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ほら吹き男爵の冒険 [18世紀文学]

 「ほら吹き男爵の冒険」 G・A・ビュルガー作 酒寄進一訳 (古典新訳文庫)


 実在したミュンヒハウゼン男爵の、さまざまな冒険における奇想天外な物語です。
 1788年刊行。「ほら吹き男爵」物語群の完成版です。数々の楽しい挿し絵付きです。


ほら吹き男爵の冒険 (光文社古典新訳文庫)

ほら吹き男爵の冒険 (光文社古典新訳文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2021/09/14
  • メディア: Kindle版



 狩猟に出て、湖で数十羽の野ガモを見つけましたが、すでに弾はありませんでした。
 そこで男爵は、ベーコンの残りを長い長い紐に結んで、野ガモの群れに投げました。

 一羽の野ガモがそれを食べましたが、ベーコンは消化されずに尻から出てきました。
 そのベーコンをもう一羽が食べ、尻から出てきたベーコンをほかの一羽が食べ・・・

 という具合に、紐に通した真珠さながら、数十羽の野ガモがすべてつながれました。
 そして、野ガモが一斉に飛び立ったため、男爵は空中を飛んで楽々帰ってきました。

 トルコ軍と戦った折、愛馬に乗って要塞に駆け込んだ途端、格子が落とされました。
 そのため愛馬は前後で切断されましたが、男爵はそれを知らず敵を蹴散らしました。

 やがて馬は水を飲み始めましたが、後ろが無いので飲んだ水はそのまま流れました。
 馬の後ろ半分はすでに牧場に帰っていたため、鍛冶屋に胴をつなぎ止めさせました。

 また、味方の撃った大砲の玉に乗って、敵軍に向かっていったこともあります。
 途中で気が変わり、空中で相手の撃った玉に乗り移って、自軍に帰って来ました。

 話はどんどん大きくなります。あるときは、トルコ豆のつるを登って月に行きます。
 またあるときは、暴風に見舞われた船が空に投げ出され、風を受けて月に行きます。

 またあるときは、エトナ火山を真っ逆さまに落ちて、地球の反対側から出てきます。
 またあるときは、大鯨に船ごと飲み込まれ、その腹の中で1万人の人々に会い・・・

 という具合に、ほら話は止まりません。読んでいてとても愉快な気分になります。
 しかも、挿し絵が付いているのでとても楽しく読み進めることができました。

 中には、味わいのあるほら話もありました。それが、御者の鳴らなかった角笛です。
 なぜ角笛は鳴らなかったのか? それは、寒さで音が凍結したためだと言うのです。

 やがて寒さがゆるんだとき、角笛の中の音は溶けて、勝手に鳴り始めるのでした。
 そして言います。「もし疑う人がいたら、その方々の猜疑心を気の毒に思う」と。

 まじめな顔をして大法螺を吹くところは、「ガリバー旅行記」にそっくりです。
 実際「ガリバー旅行記」が引用されているので、影響を受けているのが分かります。

 さて、「ほら吹き男爵」は「ミュンヒハウゼン男爵」のことで、実在していました。
 物語にある通り、ロシア帝国に仕官して、トルコ戦争に従軍しているのだそうです。

 そして彼は自分の体験を、周りの者たちに生き生きと語って聞かせたのだそうです。
 しかし、まさか自分が「ほら吹き男爵」と呼ばれるなど想像できなかったでしょう。

 さいごに。(オーディブル、50%オフ)

 聴く読書オーディブルを、1か月だけ試して解約したのは、お高いと思ったから。
 ところが最近、3か月間50%オフでのお誘いが、メールで来ているのです。

 50%オフだと、1か月で750円です。私は、それなら断然安いと思います。
 さっそく再入会の手続きをしました。もちろん、3か月だけでやめる予定ですが。

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ラモーの甥 [18世紀文学]

 「ラモーの甥」 ディドロ作 本田喜代治・平岡昇訳 (岩波文庫)


 世の全てを嘲笑し尽くす、ラモーの甥との対話を描いた、風刺文学の傑作です。
 初版は1940年。改版されたが読みにくい。2016年に復刊され、今また絶版です。


ラモーの甥 (岩波文庫)

ラモーの甥 (岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2020/08/29
  • メディア: 文庫



 「空が晴れていようと、いやな天気だろうと、夕方の五時頃パレ・ロワイヤルの公園
 へ散歩に出かけるのがわたしの習慣だ。いつもひとりぼっちで、ダルジャンソンのベ
 ンチに腰をかけて、ぼんやり考えこんでいる男がいたら、それはわたしだ。」

