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東海道中膝栗毛2 [日本の古典文学]

 「現代語訳 東海道中膝栗毛(下)」 十返舎一九作 伊馬春部訳 (岩波現代文庫)


 江戸時代の東海道の旅を、狂歌をまぜながら面白おかしく描いた、滑稽本の傑作です。
 訳は作家の伊馬春部。1974年に出ました。下巻は五編から七編まで収録しています。


現代語訳 東海道中膝栗毛(下) (岩波現代文庫)

現代語訳 東海道中膝栗毛(下) (岩波現代文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: 文庫



 とうとう、目的だったお伊勢参りを済ませますが、これで終わりではありません。
 このあと、京都まで足を延ばしますが、この部分が思いのほか面白かったです。

 あとへ行くほど、1つ1つのエピソードが、長く凝ったものとなっていきます。
 十返舎一九の筆はますます冴えますが、下ネタ満載なところは上巻と変わりません。

 外宮を参拝した後、弥次さんは急に腹痛がしたので、宿屋に入って横になりました。
 勘違いして弥次さんのところにやってきた産婆。二人のやりとりが傑作でした。

 ばば「ぐっと力んで。それ、もうひとふんばり」
 弥次「ここで力んでたまるものか。雪隠(せっちん)に行きてえ。はなしてくれ」
 ばば「厠(かわや)へ行てはならんわいの。とんだことをおっしゃるわい」
 弥次「ここで力むと、ここに出る」
 ばば「出るから、りきまんせと言うのじゃ。それ、ううん。それ、もう頭がでかけた、
   出かけた」
 弥次「いたたたた。これ、そりゃあ、赤ん坊じゃねえ。それをそんなに、引っぱっちゃ
   いけねえ。ああ、これ痛えよ」
 (目の悪い産婆が、赤ん坊だと思って引っ張ったモノは、もちろん・・・)

 また、淀川を下る乗合船での一幕も傑作です。
 弥次さんが小便が出そうで困っていると、隣にいたご隠居が尿瓶を貸してくれました。

 夜の暗がりの中での手探りのため、弥次さんは急須を尿瓶だと間違えて用をたし・・・
 翌朝ご隠居はそれと知らず、その急須に酒を入れ、燗をして皆にふるまって・・・

 尿瓶は新品だったため、今度はその尿瓶に酒を入れて、燗をして皆に回しました。
 しかし途中で、酒の入った尿瓶と、病人の尿瓶が取り違えられてしまい・・・

 この手の話がわんさと出てきますが、嫌いな人もいるでしょう。私は好きですけど。
 そういえば、上巻の冒頭付近にも、こんな話が出ていました。

 ある女を手篭めにしようとしたら声を出すので、その口に餅を入れて黙らせました。
 女は餅をむしゃむしゃ食って「もっとくれ」と言うので、馬糞を入れてやったとか。

 「東海道中膝栗毛」は児童用の抄訳も出ているので、私も子供の頃に読みました。
 しかし、こういう本当に面白い(?)部分は、全部カットされていたのですね。

 この作品が出たのは1802年です。江戸時代後期の人々の好みが分かって面白いです。
 この後、一九は「続膝栗毛」を連発し、流行作家となりました。

 一九は、日本で初めて文筆のみで自活した作家です。それだけ作品が売れました。
 その背景には、寺子屋が増え、庶民の識字率が高まっていたことがあると言います。

 さいごに。(世界陸上ドーハ大会)

 世界陸上では、50キロの鈴木に次いで、20キロでは山西が金メダルを取りました。
 お見事。競歩という地味でキツイ競技が、注目されるきっかけとなってほしいです。

 そして、なんといってもスゴかったのは、4×100mリレー。米英に続き銅メダル!
 ここ10年で、日本のリレーは3以内に入って当然、というチームに成長しました。

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東海道中膝栗毛1 [日本の古典文学]

 「現代語訳 東海道中膝栗毛(上)」 十返舎一九作 伊馬春部訳 (岩波現代文庫)


 江戸時代の東海道の旅を、狂歌をまぜながら面白おかしく描いた、滑稽本の傑作です。
 19世紀の初頭に大流行し、主人公の名をとって「弥次喜多道中」とも呼ばれています。


現代語訳 東海道中膝栗毛(上) (岩波現代文庫)

現代語訳 東海道中膝栗毛(上) (岩波現代文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/07/16
  • メディア: 文庫



