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老人と海 [20世紀アメリカ文学]

 「老人と海」 ヘミングウェイ作 福田恒在訳 (新潮文庫)


 年老いた漁師サンチャゴと、巨大なカジキとの格闘を描いた物語です。
 ヘミングウェイの晩年の傑作で、2年後ノーベル賞を受賞しました。

 現在、新潮文庫から出ています。初版は1966年。
 訳は古いわりには分かりやすく、改版されているので活字は読みやすいです。


老人と海 (新潮文庫)

老人と海 (新潮文庫)

  • 作者: ヘミングウェイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 文庫



 舞台はキューバのメキシコ湾。
 主人公は年老いた漁師サンチャゴ。

 一匹もつれない日が84日間も続き、サンチャゴは仲間から見捨てられていました。
 しかし、ひとりの少年だけが、サンチャゴを慕い、その腕前を信じていました。

 85日目。サンチャゴはひとり、舟で沖へ出ました。
 やがて5メートル以上のカジキがかかり、3日にわたる格闘が始まります・・・

 カジキとの格闘、サメとの格闘。これぞ、男の世界!
 読んでいて、ついつい熱くなってしまいます。

特に、カジキとの壮絶な戦い! 「おれはお前が大好きだ」と呼びかける老人。
そのとき、カジキは敵ではなく、同志です。命を懸けて戦いあう同志なのです。

最初に読んだときは、ラストで老人が死ぬのではないかと心配しました。
しかし老人は生きて帰り、ライオンの夢を見る。きっとまた戦いに出るでしょう。

何度読んでも、このラストシーンには、泣けて泣けて。
少年が泣いていたのも、老人の戦う姿勢に、心打たれたからでしょう。

 ところで、私が初めてこの作品を読んだのは、高校時代でした。
 学校の推薦図書に入っていて、薄い本なので読んでみたのです。

 ところが、当時の私には、この作品の良さが、全く分かりませんでした。
 特に結末には失望しました。「なあんだ、結局何も残らなかったんだ」と。

 なんと、浅はかな! あの頃は若かった。
 いや、高校生に分かってたまるか。ヘミングウェイの晩年の境地がここにあるのだ。

 特に私がすごいと思うのは、これほどの内容を、わずか170ページに凝縮したこと。
 メルヴィルなら1000ページぐらいになったでしょう。(それはそれでいいのだけど)

 この小説が出版されたのは1952年。53歳の時。当時、たいへんな評判となりました。
 そして、1954年には、とうとうノーベル文学賞を受賞したのです。

 さいごに。(たこあげ)

 正月に凧を作ったのですが、なかなか揚げる機会がありませんでした。
 日曜日に家族3人で公園に行って揚げました。よく揚がって、娘は得意です。
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