 このような魅力的な文章で、「ラモーの甥」は始まります。
 今でもそのベンチに行けば、物思いにふけるディドロに会えるような気がします。

 「わたし」(ディドロ?)は、あるときカフェで、ある男に話しかけられました。
 その男こそラモーの甥。有名な大作曲家ラモーを叔父に持つ男だったのです。

 ところが、彼自身は平凡な音楽家で、旧体制に寄生して生きるちっぽけな存在です。
 そのくせ旧体制についてペラペラと偉そうに論じ、批判し、嘲笑しているのです。

 たとえば彼は、時間が経つごとに、誰でも同じように蓄えがたまるのだと言います。 
 だから、自分も金持ちなのだと言うけど、では、いったい何がたまると言うのか?

 「肝心な点は、たやすく、自由に、愉快に、どっさりと、毎晩御不浄に行くことで
 す。『おお貴重な糞便!』これこそはどんな身分にも起こる生活の偉大な結果です。」
 (P37)

 こういうたわごとを、おもしろいと思うか、アホかと思うかは、微妙なところです。
 ただ、18世紀の革命前の時期、このような小説が珍しかったことだけは事実です。

 こういう平凡な小市民に大いに語らせたところに、この作品の値打ちがあります。
 時代を先取りしたのです。革命で活躍するのが、こういう名もない連中ですから。

 「この世の中にはなに一つ安定したものはありません。今日は車輪の上にいるかと
 思えば、明日は車輪の下にいる。数々のいやな事態にわれわれはひき廻され、あげ
 くはうんと悪いほうへ連れて行かれるんでさ。」(P148)

 「わしはしょっちゅう食う物がないなんてのは、良い世の中じゃないと思いますよ。
 なんといういやな世の中の仕組みでしょう!」(P150)

 ところで私は、この作品を、書かれた時期を考慮して、18世紀文学に入れました。
 しかし、この作品が日の目を見たのは、19世紀に入ってからなのだそうです。

 どうやらディドロはスキャンダルを恐れて、生前この作品を秘密にしていたらしい。
 たまたまこの作品の存在を知ったゲーテが、ドイツで訳出したのだそうです。

 ちなみに、ラモーの甥は実在の人物で、叔父の大作曲家ラモーも実在していました。
 今ではほとんど忘れられた存在ですが、当時は音楽会のスターだったそうです。

 さいごに。(解散総選挙だって?)

 菅内閣発足。と同時に、人々の関心は、解散総選挙に向かっているようですが・・・
 コロナ禍の大事な時期に、政治ごっこをやるほど、浅はかではないと信じています。

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美女と野獣 [18世紀文学]

 「美女と野獣」 ボーモン夫人著 鈴木豊訳 (角川文庫)

 フランス民話をもとにした「美女と野獣」等、子供向けに書かれた童話集です。
 以前ディズニーがアニメ化しましたが、2017年には実写版を上映するようです。

 角川文庫から出ています。訳者は大正生まれですが、易しく読みやすいです。
 新潮文庫からも、近く新訳が出るようです。


美女と野獣 (角川文庫)

美女と野獣 (角川文庫)

  • 作者: ボーモン夫人
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1992/05
  • メディア: 文庫



 ベルの父親は森の中で迷い、野獣の城で捕らわれてしまいました。
 おまえの娘の誰かが代わりに死ぬのなら許してやろう、と野獣は言いました。

 父親思いのベルは、自ら進んで野獣の城へ行くことを決めました。
 そして、恐ろしい顔をした野獣と一緒に、城で暮らし始めますが・・・

 タイトルの「美女と野獣」は、幻想的でロマンティックな秀作です。
 絵本や映画などによって、世界中で知られています。

 だから自分はよく知っているつもりでいましたが、意外な発見もありました。
 魔法をかけた仙女は、意地悪なのではなく、良い人だったとは!

 この作品のほか、全15話が収録されています。
 一貫している教訓は、「心の美しさにこそ価値がある」ということです。

 「醜い王子さまと美しいお姫さま」「美しい娘と醜い娘」などは典型的です。
 外見がいくら良くてもダメで、心が美しくなって初めて幸せになります。

 さて、この物語集は、ボーモン夫人の代表作「子供の雑誌」からの抄訳です。
 18世紀後半の道徳が荒廃していく時代に書かれたため、少し説教くさいです。

 同じ傾向の物語を15編も読まされると、現代に生きる我々は辟易してきます。
 また、あまりにも理想的に描かれすぎているところも、少し気になります。

 それでも「美女と野獣」などの傑作は、永遠に読み継がれる魅力があります。
 また、角川文庫版には雰囲気のある挿絵が入っていて、とても楽しめました。

 さいごに。(娘の成長)

