三国志演義2 [中世文学]
「三国志演義(二)」 羅貫中 井波律子訳 (講談社学術文庫)
魏呉蜀の三国時代を舞台にした講談を、明時代にまとめて成立した歴史小説です。
ここでは、最も新しい講談社学術文庫(全4巻)の井波律子訳を紹介します。
講談社学術文庫版(二)には、第三十一回から第六十回までが収められています。
三顧の礼、天下三分の計、赤壁の戦い、荊州四郡の獲得、潼関の戦い、そして入蜀。
この巻で圧倒的な存在感を示すのは、なんといっても諸葛孔明です。さすが伏龍!
特に赤壁の戦いでは、一夜で10万本の矢を得、三日で東風を呼び起こしました。
ところが、物語を彩るこれらのエピソードは、どちらも虚構なのだそうです。
かつて読んだ吉川英治版では、これらの場面がとても印象的だったのですが。
ところで、年をとったせいか、今回読み直してみると孔明の計略が鼻につきました。
荊州に居座って言を左右し、魯粛を振り回す場面は、あまり紳士とは言えません。
諸葛孔明は、魯粛の善良さに付け入ったとしか思えません。実に身勝手ですよ。
劉備がグズだから、軍師として仕方なくやったことなのかもしれませんが・・・
その一方で非常に好感が持てたのが、お人好しと言っていいほど善良な魯粛でした。
魯粛は呉に忠義を尽くすのはもちろん、ライバルの劉備にも誠実に振る舞います。
周瑜と孔明の間を、右往左往するところは、善良すぎてまるで道化のようです。
しかし決して笑えません。こんな良い人を苦しめる孔明に違和感を覚えました。
さて、孔明に次いで印象的な人物が、周瑜です。彼こそ、呉の国の大黒柱でしょう。
赤壁の戦いの勝利は、なんといっても周瑜の苦肉の計と水軍があったからこそです。
蔣幹にわざと手紙を盗ませる(演義の虚構だというが)場面など、実に周瑜らしい。
呉の天下統一のための壮大な計画を抱いていた点でも、並みの人物ではありません。
卑怯な手段で孔明の命を狙っていたのも、誠心誠意呉のためを思っていたからこそ。
36歳で病死してしまったのがもったいないです。もっと活躍してほしかったです。
第60回で、「三国志演義」はちょうど半分。今ようやく、劉備が蜀に入りました。
これで、三国鼎立の基礎ができつつあります。後半も楽しみです。
さいごに。(修学旅行に出発)
今朝、娘は、小学校最大のイベントである修学旅行に出発します。
昨夜、持ち物の最終チェックを、何度も何度もしていました。
行き先の不満はあるようですが、それでもやはりとてもワクワクしているようです。
楽しい思い出をたくさん作って帰ってきてほしいです。
魏呉蜀の三国時代を舞台にした講談を、明時代にまとめて成立した歴史小説です。
ここでは、最も新しい講談社学術文庫(全4巻)の井波律子訳を紹介します。
講談社学術文庫版(二)には、第三十一回から第六十回までが収められています。
三顧の礼、天下三分の計、赤壁の戦い、荊州四郡の獲得、潼関の戦い、そして入蜀。
この巻で圧倒的な存在感を示すのは、なんといっても諸葛孔明です。さすが伏龍!
特に赤壁の戦いでは、一夜で10万本の矢を得、三日で東風を呼び起こしました。
ところが、物語を彩るこれらのエピソードは、どちらも虚構なのだそうです。
かつて読んだ吉川英治版では、これらの場面がとても印象的だったのですが。
ところで、年をとったせいか、今回読み直してみると孔明の計略が鼻につきました。
荊州に居座って言を左右し、魯粛を振り回す場面は、あまり紳士とは言えません。
諸葛孔明は、魯粛の善良さに付け入ったとしか思えません。実に身勝手ですよ。
劉備がグズだから、軍師として仕方なくやったことなのかもしれませんが・・・
その一方で非常に好感が持てたのが、お人好しと言っていいほど善良な魯粛でした。
魯粛は呉に忠義を尽くすのはもちろん、ライバルの劉備にも誠実に振る舞います。
周瑜と孔明の間を、右往左往するところは、善良すぎてまるで道化のようです。
しかし決して笑えません。こんな良い人を苦しめる孔明に違和感を覚えました。
さて、孔明に次いで印象的な人物が、周瑜です。彼こそ、呉の国の大黒柱でしょう。
赤壁の戦いの勝利は、なんといっても周瑜の苦肉の計と水軍があったからこそです。
蔣幹にわざと手紙を盗ませる(演義の虚構だというが)場面など、実に周瑜らしい。
呉の天下統一のための壮大な計画を抱いていた点でも、並みの人物ではありません。
卑怯な手段で孔明の命を狙っていたのも、誠心誠意呉のためを思っていたからこそ。
36歳で病死してしまったのがもったいないです。もっと活躍してほしかったです。
第60回で、「三国志演義」はちょうど半分。今ようやく、劉備が蜀に入りました。
これで、三国鼎立の基礎ができつつあります。後半も楽しみです。
さいごに。(修学旅行に出発)
今朝、娘は、小学校最大のイベントである修学旅行に出発します。
昨夜、持ち物の最終チェックを、何度も何度もしていました。
行き先の不満はあるようですが、それでもやはりとてもワクワクしているようです。
楽しい思い出をたくさん作って帰ってきてほしいです。
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