 神田八丁堀に住む弥次郎兵衛と、食客の喜多八は、ともにのんきな独り者です。
 二人は、諸国の名所景勝を見物しながら、伊勢参りをしようと思い立ちました。

 財産を整理して、江戸を出発。弥次さん北さんの、珍道中が始まりました。
 旅の恥はかき捨て。行く先々で人にちょっかいを出し、失敗を繰り返します。

 小田原の宿では、二人とも五右衛門風呂の入り方が分からなくて・・・
 北八はつかりすぎて、立ったり座ったりしているうちに・・・

 藤枝の茶店では、先ほど喧嘩になったオヤジが、酒をおごると言うので・・・
 調子の乗って、さんざん飲み食いしたあげく・・・

 赤坂に向かう途中、弥次さんは悪い狐が出るというのを聞いて・・・
 「あきれた。北八そのままだ。よくもうまく化けやがった。こん畜生め」・・・

 しかし、なんと言っても傑作は、宮の宿でのあんまとのやりとりでしょう。
 あんまは北八の頭をもみながら、手拍子をうち、頭をぴしゃぴしゃたたく・・・

 私が小4のとき、担任の先生がよく「弥次さん北さん」の話をしてくれました。
 あんまが頭をうつ場面は、先生の身振り手振りが面白くて、印象に残っています。

 さて、今回初めて「東海道中膝栗毛」を読みました。前半が終わった所です。
 意外だったのは、狂歌が頻繁に出てきて、話にオチをつけることです。

 この作品はただのバカ話ではありません。読者は、多少の教養が求められます。
 たとえば八橋では、ちゃんと伊勢物語を踏まえた狂歌が添えられています。

 「八つはしの古跡をよむもわれわれがおよばぬ恥をかきつばたなれ」
 注無しで味わうにはちょっと難しいです。狂歌には注がほしかったです。

 さいごに。(またinfobarネタ)

 infobar vx はガラホですが、いっちょ前にナビのアプリが入っています。
 しかし使おうとすると、月に300円払えと言うのです。そんなアプリはいらん。

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今昔物語集2 [日本の古典文学]

 「今昔物語」 福永武彦訳 (ちくま文庫)


 怪異譚、滑稽譚、人情譚等、あらゆる話を収録した、平安末期成立の説話集です。
 私は、本朝篇から155話を抄録したちくま文庫版で読みました。訳者は福永武彦。


今昔物語 (ちくま文庫)

今昔物語 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1991/10/24
  • メディア: 文庫



 ちくま文庫「今昔物語」後半は、滑稽・悪行・人情・奇譚・仏法・・・と続きます。
 特に悪行は本書のクライマックスで、どこかで聞いたことのある話も多いです。

 「谷底に落ちても平茸(ひらたけ)を取る話」 「鼻を持ち上げて朝粥を食う話」
 「異端の術で瓜を盗まれる話」        「何者とも知れぬ女盗賊の話」
 「羅城門の楼上で死人を見る話」       「大江山の藪の中で起こった話」
 「太刀帯(たてわき)の陣で魚を売る女の話」 「近江の国に婢となった女の話」
 「信濃の国にあった姥捨山の話」       「死んでも舌が残った僧の話」
 「女の執念が凝って蛇となる話」       「京の町で百鬼夜行にあう話」

 最も印象に残ったのは、「丹波の守が胎児の生き胆(ぎも)を取る話」です。
 平貞盛が丹波の守だったとき、悪い病気に罹ったため、医者に診断させました。

 医者が言うには、「これは命にかかわる病で、胎児の生き胆を薬とするしかない」。
 貞盛が、子の維衡に言うには、「お前の妻の腹の子を、おれにくれ」。(!)

 いくら親子だって、それはないでしょう。で、維衡は災難をどのように防いだのか?
 また、そののち医者にふりかかった災難を、維衡はどのように防いだのか?