 小学校の懇談会で、「子供の成長を感じる時」について話し合われたという。
 うちのママさんは、なかなか思いつけずに、次のように言ったそうです。

 「最近、勉強をするふりをして、マンガを読んでいることがあります。」
 微妙な空気が漂ったという。確かに、成長と言えなくもないが・・・

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群盗 [18世紀文学]

 「群盗」 シラー作 久保栄訳 (岩波文庫)


 盗賊団隊長となって社会の変革を目指す青年の、理想と苦悩を描いた戯曲です。
 ゲーテの「ウェルテル」と並んで、ドイツの疾風怒濤時代を代表する作品です。

 岩波文庫から2016年2月に復刊されました。手に入るのも今のうちです。
 1958年の訳なので、所々に分かりにくい箇所がありましたが、貴重な本です。


群盗 (岩波文庫)

群盗 (岩波文庫)

  • 作者: シラー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1958/05/05
  • メディア: 文庫



 モオル伯爵の嫡男カアルは、自身の遊蕩を悔いて、父に手紙で謝罪しました。
 しかし父からの返事は、カアルを廃嫡するという、信じられない内容でした。

 実はそれは、相続を狙う弟フランツの計略だったのです。
 事情を知らないカアルは、盗賊団の隊長を引き受けてしまい・・・

 この作品には、疾風怒濤時代特有の、感情の高ぶりと過剰な熱気があります。
 だいたい、父親に勘当されたからって、盗賊団の隊長になったりするか?

 「世界を暴虐の行いによって洗い清め、法律を無法によって正そう」(P209)
 カアルの言っていることはムチャクチャです。ひとりよがりもはなはだしい。

 それに、この結末! 「なんで?!」と叫びたくなります。
 カアルの考えが理解できません。ヤケクソになったとしか思えません。

 とはいえ案外そういうところに、人間の本質が表れているのかもしれません。
 時として人は、理性では割り切れない不条理な感情に従ってしまうものです。

 さて、この劇は冒頭から、若きシラーの情熱が随所に見られます。
 古典主義を克服して新しい時代を作るんだ、という意気込みが見られます。

 「何んのざまだ! 何んのざまだ、このだれ切った、去勢された一世紀は。
 前の時代の仕事を反芻したり、古代の英雄を、下手な注釈で苦しめたり・・・」 

 実際、劇が初演されたとき、反響がすごくて失神した人が出たそうです。
 それは1782年でフランス革命の7年前です。当時最も過激な劇の一つでした。

 もしカアルが自首せず体制に反抗し続けたら、革命を起こせたかもしれません。
 そしておそらくこの戯曲も、フランス革命に大きな影響を与えたことでしょう。

 ところでシラーの作品は、一時代を築いたのに、文庫でほとんど出ていません。
 岩波の「ヴァレンシュタイン」も「オルレアンの少女」も絶版。悲しすぎ る!

 「ヴァレンシュタイン」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-06-18
 次はぜひ「ウィリアム・テル」と「たくみと恋」を復刊してほしい。

 さいごに。(修学旅行のピンチ?)

 今の校長先生は、修学旅行でディズニーに行く意味がないと、言っています。
 そこで、来年の修学旅行はディズニー無しではないかと、話題になっています。

 うちの娘は、来年5年生。再来年の修学旅行のことを今から心配しています。
 ディズニーに意味が無いということに同感ですが、でも行かせてあげたいです。

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18世紀文学のベスト10を選びました2 [18世紀文学]

 前回、18世紀文学のベスト10を、独断で次のように選びました。
 前回のリストを、国別・年代順に並べ替えました。
 (前回 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-2

 ① 「ロビンソン・クルーソー」デフォー【英】
 ② 「ガリヴァ旅行記」スウィフト【英】
 ③ 「トム・ジョウンズ」フィールディング【英】(品切れ)
 ④ 「愛と偶然の戯れ」マリヴォー【仏】(品切れ)
 ⑤ 「マノン・レスコー」アヴェ・プレヴォー【仏】
 ⑥ 「フィガロの結婚」ボーマルシェ【仏】(品切れ)
 ⑦ 「若きウェルテルの悩み」ゲーテ【独】
 ⑧ 「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」ゲーテ【独】(品切れ)
 ⑨ 「ヴァレンシュタイン」シラー【独】(品切れ)
 ⑩ 「紅楼夢」曹雪芹【中】(単行本)

