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ドリトル先生航海記 [20世紀アメリカ文学]

 「ドリトル先生航海記」 ヒュー・ロフティング作 福岡伸一訳 (新潮文庫)


 動物と会話ができる博物学者ドリトル先生とスタビンズ少年の、冒険の物語です。
 ドリトル先生シリーズの第2弾で、この巻からスタビンズが語り手となりました。

 岩波少年文庫版の井伏鱒二訳は名訳。定番です。シリーズ全13冊が出ています。
 新潮文庫版は生物学者の福岡伸一による新訳で、作者による挿絵も入っています。


ドリトル先生航海記 (新潮文庫)

ドリトル先生航海記 (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/06/26
  • メディア: 文庫



 靴屋の子トミー・スタビンズは、ある日博物学者のドリトル先生と出会いました。
 ドリトル先生は動物たちと会話し、どんな動物にもとても親切に接していました。

 ドリトル先生の人柄に心酔したスタビンズは、博士の助手として働き始めました。
 オウムのポリネシアの助けもあって、少しずつ動物の言葉を理解していきました。

 ある日、インディアンの博物学者ロング・アローが行方不明になったと知り・・・
 運任せの航海では、ロング・アローが消息を絶ったクモサル島に向かったが・・・

 児童文学として有名な「ドリトル先生」を、子供のころに読んだ人は多いです。
 私もその名前だけは知っていました。52歳の今、初めて読んでみました。

 きっかけは、訳者の福岡伸一が、どこかでこの本を熱烈に勧めていたからです。
 大人が読んでも充分に面白くて、とても懐かしくて暖かい気もちになる本でした。

 さて、タイトルは「航海記」ですが、実際に航海に出るのは第3部に入ってから。
 最初の3分の1以上は、航海に至るまでの話ですが、ここもまた面白いです。

 たとえば、隠者ルカの裁判は名場面です。なんと、ブルドッグが証人席に立ち・・・
 作者自身によるP145のイラストも傑作です。陪審員を睨めつけるブルドッグ!

 しかし、航海が始まってからは、さらなる驚きの連続です。まさに、奇想天外。
 ロング・アローはどうしたのか? どうやって危機を知らせたのか?

 クモサル島はなぜ浮かんでいるのか? 島はいかにして北へ移動したのか?
 クモサル島はどのように固定されたか? ドリトル先生はどうやって戻ったのか?

 訳者の福岡伸一は、小学校の図書室でこの本と出会い、夢中になったそうです。
 「ドリトル先生」のような本との出会いは、子供にとってまさに宝だと思います。

 さいごに。(テレサ・テンに涙す)

 テレサ・テンが流行っていた80年代の後半、私はまったく興味がありませんでした。
 しかし先日、TV番組でテレサ・テンの曲を聞いたら、すっかりはまってしまった。

 特に「別れの予感」がすばらしい。「教えて~」の部分は、泣きそうになりました。
 図書館でCDのベスト盤を借りてきて、仕事の行き帰りに聞いています。


テレサ・テン ベスト10

テレサ・テン ベスト10

  • 出版社/メーカー: ユニバーサルJ
  • 発売日: 2005/11/09
  • メディア: CD



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