 最も面白かったのは、「平中物語」で有名な「平中が本院の侍従に恋する話」です。
 平中は「侍従の君」に恋い焦がれ、彼女の部屋に忍んで行きましたが・・・

 痛い目にあった平中が、侍従の君を思いきるために案じた一計とは?
 しかし、そのはこの中のう〇こは、何とも言えない良い匂いがして・・・

 なお、う〇こネタなら「越前の守為盛が謀をめぐらす話」も面白いです。
 6月の暑い日、役人たちが越前の守の屋敷に、量米の取り立てに行きました。

 門の中に通されると、そこには塩辛い料理ばかりがたくさん並べられていました。
 出された酒は、少し濁って酸っぱかったが、のどの渇きに何杯も飲むうちに・・・

 「近江の国に婢(ひ)となった女の話」も、忘れられない話です。
 両親が亡くなり、残された女は、夫を養うことができず、別れることにしました。

 やがて落ちぶれた女は、ある男に見初められて、近江の国に連れて行かれました。
 数年後、そこに赴任した新しい国の守とは・・・本書の中で最も泣ける話でした。

 さて、ちくま文庫版「今昔物語」は、全体の2割弱の155話を採録しています。
 最初はこのくらいがちょうどいいと思っていましたが、今ではもの足りないです。

 その最大の理由は、源博雅と蝉丸の伝説が、ここには収録されていないからです。
 いつか時間がたっぷりできたなら、講談社学術文庫版の全2巻に挑戦したいです。

 さいごに。(10連休に旅行?どこの国の話?)

 毎年ゴールデンウィークの最後の3日間には、大事な出張が入っています。
 その準備をするため、ゴールデンウィークは、ほとんど休むことができません。

 すでに10日間のうち9日間が仕事で、唯一の4/29の休みを必死で死守しています。
 巷では「10連休に旅行」とか言ってますが・・・

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今昔物語集 [日本の古典文学]

 「今昔物語」 福永武彦訳 (ちくま文庫)


 怪異譚、滑稽譚、人情譚等、あらゆる話を収録した、平安末期成立の説話集です。
 一話一話は短いながら、全31巻に及び、実に1000話以上の物語を収録しています。

 読書人にとって問題となるのは、「今昔物語集」をどこまで読むべきか、です。
 その答えによって、私たちの選ぶべき本が、自然と決まってきます。

 まず、読書人なら、1000話すべてを読むのが正道だ、という考え方があります。
 ところが、まるまる全文を収めているという本が、なかなか見当たりません。

 定番の岩波文庫版(全4巻)でさえ、約400話の抄録だと言うではありませんか。
 しかも、なんと、現代語訳が付いていない。私はてっきり全訳だと思っていた!


今昔物語集 全4冊セット (岩波文庫)

今昔物語集 全4冊セット (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/07/09
  • メディア: 文庫



 また、天竺篇、震旦篇、本朝篇のうち、「本朝篇」だけを収録した本も多いです。
 中には、本書のクライマックスである「本朝世俗部」のみ、という本もあります。

 2016年に出た講談社学術文庫版もそうで、「本朝世俗篇」は全て収録しています。
 天竺篇も震旦篇も本朝仏法篇もバッサリ切って、本朝世俗篇だけはこだわりの全訳。

 これはこれで潔いやり方だと思います。実際、とても効率的な方法でもあります。
 それでも、講談社学術文庫版は、二分冊で1300ページ以上あります。

 実際に書店で、上下巻のぶ厚い文庫本を目にしたら、気力が萎えてしまいました。
 しかも2冊で4000円。現代語訳は分かりやすいのですが、私は敬遠しました。


今昔物語集 本朝世俗篇 (上) 全現代語訳 (講談社学術文庫)

今昔物語集 本朝世俗篇 (上) 全現代語訳 (講談社学術文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/06/11
  • メディア: 文庫



今昔物語集 本朝世俗篇 (下) 全現代語訳 (講談社学術文庫)

今昔物語集 本朝世俗篇 (下) 全現代語訳 (講談社学術文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/11
  • メディア: 文庫



 ということで、私が選んだのは、本朝篇から155話採録したちくま文庫版です。
 全1巻で650ページほどですが、この分量がちょうどいいのです。

 また、福永武彦の訳も、分かりやすくていいです。さすが、作家さんです。
 ただし、訳者独自の分類がされているので、目的の話を探すのがたいへんでした。


今昔物語 (ちくま文庫)

今昔物語 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1991/10/24
  • メディア: 文庫



 さて、ちくま文庫版「今昔物語」の前半は、世俗・宿報・霊鬼・・・と続きます。
 この三部には、不思議な話がたくさん入っていて、とても興味深かったです。

 「碁の名人が女に負かされる話」 「蛇の嫁いだ娘を治療する話」
 「地神に追われた陰陽師の話」  「天文博士が夢をうらなう話」
 「死んだ妻が悪霊となる話」   「犬の鼻から蚕の糸が出る話」
 「水の精が人の顔を撫でる話」  「近江の国の生霊が京に来る話」
 「死んだ妻とただ一夜遭う話」  「高陽川(かやがわ)の狐が瀧口をだます話」

 以上は、怪異好きには絶対オススメできる話です。
 また、源博雅が登場する「玄象の琵琶が鬼に取られる話」は、とても有名です。

 朝廷に昔から伝わる、玄象という由緒正しい琵琶が、あるとき不意に消えました。
 管弦の道を極めた源博雅が宿直をしていると、どこからか玄象の音が聞こえ・・・

 ついでに源博雅のほかの話も読みたいと思ったのですが、探すことができません。
 「今昔物語集」の24巻にある博雅と蝉丸の話は、どこに分類されているのか?