 18世紀は、近代小説がイギリスで誕生し、大陸へ広まった時代です。
 今回は、18世紀文学のイメージを、私なりにまとめてみました。

 イギリスは前世紀、1642年に清教徒革命、1688年に名誉革命と、二つの
 市民革命を経験した結果、市民階級が大きな勢力を持つようになりました。

 やがて議会政治が確立し、市民が政治を論じるようになり、出版が自由化され、
 新聞や雑誌など、ジャーナリズムがまたたくまに発展していきました。

 18世紀初めには「タトラー」「スペクテイター」等の新聞が発行されました。
 ジャーナリストの中には、新聞に自作の文学作品を載せる者も出てきました。

 その内容の多くは、市民階級に好まれる現実的な(近代的な)物語でした。
 近代小説は、このようにジャーナリズムの発展にともなって誕生しました。

 さて、イギリス近代小説の最初期は、似た者同士のこの2人から始まります。
 それは、デフォーとスウィフト。二人はもともと政治パンフレット作者でした。

 1719年、デフォーは「ロビンソン・クルーソー」(①)を出版しました。
 1726年、スウィフトは「ガリヴァ旅行記」(②)を出版しました。

 どちらも空想的な冒険を語りながら、その中に社会批判を盛り込んでいます。
 特に「ロビンソン・・」の描写は写実的で、近代小説の祖とされています。

 そして、次の世代には、人間存在を探求する真に近代的な小説が始まりました。
 印刷業者のリチャードソンと、新聞編集長のフィールディングです。

 1740年、リチャードソンは書簡小説「パミラ」で小間使の心理を描きました。
 1749年、フィールディングは傑作「トム・ジョウンズ」(③)を出版しました。

 小説は、分かりやすい散文で面白い物を書こう、という思いから始まりました。
 そしてイギリスの小説は、大衆へ広がり、やがて大陸へも広がっていきました。

 さて、フランスの小説は 、このようなイギリスの小説の流れを受け継ぎました。
 1715年にルイ14世が亡くなり、イギリス文化が流入しやすくなりました。

 マリヴォーは、「スペクテイター」を真似た新聞を、いちはやく出しました。
 アベ・プレヴォーは、放浪したイギリスの文化を、フランスに紹介しました。

 そして、イギリスの自由な社会が紹介され、フランスの社会が批判されました。
 が、マリヴォーとプレヴォーは、むしろ文学史の方で大きな足跡を残しました。

 1730年、マリヴォーは「愛と偶然の戯れ」(④)で劇作家の地位を確立しました。
 1731年、アベ・プレヴォーは官能的な「マノン・レスコー」(⑤)を出版しました。

 このころ、フランスのジャーナリズムは、啓蒙思想家によって発展しました。
 特にヴォルテールやモンテスキューの果たした役割を、忘れてはいけません。

 後期啓蒙思想家のルソーやディドロ作品は、絶対王政の批判を含んでいました。
 そしてそれは、やがて革命につながっていきます。

 革命の5年前、1784年、ボーマルシャの「フィガロの結婚」(⑥)が出ました。
 市民階級の活力を示され、革命へ向かう社会の雰囲気が伝わってきます。

 さて啓蒙思想は、フランスでは市民階級に受け入れられました。
 ドイツでは、市民階級が発達していなかったため、宮廷で受け入れられます。 

 ここが面白い。フランスでは市民が啓蒙思想を支持し、宮廷を批判しました。
 しかし、ドイツでは宮廷が啓蒙思想を支持し、市民がそれを批判したのです。

 ドイツの宮廷では、ヴォルテールが招かれたりします。
 また、レッシングが活躍し、演劇で大衆を啓蒙しようとしたりします。

 そういう上からの押し付けに反発したのが、若きゲーテやシラーの世代です。
 1774年、25歳のゲーテの出した「若きウェルテルの悩み」(⑦)は最重要作品。

 ウェルテルは、自己の死によって社会の虚飾を暴いてみせました。
 これは世界中で熱狂され、フランス革命やナポレオンにも影響を与えました。

 ゲーテ自身は、のちにヴァイマル公国の大臣になり、保守的になりました。
 そして、ゲーテはシラーと親交を結び、ともに切磋琢磨し始めました。

 1796年の、ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」(⑧)も傑作です。
 1798年の、シラーの「ヴァレンシュタイン」(⑨)もまた傑作です。

 さて、西洋から遠く離れた中国でも、18世紀の中盤に傑作が現れていました。
 曹雪芹の「紅楼夢」(⑩)です。この作品もまた、18世紀文学で欠かせません。

 と、ざっと振り返ってみたのですが、少し長くなってしまいました。
 自分の頭の中にあるイメージであることを、再度おことわりしておきます。

 さいごに。(3位でした)

