ドグラ・マグラ2 [日本の近代文学]
「ドグラ・マグラ(下)」 夢野久作 (角川文庫)
病院に監禁されていた記憶喪失の青年にまつわる、奇怪な事件を描いた物語です。
1935年刊行。日本探偵小説の三大奇書のうちのひとつ。下巻もカバーがサイコー。
若林教授は、呉一郎による実母絞殺と花嫁絞殺事件を、独自に調査していました。
そして、呉一郎に絵巻物を見せ、精神異常を起こさせた犯人がいると確信しました。
呉一郎、伯母八代子、八代子の常雇い農夫、如月寺住職らから聴き取りをした結果、
いやそのずっと前から、若林教授は絵巻物の祟りについて、知っていたようです。
呉家の祖先なにがしが、最愛の夫人に死別したのを悲しみ、その屍を写生しました。
ところが半分も描かないうちに、亡きがらは腐乱して、白骨となってしまいました。
その絵巻は、弥勒座像の胎内に納めましたが、血縁の男たちは次々と狂いました。
そこで今から百余年前の当主が、絵巻を焼いて灰にしたと言われていましたが・・・
誰がそこから絵巻を盗んだのか? 誰がその絵巻を使って呉一郎を狂わせたのか?
いったい何のために呉一郎は狂わされたのか? 「私」は本当に呉一郎なのか?
事件がいよいよ大詰めに近づいたと思ったら、死んだ正木教授が出てきました。
しかも、煙に巻くようなことばかり言います。正木教授の方がよほど狂人に近い。
正木教授がペラペラとやるうちに、真相はどんどん遠ざかっていく気がします。
正木教授がヘンなことばかり言っているのは、何かを隠しているからのようです。
正木教授が打ち明けた、怪事件の犯人とは?
また、呉一郎の本当の父親は誰だったのか?
途中、物語の舞台は1000年前の中国に移って、興味深い展開をしました。
呉(くれ)家の祖先は、1000年前の呉青秀(ごせいしゅう)につながりました。
玄宗皇帝の時代、呉青秀が皇帝を諫めるために、自分の妻の死体を写生し・・・
呉一郎も呉モヨ子も、1000年前の出来事をもう一度なぞっているだけなのか?
知的好奇心に駆られる一方で、ぐじゃぐじゃ詰め込みすぎという感じもしました。
だから、いろいろな人が謎解きをしています。だからこそ「奇書」なのでしょう。
たとえば「アホダラ経」を削って、150ページほど短くしてほしかったです。
「まんがで読破」版では、そのような工夫がしてあって読みやすいのだそうです。
さて、夢野久作にはほかに、いくつかの短編の名作があります。
中でも「少女地獄」「瓶詰めの地獄」などは有名です。
さいごに。(うなぎ丼)
久しぶりにうな丼を食べました。ダブルを注文しました。おいしかったです。
ただし、中国産。日本産は、値段が倍以上。とても食べられません。
病院に監禁されていた記憶喪失の青年にまつわる、奇怪な事件を描いた物語です。
1935年刊行。日本探偵小説の三大奇書のうちのひとつ。下巻もカバーがサイコー。
若林教授は、呉一郎による実母絞殺と花嫁絞殺事件を、独自に調査していました。
そして、呉一郎に絵巻物を見せ、精神異常を起こさせた犯人がいると確信しました。
呉一郎、伯母八代子、八代子の常雇い農夫、如月寺住職らから聴き取りをした結果、
いやそのずっと前から、若林教授は絵巻物の祟りについて、知っていたようです。
呉家の祖先なにがしが、最愛の夫人に死別したのを悲しみ、その屍を写生しました。
ところが半分も描かないうちに、亡きがらは腐乱して、白骨となってしまいました。
その絵巻は、弥勒座像の胎内に納めましたが、血縁の男たちは次々と狂いました。
そこで今から百余年前の当主が、絵巻を焼いて灰にしたと言われていましたが・・・
誰がそこから絵巻を盗んだのか? 誰がその絵巻を使って呉一郎を狂わせたのか?
いったい何のために呉一郎は狂わされたのか? 「私」は本当に呉一郎なのか?
事件がいよいよ大詰めに近づいたと思ったら、死んだ正木教授が出てきました。
しかも、煙に巻くようなことばかり言います。正木教授の方がよほど狂人に近い。
正木教授がペラペラとやるうちに、真相はどんどん遠ざかっていく気がします。
正木教授がヘンなことばかり言っているのは、何かを隠しているからのようです。
正木教授が打ち明けた、怪事件の犯人とは?
また、呉一郎の本当の父親は誰だったのか?
途中、物語の舞台は1000年前の中国に移って、興味深い展開をしました。
呉(くれ)家の祖先は、1000年前の呉青秀(ごせいしゅう)につながりました。
玄宗皇帝の時代、呉青秀が皇帝を諫めるために、自分の妻の死体を写生し・・・
呉一郎も呉モヨ子も、1000年前の出来事をもう一度なぞっているだけなのか?
知的好奇心に駆られる一方で、ぐじゃぐじゃ詰め込みすぎという感じもしました。
だから、いろいろな人が謎解きをしています。だからこそ「奇書」なのでしょう。
たとえば「アホダラ経」を削って、150ページほど短くしてほしかったです。
「まんがで読破」版では、そのような工夫がしてあって読みやすいのだそうです。
さて、夢野久作にはほかに、いくつかの短編の名作があります。
中でも「少女地獄」「瓶詰めの地獄」などは有名です。
さいごに。(うなぎ丼)
久しぶりにうな丼を食べました。ダブルを注文しました。おいしかったです。
ただし、中国産。日本産は、値段が倍以上。とても食べられません。