 ところで、私が一番印象に残ったのは、「生贄の男が猿神を退治する話」です。
 展開が面白くて、ちょっとした小説になりそうな話です。

 諸国行脚の僧が、飛騨の国で出会った男は、滝の中に入って姿をかき消しました。
 自分も同じようにすると、滝の裏には道があって、大きな人里に続いていました。

 その里では、人々が僧を見て「ぜひうちへ来てくれ」と、取り合いになりました。
 僧はある家に迎えられ、妻を得て、毎日何不自由なく暮らしていましたが・・・

 この本に訳出された話は、全体の2割にも満たない数ですが、それでも充分です。
 650ページ全部を読んだら、おなかいっぱいになりそうです。

 さいごに。(娘は中学生)

 今年も、家の前の桜が見ごろを迎え、そして先日、娘は中学生になりました。
 私は仕事を2時間ほど休んで、中抜けさせてもらい、入学式に出席しました。

 このブログを始めた頃、幼稚園にも入っていなかった娘が、もう中学生です。
 「入学おめでとう」と言われて、うれしいやら、さびしいやら・・・

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平家物語2 [日本の古典文学]

 「平家物語(下)」 尾崎士郎訳 (岩波現代文庫)


 繁栄の極みにあった平家が没落し、合戦によって滅亡するまでを描いた物語です。
 幼い頃より琵琶に親しんだ尾崎士郎の訳は、読みやすい名調子で貫かれています。


現代語訳 平家物語(下) (岩波現代文庫)

現代語訳 平家物語(下) (岩波現代文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/04/17
  • メディア: 文庫



 下巻には、第7巻から第12巻まで、平家物語の後半が収められています。
 都落ちした平家が、院宣を受けた源氏に追討され、滅亡するまでを描いています。

 義仲の登場、平家一門の都落ち、頼朝が征夷大将軍に、義仲の最期、一ノ谷の戦い、
 維盛の入水、屋島の戦い、壇ノ浦の戦い、平家滅亡、義経の都落ち、建礼門院の死。

 下巻の前半では、都に義仲、西に平家、東に頼朝と、勢力は三分されていました。
 義仲が味方である源氏に追い詰められる場面が、最初のクライマックスです。

 義仲の前で、最後に強敵を討ち取って見せ、名残惜しみながら落ちていった巴御前。
 義仲に自害させるため命がけで敵を防ぎ、最後は太刀を口に含んで果てた今井兼平。

 倶利伽羅峠で平家の大軍を破り、旭将軍と呼ばれながら、同じ源氏に討たれた義仲。
 「木曽の最後」における、義仲と兼平の悲しい結末は、涙無しには読めません。

 そして、下巻の後半に入ると、滅びゆく平家一門の人々が主役となります。
 動かしがたい時代の流れに吞まれた彼らは、いかに生き、いかに死んでいったか?

 都落ちから俊成の家に戻り、一ノ谷での死後千載集によみ人しらずで歌を残した忠度。
 仁和寺に駆けつけ、下賜されていた琵琶の名器青山を返上し、一ノ谷で果てた経正。

 都に置いてきた妻子を思いきれず、高野山で出家し、熊野で入水する道を選んだ維盛。
 南都焼き討ちの罪を一身に被り、鎌倉で生き恥をさらした上で、無残に斬られた重衡。

 平家一の武勇を誇り、壇ノ浦で義経を追い詰め、最後まで戦い抜いて入水した教経。
 平家の滅亡を宿命として受け入れ、一門の最後を全て見届けた上で、入水した知盛。

 平家の総帥でありながら勇断を下せず、一門を滅亡に導き、生き恥までさらした宗盛。
 平家の面々それぞれに、それぞれの人間模様があり、読んでいて面白かったです。

 わずか八歳で分けも分からず、平家一門と運命をともにし、壇ノ浦で入水した安徳帝。
 入水したところを捕えられ、大原で寂しく暮らし、人知れず世を去った建礼門院・・・

 灌頂巻の女院の姿が印象的です。「この世のことはすべて、車輪の廻るようなもので、
 いかなる快楽も、全く束の間の夢まぼろし、流転きわまりないものです。」(P358)

 壇ノ浦で最後の戦いに挑んだ平家も、同じように考えていたのではないでしょうか。
 彼らは自分たちの時代が終わったことを察して、華々しく死のうとしたのではないか?