 家族応援団の前で初めて走ったマスターズ陸上。結果は3位でした。
 力不足だと感じましたが、けがもなく完走できて良かったです。

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18世紀文学のベスト10を選びました [18世紀文学]

 「文学全集 第Ⅵ集 18世紀編」


 文庫本で自分だけの文学全集をそろえることが、私のライフワークです。
 今回は、第Ⅵ集として、18世紀編を決定したいと思います。

 すでに、第Ⅰ集から第Ⅴ集は完成しています。
 以下のページを参照してください。

 第Ⅰ集「19世紀フランス編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23
 第Ⅱ集「19世紀イギリス編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04
 第Ⅲ集「19世紀ロシア編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-22
 第Ⅳ集「19世紀ドイツ北欧編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09
 第Ⅴ集「19世紀アメリカ編」(10作)
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-08-06-1

 18世紀は、イギリスを除いて小説の黎明期で、作品数が少ないです。
 そのため今回は、全ての国をひっくるめて、10作品だけを選びます。

 まず、18世紀文学として取り上げた作品を挙げてみます。
 2015年10月現在、なんと品切れが多いことか!

 「悪口学校」シェリダン
 「ガリヴァ旅行記」スウィフト
 「ロビンソン・クルーソー」デフォー
 「ウェイクフィールドの牧師」ゴールドスミス
 「トリストラム・シャンディ」ロレンス・スターン(品切れ)
 「トム・ジョウンズ」フィールディング(品切れ)
 「ジョウゼフ・アンドルーズ」フィールディング
 「パミラ」リチャードソン( 単行本)
 「ポールとヴィルジニー」サン=ピエール
 「フィガロの結婚」ボーマルシェ(品切れ)
 「セビーリャの理髪師」ボーマルシェ(品切れ)
 「愛と偶然の戯れ」マリヴォー(品切れ)
 「贋の侍女」マリヴォー
 「カンディード」ヴォルテール
 「マノン・レスコー」アヴェ・プレヴォー
 「危険な関係」ラクロ
 「悪徳の栄え」サド
 「パリの夜」ブルトンヌ
 「ヒュペーリオン」ヘルダーリン(品切れ)
 「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」ゲーテ(品切れ)
 「タッソオ」ゲーテ(品切れ)
 「ヘルマンとドロテーア」ゲーテ(品切れ)
 「若きウェルテルの悩み」ゲーテ
 「ヴァレンシュタイン」シラー(品切れ)
 「エミーリア・ガロッティ」レッシング(品切れ)
 「ミンナ・フォン・バルンヘルム」レッシング(品切れ)
 「賢人ナータン」レッシング(品切れ)
 「長靴をはいた牡猫」ティーク(品切れ)
 「オルメードの騎士」ロペ・デ・ベガ
 「人の世は夢」カルデロン
 「紅楼夢」曹雪芹(単行本)

 第Ⅵ集は、品切れの本も入れて選ばないと、編集できません。
 比較的手に入れやすい本ばかりなので、ご容赦願います。

 18世紀文学のベスト10を、独断で次のように選びました。
 今回は、品切れ本のほか、単行本まで含んでしまいました。

  1 「ガリヴァ旅行記」スウィフト【英】
  2 「ロビンソン・クルーソー」デフォー【英】
  3 「トム・ジョウンズ」フィールディング【英】(品切れ)
  4 「フィガロの結婚」ボーマルシェ【仏】(品切れ)
  5 「愛と偶然の戯れ」マリヴォー【仏】(品切れ)
  6 「マノン・レスコー」アヴェ・プレヴォー【仏】
  7 「若きウェルテルの悩み」ゲーテ【独】
  8 「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」ゲーテ【独】(品切れ)
  9 「ヴァレンシュタイン」シラー【独】(品切れ)
 10 「紅楼夢」曹雪芹【中】(単行本)

 さて18世紀は、啓蒙思想を主流とした、「啓蒙時代」と言われています。
 それなのに、啓蒙思想家の作品が、まったく入っていません。

 ヴォルテールもありません。レッシングもありません。
 大御所のルソーやディドロについては、ブログで取り上げてもいません。

 なぜか?・・・確かに、彼らの作品は、歴史に残る名著ではあります。
 しかし、その作品を「文学」全集に入れることには躊躇してしまうからです。

 例えば、ルソーの「エミール」は、新しい考え方で人々を熱狂させました。
 しかし読んでみたら、あまり面白くなかったので、紹介するのをやめました。

 「20作までにしてヴォルテールを入れろ」という声が聞こえてきそうです。
 でも、それなら「19世紀フランス文学編」を、30作までにしたいですよ。

 いろいろ迷った末に、私の文学全集第Ⅵ集を、上記の10作品に確定します。
 なかなか大変ですね。でも、実に楽しい作業です。

 さいごに。(岐阜に来ています)

