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神統記 [古代文学]

 「神統記」 ヘシオドス作 廣川洋一訳 (岩波文庫)


 神々の誕生から、ゼウスが統治権を獲得するまでを、系譜にそって歌った叙事詩です。
 紀元前700年頃に、ヘシオドスがヘリコン山で、詩的霊感に打たれて作ったそうです。

 岩波文庫から出ています。初版は1984年。比較的分かりやすい訳です。
 丁寧に作られた本で、人名索引はもちろん、神々の詳しい系譜も掲載されています。


神統記 (岩波文庫 赤 107-1)

神統記 (岩波文庫 赤 107-1)

  • 作者: ヘシオドス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/01/17
  • メディア: 文庫



 宇宙の生成のあと、ウラノス、クロノス、ゼウスと王位は継承され・・・
 そして、ゼウスを中心としたオリュンポスの神々の系譜・・・

 本文はわずか120ページほど。1ページには12行だけ。
 しかも、叙事詩なので改行が多くて、ページはスカスカ。

 しかし、この短い文章の中に、神々の歴史がギュッと凝縮されています。
 1ページまた1ページと進むごとに、神々が10も20も生まれていきます。
 
 うっかりしていると、神々の系譜の森の中で、迷子になりそうになります。
 だから、この本には、「神統記」を理解するための工夫が盛り込まれています。

 本文中には、ゴシック体の小見出しがあるので、内容のまとまりが分かります。
 巻末の解説が充実していて、内容がとても分かりやすくまとめられています。

 しかし、なんといっても嬉しいのは、系譜図を付けてくれたことです。
 本文と系譜図を見比べていくと、ギリシア人の宇宙観が見えてくる気がします。

 この本も、アポロドーロスの「ギリシア神話」同様、作り手の愛情を感じます。
 こういうマニアックな本作りは、岩波文庫さんにしかできない仕事。あっぱれ!
 アポロードス → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02

 ヘロドトスには、ほかにも「仕事と日」という渋い叙事詩があります。
 こちらも岩波文庫から出ています。丁寧に作られた本です。


ヘーシオドス 仕事と日 (岩波文庫)

ヘーシオドス 仕事と日 (岩波文庫)

  • 作者: ヘーシオドス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1986/05/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(自家製恵方巻)

 今年は家族3人で、自家製の恵方巻を食べました。中身はカニカマ。
 だいぶ安上がりでした。スーパーでは1本1000円以上しますから。
P1070832.JPG

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