 「平家物語」には、武士の生き様があらわれています。武士の美学が詰まっています。
 貴族の世から武士の世へ。その移り変わりを象徴するのが「平家物語」です。

 「平家物語」は、ある意味、武士たちの建国神話です。まさに武士たちの叙事詩です。
 琵琶法師に語られながら、内容が増補されていったという形成過程も、叙事詩的です。

 世界文学史的に見ても、中世文学を代表する作品の一つだと、私は考えています。
 もっともっと世界で訳され、知られてもいい作品だと思います。

 ところで、下巻を読み終わったあと、以前読んだ「平家物語」の原文を見てみました。
 そして改めて、文章の味わい深さは、原文にはかなわないと思いました。

 時間が許したら、ぜひ原文をもう一度、ゆっくり音読してみたいです。
 なお、「すらすら読める平家物語」もオススメですが、現在は絶版です。


平家物語 (岩波文庫  全4冊セット)

平家物語 (岩波文庫 全4冊セット)

  • 作者: 山下宏明
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/07/07
  • メディア: 文庫



すらすら読める「平家物語」 (PHP文庫)

すらすら読める「平家物語」 (PHP文庫)

  • 作者: 高野 澄
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 文庫



 さいごに。(今年もよろしくお願いします。)

 明けましておめどうございます。このブログは今、ちょうど10年目に入っています。
 今年も、みなさまよろしくお願いいたします。

 10年前、娘はまだ3歳でした。今年、娘は中学生になります。半分は大人です。
 娘が独り立ちできるよう、昨年一年、少しずつ子離れしてきたつもりですが・・・

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平家物語1 [日本の古典文学]

 「平家物語(上)」 尾崎士郎訳 (岩波現代文庫)


 繁栄の極みにあった平家が没落し、合戦によって滅亡するまでを描いた物語です。
 作者は未詳です。琵琶法師によって語られたため、一般大衆にまで広まりました。


現代語訳 平家物語(上) (岩波現代文庫)

現代語訳 平家物語(上) (岩波現代文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/04/17
  • メディア: 文庫