 岐阜で、全国マスターズ陸上が行われています。今日の昼頃に出場します。
 今回は家族旅行を兼ねて、家族3人で来ています。結果は・・・また次回に。

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パリの夜 [18世紀文学]

 「パリの夜 革命下の民衆」 レチフ作 植田 裕次訳 (岩波文庫)


 フランス革命の前後に、夜のパリを歩き回った「私」の、目撃談風の作品です。
 革命の熱狂と狂気を伝える、当時の貴重な資料でもあります。

 岩波文庫から出ていましたが、現在は品切れです。所々に挿絵が入っています。
 私はアマゾンで中古本を買いました。訳は古いですが、分かりやすかったです。


パリの夜―革命下の民衆 (岩波文庫)

パリの夜―革命下の民衆 (岩波文庫)

  • 作者: レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/04/18
  • メディア: 文庫



 フランス革命前夜の、パリの夜。
 マントを羽織り、「観察するふくろう」となった「私」が見たものは・・・

 女装の若者、盲人、兎屋、くず屋、下級労働者、密偵、乞食女、賭博師等々。
 他に、車責めの刑、ばらばらにされた死体、切り裂かれそうになった女など。

 以上「パリの夜」(第一部)から抜粋されたのは、全体の30分の1ほどです。
 衝撃的な内容ばかりですが、実は、本当にすごいのは第二部からです。

 第二部「夜の週日」からは、1789年のバスチーユ襲撃など革命期の描写です。
 第一部の小説くささが無くなり、実録風で迫力があります。

 槍先に掛けられた高官の首。首を切られて川に捨てられた長官の死体。
 頭を撃ち抜かれ首を切られる男。縛り上げられ吊るされて殺される老人。

 第三部「パリの二十夜」は、1790年の革命期の狂気を写しています。
 王ルイの監禁と処刑。王妃アントワネットの処刑。多くの虐殺事件・・・

 もともとこの作品は、第一部「パリの夜」で完結する予定だったそうです。
 しかし、革命期の事件を書き写すため、レチフは続編を書き続けました。

 そして、第二部・第三部の革命期の描写が、歴史資料的にも興味深いです。
 小説作品というより、ルポルタージュとして優れた内容だと思いました。

 さて、仏革命ものの傑作として、A・フランス「神々は渇く」があります。
 また、歴史家ミシュレの「フランス革命史」も文庫本で出ています。

 ツヴァイクの「ジョゼフ・フーシェ」「マリー・アントワネット」も、
 フランス革命ファンには外せない作品です。これから読んでいきたいです。


神々は渇く (岩波文庫 赤 543-3)

神々は渇く (岩波文庫 赤 543-3)

  • 作者: アナトール・フランス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1977/05/16
  • メディア: 文庫



フランス革命史〈上〉 (中公文庫)

フランス革命史〈上〉 (中公文庫)

  • 作者: ジュール ミシュレ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫



フランス革命史〈下〉 (中公文庫)

フランス革命史〈下〉 (中公文庫)

  • 作者: ジュール ミシュレ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫



ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4)

ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4)

  • 作者: シュテファン・ツワイク
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/03/16
  • メディア: 文庫



マリー・アントワネット 上 (角川文庫)

マリー・アントワネット 上 (角川文庫)

  • 作者: シュテファン ツヴァイク
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 文庫



マリー・アントワネット 下 (角川文庫)

マリー・アントワネット 下 (角川文庫)

  • 作者: シュテファン ツヴァイク
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 文庫



 さいごに。(練習は1週間おき)

 11月1日のマスターズ陸上全国大会に向けて、練習しているのですが・・・
 困ったことに、今週はほとんど走ることができません。

 というのも、左足のすじを傷めてしまったためです。
 ちょっと走ると怪我をして、練習はほとんど1週おきにしかできません。

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紅楼夢2 [18世紀文学]

 「紅楼夢」 曹雪芹作 伊藤漱平訳 (平凡社ライブラリー)


 口に玉を含んで生まれた賈宝玉と、二人の美女黛玉と宝釵を巡る長編小説です。
 平凡社ライブラリーから出ています。初訳は1958年ですが、読みやすいです。


紅楼夢 (1) (平凡社ライブラリー (162))

