オリエント急行の殺人 [20世紀イギリス文学]
「オリエント急行の殺人」アガサ・クリスティー作 山本やよい訳(ハヤカワ文庫)
オリエント急行の中で起きた殺人事件を、名探偵ポワロが解決する傑作推理小説です。
奇抜なアイディアによって、作者の代表作となっています。2回映画化されました。
名探偵エルキュール・ポアロは、急遽オリエント急行に乗り込むことになりました。
冬なのに一等寝台は満員で、さまざまな国のあらゆる階級の人々が乗っていました。
ポアロはアメリカの富豪ラチェットに、護衛を頼まれましたが、それを断りました。
そしてその夜ラチェットは、刺殺されたのでした。刺し傷は12か所もありました。
ポアロはさっそく事件解明に乗り出しましたが、乗客全員にアリバイがありました。
燃えさしの手紙から、被害者がアームストロング家の誘拐事件の主犯だと分かり・・・
この作品は、クリスティーの代表作であり、推理小説の傑作として知られています。
私は1974年の「オリエント急行殺人事件」を見たので、内容は知っていました。
映画を見ていなくても、結末を知っているという人は多いのではないかと思います。
結末を知っていても楽しめました。オリエント急行を舞台にしているところがいい。
「あらゆる階級、あらゆる国籍、あらゆる年齢の人が集まっている。これから3日間、
この人々が、知らない者どうしが、一緒に過ごすことになる。(中略)その3日間が
終わると、別れていく。それぞれの目的地へ向かい、おそらく、二度と会うことはな
い」(P45)
面白かったのは、あらゆる階級の人々が、ひとつの目的でつながったという点です。
そして、彼らは真相を攪乱するために、それぞれ自分にふさわしい役を演じました。
「念入りに組み立てられたジグソーパズルのようなもので、ジグソーの新しいピース
がひとつ出てくるたびに、事件全体の解決がむずかしくなる仕掛けになっていたので
す。」(P398)
中でも味わいのある人物が、ハバード夫人でした。彼女の正体は・・・
「昔からずっと、喜劇をやりたいと思ってましたのよ」(P404)・・・
さて、ごちゃごちゃした情報を、丁寧に整理して解明していく過程はさすがでした。
ポアロの推理に「なるほど」と感心し、最後の判断に「よかった」と安心しました。
この決着の付け方については、賛否両論あるようですね。
次のような言葉に、アガサ・クリスティーの考えが垣間見えるようで、面白いです。
「今回に関しては、正義がーー本当の意味での正義がーーおこなわれたと思っており
ます」(ドラゴミロフ公爵夫人の言葉・P356)
ところで、この小説を読んでいると、オリエント急行に乗ってみたくなります。
今でもオリエント急行を復元した列車が、部分的に運行しているらしいです。
クリスティーのほかの作品で、有名なものは次の二作です。今後読んでみたいです。
「そして誰もいなくなった」と「アクロイド殺し」。
さいごに。(一斉休校)
新型コロナウィルスの流行防止のため、市内の小中高校は一斉休校に入っています。
娘は月曜日の午前だけ登校して、その後は2週間休み。久々にのんびりしています。
オリエント急行の中で起きた殺人事件を、名探偵ポワロが解決する傑作推理小説です。
奇抜なアイディアによって、作者の代表作となっています。2回映画化されました。
名探偵エルキュール・ポアロは、急遽オリエント急行に乗り込むことになりました。
冬なのに一等寝台は満員で、さまざまな国のあらゆる階級の人々が乗っていました。
ポアロはアメリカの富豪ラチェットに、護衛を頼まれましたが、それを断りました。
そしてその夜ラチェットは、刺殺されたのでした。刺し傷は12か所もありました。
ポアロはさっそく事件解明に乗り出しましたが、乗客全員にアリバイがありました。
燃えさしの手紙から、被害者がアームストロング家の誘拐事件の主犯だと分かり・・・
この作品は、クリスティーの代表作であり、推理小説の傑作として知られています。
私は1974年の「オリエント急行殺人事件」を見たので、内容は知っていました。
映画を見ていなくても、結末を知っているという人は多いのではないかと思います。
結末を知っていても楽しめました。オリエント急行を舞台にしているところがいい。
「あらゆる階級、あらゆる国籍、あらゆる年齢の人が集まっている。これから3日間、
この人々が、知らない者どうしが、一緒に過ごすことになる。(中略)その3日間が
終わると、別れていく。それぞれの目的地へ向かい、おそらく、二度と会うことはな
い」(P45)
面白かったのは、あらゆる階級の人々が、ひとつの目的でつながったという点です。
そして、彼らは真相を攪乱するために、それぞれ自分にふさわしい役を演じました。
「念入りに組み立てられたジグソーパズルのようなもので、ジグソーの新しいピース
がひとつ出てくるたびに、事件全体の解決がむずかしくなる仕掛けになっていたので
す。」(P398)
中でも味わいのある人物が、ハバード夫人でした。彼女の正体は・・・
「昔からずっと、喜劇をやりたいと思ってましたのよ」(P404)・・・
さて、ごちゃごちゃした情報を、丁寧に整理して解明していく過程はさすがでした。
ポアロの推理に「なるほど」と感心し、最後の判断に「よかった」と安心しました。
この決着の付け方については、賛否両論あるようですね。
次のような言葉に、アガサ・クリスティーの考えが垣間見えるようで、面白いです。
「今回に関しては、正義がーー本当の意味での正義がーーおこなわれたと思っており
ます」(ドラゴミロフ公爵夫人の言葉・P356)
ところで、この小説を読んでいると、オリエント急行に乗ってみたくなります。
今でもオリエント急行を復元した列車が、部分的に運行しているらしいです。
クリスティーのほかの作品で、有名なものは次の二作です。今後読んでみたいです。
「そして誰もいなくなった」と「アクロイド殺し」。
さいごに。(一斉休校)
新型コロナウィルスの流行防止のため、市内の小中高校は一斉休校に入っています。
娘は月曜日の午前だけ登校して、その後は2週間休み。久々にのんびりしています。