 岩波現代文庫「平家物語」は、昭和を代表する小説家尾崎士郎による名訳です。
 その上巻には、第1巻から第6巻まで、平家物語の前半が収められています。

 平家の支配、鹿ケ谷の陰謀、安徳天皇即位、以仁王の乱、頼朝挙兵、清盛の死。
 平家が栄華の極みから、清盛の死によって、没落を始めるまでを描いています。

 「平家物語」というと、源氏と平家の戦いの場面の印象がとても強いのですが、
 頼朝が挙兵するのは第5巻に入ってからであって、上巻では全くの脇役です。

 上巻における源氏の顔は源頼政です。源氏の最長老で、70歳を超えていました。
 二度にわたって鵺(ぬえ=妖怪)を撃ち落とした、若き日の活躍は伝説的です。

 頼政はどのように出世したのか? 老いてからどうして謀反をおこしたのか?
 頼政の人生は、なかなか興味深いです。そして哀愁を感じさせます。

 さて、上巻の主役はなんといっても清盛です。まさに、清盛あっての平家です。
 気性が激しく、傲慢でしたが、それだけの実力を持った人間でもありました。

 平家独裁政府を樹立するために、遷都までするところは、並みの人間ではない。
 批判は多いけど、清盛はとても革新的なことを考えていた人なのだと思います。

 だからこそ、彼は生前から、伝説で彩られていました。
 慈慧大僧正の生まれ変わりだとか、実は白河院の御落胤なのだとか。

 清盛はその強烈なキャラクターで、世の中全体をぐいぐい引っ張っていました。
 また、傍若無人な振る舞いによって、清盛の死後、平家は一気に衰退しました。

 平家を栄えさせたのも清盛であり、没落させたのも清盛であったのではないか?
 嫡男の重盛が生きていたら、平家はこんなにも早く亡びることはなかったはず。

 重盛も良い味を出しています。清盛にこんなことを言えるのは重盛だけです。
 「我が一門は、あまりに短時日の内に、この世の栄華富貴を極めすぎた・・・」

 重盛は、平家のバランスをとりながら、清盛の心のバランスもとっていました。
 だから重盛が死んだ後、清盛の行動はどこか病的になっていくのだと思います。

 ところで、平家物語の魅力の一つは、随所で語られるさまざまな人間模様です。
 たとえば、以仁王を逃がした長谷部信連(のぶつら)を、生け捕りにした場面。

 平家の侍たちは、その立派な態度を見て、敵である信連に感心してしまいます。
 「これこそ一騎当千の侍」とか言って、敵である信連を称賛したりして・・・

 さて、林望の現代語訳「謹訳 平家物語」が単行本で出ています。気になります。
 「謹訳 源氏物語」同様、文庫化されることを強く願っています。


謹訳 平家物語 一

謹訳 平家物語 一

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2015/05/01
  • メディア: 単行本



 さいごに。(クリスマスプレゼントはいらない?)

 なんと、娘は「今年のクリスマスのプレゼントはいらない」と言っています。
 感心するというより、怖い感じがします。また、なんとなく寂しいような気も。

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今物語 [日本の古典文学]

 「今物語」 藤原信実 三木紀人訳注 (講談社学術文庫)


 鎌倉時代に語られていた風流譚・恋愛譚・滑稽譚を、53編収録した説話文学集です。
 簡潔で一話が短いため読みやすいです。著者は36歌仙を描いたと言われる歌人です。


今物語 (講談社学術文庫)

今物語 (講談社学術文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/10/09
  • メディア: 文庫



 「今物語」は中世説話文学の傑作というが、恥ずかしながら私は全く知らなかった。
 ある読書仲間から、「今物語」のある話を勧められて、読んでみる気になりました。

 第二話の「忠度と扇」は、読みながら私はうなりました。風流譚の傑作でしょう。
 歌の一部をとっさに口にする機転、そしてその意味を正確に理解する教養・・・

 知識をひけらかすことなく、純粋に和歌を楽しむ忠度の振る舞いが、印象的です。
 生活に和歌が自然に溶け込んでいた、古き良き時代の理想の姿がここにあります。

 ほか、第三話「雪の朧月夜」(女房から即座に敷き物が出てきたのはなぜか?)、
 第六話「うしろむき」(女が後ろ向きで寝たのはなぜか?)等も風流で良いです。

 また、第十話「やさし蔵人」(蔵人は主人に代わってどんな返事をしたか?)、
 第二十四話「亀井の尼」(帝の一夜の訪れが・・・)等はよく知られています。

 私にとっては、第二十六話「小式部の夢」(夕暮れに不意に訪れた殿方は?)、
 第三十八話「源氏供養」(紫式部の亡霊!)など、不思議な話が面白かったです。

 特に、第三十五話「蓮華王の往生」は、半ページながら強烈な印象を残します。
 夢に言われたとおり、その少年の棺を七日目に開けてみると・・・

 しかし、なんといっても最も印象に残るのは、第五十二話「はこの不始末」です。
 実は、ある読書仲間に勧められた話というのが、この話なのです。

 説教師が説法をした後、急に大便をしたくなり、布施も受け取らず帰りました。
 急いで便所に駆け込みましたが、屁ばかりが出て大便が出なかったので・・・

 昨日は大便にだまされ、今日は屁にだまされ・・・この先はとても語れません。
 品のない滑稽譚ですが、こういう話に限って記憶に残ってしまうのが悲しいです。

 さて、講談社学術文庫版は、語釈と解説が充実していますが、やや詳しすぎます。
 語釈を無くし、もっと一般の読書人が読みやすくなる構成で、出してほしいです。

 さいごに。(ダウンコレクション?)

 ユニクロのちらしに「ダウンコレクション」と、大きく出ていました。
 その、「ウンコ」の部分だけが、なぜかやたらと目に焼き付いてしまいました。

 妻と娘にそのことを話すと・・・なんともいえない冷たい反応でした。
 実は、ほかにも「かわいいワンコ」が「かわいい〇ンコ」に見えてしまって・・・

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すらすら読める方丈記 [日本の古典文学]

 「すらすら読める方丈記」 鴨長明著 中野孝次訳 (講談社文庫)


 出家遁世した長明が、体験してきた災厄と自身の思想を記した随筆文学です。
 「徒然草」「枕草子」と並び、日本三大随筆のひとつです。鎌倉時代に成立。


すらすら読める方丈記 (講談社文庫)

すらすら読める方丈記 (講談社文庫)