紅楼夢 (1) (平凡社ライブラリー (162))

  • 作者: 曹 雪芹
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: 新書



 平凡社ライブラリー版の第2巻は、全120回のうち第11回から第20回までです。
 この巻は、王熙凰(おうきほう)というしっかり者の夫人を中心に展開します。

 「熙凰」はその能力を買われ、栄国邸と寧国邸の2家を取り仕切っています。
 「元春」が入内し、屋敷に大庭園を造園し、賈家一族の繁栄は頂点に達します。

 その一方で、惜しまれながら死んでいく者たちがいました。
 十二美人の一人「可卿」、黛玉の父「如海」、宝玉の学友「秦鐘」など。

 病床にあった可卿(かけい)は、死ぬ直前に熙凰の前に現れ・・・
 病で死にかけた秦鐘(しんしょう)は、宝玉の見舞いで一旦息を吹き返し・・・

 日常の中に非日常の世界がしのびこみ、時に地上界と天界がつながります。
 怪しい雰囲気を保ちながら、物語は徐々に佳境に入っていきます。

 この巻で最も印象的だったのは、第12回の「賈端(かずい)」の死の場面。
 賈端は、王熙凰に道ならぬ恋をし、彼女の仕打ちによって病に倒れました。

 病魔に侵された賈端のもとに、脚の悪い道士がやってきて鏡を授けました。
 それは天界からもたらされた不思議な鏡で・・・

 興味深いエピソードが次々と出てくるため、話はやたらと長くなります。
 現在第2巻ですが、全12巻なので、あと10巻続くことになります。

 定年退職して、時間が余るほどできたら、のんびりと続きを読みたいです。
 できれば要約がほしいです。阿刀田高が出してくれたら、嬉しいのですが。

 さいごに。(過酷な遠足)

 先日、小学校は秋の遠足が行われました。
 娘たち3年生は、4キロ離れた森へ行きました。往復8キロです。

 しかも、家から学校まで2キロあるので、通学に往復4キロ歩いています。
 この日は、合わせて12キロ歩いたことになります。小学生には過酷です。

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紅楼夢1 [18世紀文学]

 「紅楼夢」 曹雪芹作 伊藤漱平訳 (平凡社ライブラリー)


 口に玉を含んで生まれた賈宝玉と、二人の美女黛玉と宝釵を巡る長編小説です。
 18世紀の中頃、清朝の中期に書かれて、大いにもてはやされた作品です。

 平凡社ライブラリーから出ています。挿絵があります。文庫ではありません。
 伊藤氏が訳したのは1958年ですが、3度改訳されているため、読みやすいです。


紅楼夢 (1) (平凡社ライブラリー (162))

紅楼夢 (1) (平凡社ライブラリー (162))

  • 作者: 曹 雪芹
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: 新書



 主人公の賈宝玉(かほうぎょく)は、名高い賈家の栄国邸の美しい若君です。
 宝玉は不思議なことに、口中に玉を含んで生まれてきました。

 美しい少女の林黛玉(りんたいぎょく)は、母を亡くし栄国邸に送られました。
 そこで、初めて賈宝玉と顔を合わせました。

 「どこかでお会いした人みたい」と、黛玉は思います。
 「この姫さんなら、お会いしたことがありますよ」と宝玉も言いますが・・・

 もう一人の美少女の薛宝釵(せつほうさ)は、賈家と姻戚関係にあります。
 彼女は、美しい玉の首飾りを持っていましたが、それは宝玉の玉と対で・・・

 宝玉、黛玉、宝釵。
 3人にはどのような因縁があるのか? 3人はどのような運命をたどるのか?

 ほかにも、賈家・史家・王家・薛家・林家などの人物が、わんさと出てきます。
 次から次に似たような名前が出てきて、なかなか覚えられません。

 物語の舞台は、地上界だけでなく、天界にまで及んでいます。
 また、現実世界の中に幻が不意に入り込んできます。

 特に第五回、宝玉が夢の中で離魂天に遊び、仙女に出会う場面は印象的です。
 ここで宝玉は、歌姫から仙曲「紅楼夢」を聞くのですが・・・

 不思議で、奇怪で、面白くて、スケールがでっかい物語です。
 さすが、大きな国土と多くの人口を抱えている中国の文学ですね。

 実際この小説は長大で、平凡社ライブラリー版は全12巻です。
 私は第1巻を読み終わったところ。物語はまだ始まったばかりです。

 さて、2013年に岩波書店から新訳が出ました。
 単行本で、1冊3500円ほど。文庫化を期待しています。


新訳 紅楼夢 第1冊〈第1~16回〉

新訳 紅楼夢 第1冊〈第1~16回〉

  • 作者: 曹 雪芹
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/09/26
  • メディア: 単行本



 かつて岩波文庫から旧訳が出ていました。現在は品切れです。


紅楼夢 1 (岩波文庫 赤 18-1)

紅楼夢 1 (岩波文庫 赤 18-1)

  • 作者: 曹 雪芹
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1972/05/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ぽっちゃり系がタイプ?)

