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ガラスの動物園 [20世紀アメリカ文学]

 「ガラスの動物園」 T・ウィリアムズ作 小田島雄志訳 (新潮文庫)


 極度に内気で引きこもりのローラと、彼女を取り巻く家族を描いた戯曲です。
 T・ウィリアムズの出世作で、二度も映画化されています。

 現在、新潮文庫で読むことができます。


ガラスの動物園 (新潮文庫)

ガラスの動物園 (新潮文庫)

  • 作者: テネシー ウィリアムズ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1988/03
  • メディア: 文庫



 ローラは、脚に軽度の障害があるため、内気で引きこもりがちな女性です。
 心を閉ざしているローラにとって、友達は、ガラス細工の動物たちだけです。

 母親アマンダは、ローラがこのままオールドミスになることを、心配しています。
 ローラの弟トムは、あるとき、職場の同僚のジムを、夕食に招待しましたが…

 なかなか面白い展開です。会話も楽しいです。
 特に、ローラとジムが親密になってくるところからは、流れるように進みます。

 しかし、この結末は!
 これでは、救いがありませんよ。

 この劇は、自伝的作品で、語り手のトムは、T・ウィリアムズ本人の投影です。
 ローラのモデルは、作者の姉ローズで、彼女もまた精神を病んでいました。

 ローズの手術の失敗が、T・ウィリアムズに、深い傷を残したのだそうです。
 その心の傷が、この劇を、救いの無いものにしているのでしょうか。

 余談ですが、彼はゲイとしても有名で、三島由紀夫と親しかったそうです。
 また、ゲイを嫌う少年たちから、殴られたこともあるのだとか。
 T・ウィリアムズの、心の闇は深そうです。

 さて、「欲望という名の電車」も有名な戯曲です。
 これを、T・ウィリアムズの代表作と考える人は、多いです。


欲望という名の電車 (新潮文庫)

欲望という名の電車 (新潮文庫)

  • 作者: T.ウィリアムズ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1988/03
  • メディア: 文庫



 さいごに。(金環日食)

 21日の出勤前、家族三人で、金環日食を観測しました。感動しました!
 薄い雲が、フィルターのように太陽を覆っていたため、肉眼で見えました。
 (ほんとは、ダメ。娘にはフィルターを使わせました。)

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