  • 作者: 中野 孝次
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/10/16
  • メディア: 文庫



 「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。・・・」
 冒頭のこの名文を、高校の国語の授業で学習した人は、きっと多いことでしょう。

 私もその一人。しかし高校時代には、この作品の魅力が全く分かりませんでした。
 そりゃ、そうですよ。若さ爆発の時代に、「無常観」を味わえって言ってもねえ。

 ところが今、51歳になって読み返してみると、意外なほどに面白いのです。
 年を重ねたためか、長明の放つちょっとした言葉に、しびれてしまうのです。

 「世にしたがへば、身、くるし。したがはねば、狂せるに似たり。」

 「事を知り、世を知れれば、願はず、走らず。
 ただ、静かなるを望みとし、愁へ無きを楽しみとす。」

 「おほかた、世をのがれ、身を捨てしより、恨みもなく、恐れもなし。
 命は天運にまかせて、惜まず、いとはず。身は浮雲になずらへて、頼まず」

 そういえば高校時代に、「隠者になりたい」と言っていた友人がいました。
 鴨長明のように、田舎に方丈の庵を結んで、自由に生きたいと言うのです。

 10年ほど前に陸上部の集まりで再会した時、彼はIT企業で働いていました。
 いわく「残業ばかりで自由な時間など無い」 思うようにいかないものです。

 さて、本書は中野の訳と補足説明が、「方丈記」の魅力を増幅させています。
 訳は分かりやすく「すらすら読め」て、補足説明には長明への愛があります。

 特に、第三部と第四部の補足説明は、鴨長明の生涯を愛おし気に語っています。
 長明のことがが好きで好きでたまらない人が、書いたんだなあと思いました。

 実は私は最初、角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックスで読みました。
 ところが、解説における言い回しに引っかかって、途中でやめてしまいました。

 著者は随所で、長明をちくちく批判しています。たとえば、次のような言葉で。
 「いかにも苛烈な政権抗争の圏外で、ぬるま湯に浸かって育った長明らしい。」

 角川ソフィア文庫版は、図版が多く充実していますが、私には合わなかった。
 気になって、アマゾンのレビューを見たら、同じような意見が多かったです。

 なお、中野孝次による「すらすら読める」の姉妹編に、「徒然草」もあります。
 中野がどのようなコメントをしているか、少し気になります。


すらすら読める徒然草 (講談社文庫)

すらすら読める徒然草 (講談社文庫)

  • 作者: 中野 孝次
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/11/15
  • メディア: 文庫



 また、中野孝次といえば、世捨て人の暮らしを論じた「清貧の思想」でしょう。
 バブル崩壊後の1992年に出て、大きな反響を呼び起こしました。再読したい。


清貧の思想 (文春文庫)

清貧の思想 (文春文庫)

  • 作者: 中野 孝次
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1996/11/01
  • メディア: 文庫



 さいごに。(走れるようになりました)

 昨年の秋に、左ひざの後十字靭帯を損傷し、ずっとリハビリを続けてきました。
 ようやく違和感が無くなり、少しずつ走れるようになってきました。

 100mは15秒、200mは30秒かかりましたが、走れるようになっただけで有難い。
 本を読むことと走ることが、人生における私の大きな楽しみなので。

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枕草子 [日本の古典文学]

 「枕草子」 清少納言作 坂口由美子訳 (角川ソフィア文庫)


 宮廷生活や四季の移ろいを、鋭い観察眼で簡潔に描いた、随筆文学の傑作です。
 「源氏物語」の「あはれの文学」に対し、「をかしの文学」と称されています。


枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/07/01
  • メディア: 文庫



 「枕草子」は、随筆の古典中の古典です。今さら内容説明は不要でしょう。
 中学校や高校で誰もが必ず接してきたと思います。有名な章段は・・・

 春はあけぼの、木の花は、鳥は、虫は、ありがたきもの、うつくしきもの。
 くらげの骨、逢坂の関、言はで思ふぞ、香炉峰の雪、枕にこそ侍らめ。

 「枕草子」といったら「春はあけぼの」。この固定観念がつまらなくしている!
 本当に面白いのは、清少納言の、当時の人間関係がしのばれる章段です。

 清少納言の出仕のいきさつ、中宮定子の全盛期、道隆の死と伊周の没落・・・
 清少納言と則光、清少納言と斉信(ただのぶ)、清少納言と行成・・・

 補足説明では、今昔物語なども引用して、知られざる一面を紹介しています。
 もと夫の則光は意外とイケメンだったり、父の元輔は意外とお茶目だったり。

 しかし、もっとも印象的だったのは、やはり藤原斉信と藤原行成です。
 清少納言も、一流の貴公子たちとのやり取りを楽しんでいたんですね。

 さて、「NHKまんがで読む古典1 枕草子」は、よくできているマンガです。
 内容はもちろん、作者のこと、時代背景、宮中生活等についても分かります。


枕草子 (ホーム社漫画文庫―NHKまんがで読む古典 (特5-1))