 うちの娘が好きな芸能人は、クマムシのボケ担当(歌う方)と、チャンカワイ。
 ふっくらした感じが良いのだとか。

 しかし、どうやら娘はこの2人を、小動物のように見ているようです。
 「育ててみたい」と、言っていたので。

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悪徳の栄え [18世紀文学]

 「悪徳の栄え」 マルキ・ド・サド作 澁澤龍彦訳 (河出文庫)


 退廃的な貴族社会で悪に染まり、非道の限りを尽くすジュリエットの物語です。
 サドの代表作で、ジュスティーヌの物語「美徳の不幸」と対をなす作品です。

 河出文庫から、澁澤龍彦訳が、上下巻二分冊で出ています。
 活字が小さいですが、訳は読みやすかったです。


悪徳の栄え〈上〉 (河出文庫)

悪徳の栄え〈上〉 (河出文庫)

  • 作者: マルキ・ド サド
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1990/10
  • メディア: 文庫



悪徳の栄え〈下〉 (河出文庫)

悪徳の栄え〈下〉 (河出文庫)

  • 作者: マルキ・ド サド
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1990/10
  • メディア: 文庫



 ジュリエットに悪徳を教えたのは、修道院の院長デルベーヌ夫人でした。
 院長はジュリエットを禁断の世界へ導き、平然として言い放ちます。

 「この世には罪の享楽ほど楽しいものはなく、さらにこれに極悪非道を加えれば、
 それだけまた魅力が増すということを、あんたはまだ御存じないのね」(P26)

 やがて家は破産し、両親が相次いで死に、ジュリエットは修道院を出ます。
 そして、罪の享楽と極悪非道の遍歴が始まり・・・

 長い間、この作品は読まず嫌いでしたが、そのまま読まなければよかった!
 18世紀において無視できない作品ですが、そのまま無視しておけばよかった!

 おぞましい小説です。出てくるのはヘンタイばかり。
 人をいたぶることによって興奮し、クソで自分を汚すことによって快楽を味わう。

 上巻P71~P72で私は気持ち悪くなり、P101~P102で吐き気をもよおしました。
 P109~の残虐な場面で、とうとう挫折。げんなり。もう、まともに読めません。

 わいせつな場面はまだいいのですが、むごたらしい場面はいけません。
 それでも、こんな本に負けたくないと思い(アホか)、P170までがんばりました。

 この作品に比べたら、西鶴や谷崎のヘンタイ小説なんて、かわいいものです。
 こんな作品を書いたら、ナポレオンによって投獄されるのも、当然でしょう。

 一つ思ったことは、ヘンタイたちは皆、フランスの隠喩ではないかということ。
 殺人に興奮する者も、クソまみれで喜ぶ者も、当時のフランスのことではないか?

 ところで、本文の所々に一行の空きがあって、不自然に話が飛んでいました。
 不思議だったのですが、解説を読んで、抄訳であることを初めて知りました。

 原作は、この3倍の分量があるのだそうです。
 考えただけで、めまいがしてきます。

 さて、この作品の姉妹編「ジュスチーヌまたは美徳の不幸」は、岩波文庫です。
 現在、品切れ。復刊は望みません。


ジュスチーヌまたは美徳の不幸 (岩波文庫)

ジュスチーヌまたは美徳の不幸 (岩波文庫)

  • 作者: サド
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/01/16
  • メディア: 文庫



 澁澤龍彦によるサドの評伝は、評価が高いです。私は読みません。


サド侯爵の生涯 (中公文庫)

サド侯爵の生涯 (中公文庫)

  • 作者: 澁澤 龍彦
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1983/05
  • メディア: 文庫



 さいごに。(読まない本は買わないはずなのだが)

 毎月の書籍代を節約するために、絶対に読む本だけを買うというのが規則です。
 それなのに、スターンとサドと、6月はすでに二つの規則違反を犯しました。

 「これは違反じゃない。定年したら読むんだ」と、自分に言い聞かせていますが、
 どう考えても、サドはもう読まないでしょう。

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