?)

 「精霊の守り人」って面白いね、と言ったら、「今さらかよ!」と言われました。
 私の読書仲間の多くは、20年前には読んでいて、TVシリーズも知っていました。



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