枕草子 (ホーム社漫画文庫―NHKまんがで読む古典 (特5-1))

  • 作者: 面堂 かずき
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: 文庫



 この中で私が最も気になったのは、ほんの一瞬だけ登場した藤原実方です。
 清少納言と藤原の実方は、幼なじみであったという! 

 実方は、私の憧れの歌人のひとりです。「おくのほそ道」で紹介しました。
 「おくのほそ道」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-01-16

 「むかし・あけぼの」は、「枕草子」の小説で、めちゃくちゃ面白いです。
 ある意味、枕草子本の決定版です。2016年に文春文庫から復刊されました。


むかし・あけぼの 上 小説枕草子 (文春文庫)

むかし・あけぼの 上 小説枕草子 (文春文庫)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/04/08
  • メディア: 文庫



むかし・あけぼの 下 小説枕草子 (文春文庫)

むかし・あけぼの 下 小説枕草子 (文春文庫)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/04/08
  • メディア: 文庫



 さいごに。(早めの誕生日プレゼント)

 娘の誕生日は9月ですが、すでに早めの誕生日プレゼントを与えました。
 6月末に出る「ヘイセイ・ジャンプ」の10周年記念ライブDVD3枚組です。

 妻がアマゾンで予約購入しました。6000円ほどの出費でした。
 しかし、3パターンあるので、ジャニオタは3種(18000円!)買うんだとか。
 (うちの子が、1つで満足してくれて良かった)

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私家版かげろふ日記 [日本の古典文学]

 「私家版かげろふ日記」 杉本苑子 (講談社文庫)


 時の権力者藤原兼家との結婚生活における、愛と苦悩を描いた女流日記です。
 藤原道綱の母によって書かれたものを、読みやすくアレンジしてあります。


私家版かげろふ日記 (講談社文庫)

私家版かげろふ日記 (講談社文庫)

  • 作者: 藤原道綱母
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 文庫



 才色兼備で知られた作者は、19歳の時、兼家から熱烈なプロポーズを受けました。
 周囲は将来有望な兼家との結婚を喜び、やがてひとり息子の道綱が生まれました。

 しかし、蜜月時代は短く、「結ばれてすでに十一、二年・・・。そのあいだの私の
 内奥を打ち明けて言えば、一日として物思いのない日はなかった。」という。

 その間「うつろひたる菊」「ゆするつきの水」等、有名なエピソードも登場します。
 結婚生活への失望、浮気相手への嫉妬、正妻への複雑な心情、我が子への執着・・・

 当時の悩める姫君の姿が、とてもリアルに感じられました。
 平安貴族の世界に入り込んだようで、興味深く読むことができました。

 特に、兼家を身近に感じられて楽しかったです。この男、まったく憎めませんね。
 著者が、兼家を憎みながらも、どうしようもなく愛している様子が伝わってきます。

 さて、数ある現代語訳の中で本書を選んだのは、断然に分かりやすかったからです。
 その読みやすさの理由は、以下のような編集方針にあります。

 「冗漫な部分を思い切ってカットし、原作者自身は触れていないけれども政界官界
 の動きなどを挿入して、当時の時代背景を知っていただけるよう配慮しました。」

 原典では分かりにくい個所が、文章中でとてもさりげなく補足説明されています。
 そのため、註を読んで中断したり、不明箇所を読み飛ばしたりすることもないです。

 しかも、巻末に「その後のかげろふ日記」が付いています。(これが良かった!)
 日記で書かれなかった日々のことが、知ることができて、とても参考になりました。

 さいごに。(富士山世界遺産センター)

 今年のGWもほとんど仕事で潰れました。働き方改革って、どこの国の話?
 唯一休めた4月29日に、富士宮の富士山世界遺産センターに行ってきました。

 外観が有名ですが、中では螺旋階段を登りながら富士登山を体験できて面白い。
 娘は「富士山に登りたい」と言いました。夏に、一緒に登れるといいのだけど。

DSCF8159-2.jpg

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