三国志演義3 [中世文学]
「三国志演義(三)」 羅貫中 井波律子訳 (講談社学術文庫)
魏呉蜀の三国時代を舞台にした講談を、明時代にまとめて成立した歴史小説です。
ここでは、最も新しい講談社学術文庫(全4巻)の井波律子訳を紹介します。
講談社学術文庫版(三)には、第六十一回から第九十回までが収められています。
益州と漢中支配、関羽の死、張飛の死、曹操の死、蜀建国、呉に敗北、劉備の死・・・
第三巻の前半は、劉備が益州と漢中を支配し、一大勢力となった全盛期を描きます。
しかし後半は、関羽が死に、張飛が死に、劉備も死に、いっきに衰退へ向かいます。
また、この巻では曹操も死に、これまで物語の中心人物たちが一気に退場しました。
魏では曹丕が、蜀では諸葛孔明が中心となり、物語の大きな転換点を迎えました。
さて私はこれまで、関羽は完璧な人、張飛はおっちょこちょい、と思っていました。
しかし第三巻を読んで、私の持っていた二人のイメージが、大きく覆されました。
特に張飛は、「義によって厳顔を許す」ことで、劉備の危機を救いました。
また、酔ったふりをして敵を欺くなど、並みの人物ではできない計略を用いました。
おそらく張飛は、劉備・関羽・孔明に感化され、この時期に急成長したのでしょう。
そしてこの時期、4人の歯車が一番かみ合っていたからこそ全盛期を迎えたのです。
しかしそれもつかのま、意外にも、完璧なはずの関羽から、ほころびが生じました。
関羽の慢心によって荊州は取られ、関羽は関平とともに斬られてしまいました。
桃園の誓い以来、三人は一体ですから、一人が死ねば他の二人も崩れてしまいます。
これが義兄弟で行動することの限界でしょう。張飛も劉備もすぐ後を追ってしまう。
私は、この三人が死んだ場面で、「三国志演義」は終わっても良かったと思います。
南蛮を攻略し、五丈原で戦い、蜀が滅亡する過程は、この物語のおまけですよ。
しかしあと三十回分も物語を残しています。「三国志演義」は第四巻へと続きます。
ここまで読んだのだから、もちろん最後まで読みます。
余談ですが、第三巻は転換点なので、人物が次から次に入れ替わってたいへんです。
冒頭の登場人物リストは10ページにわたっていて、眺めるだけで酔ってしまいそう。
さいごに。(超ムーの世界)
毎週日曜日の20時から、BS12で「超ムーの世界R」が放送されています。
宇宙人が人類を監視しているとか、UFOは異次元からやってくるとか・・・
毎回私が感心しながら番組を見て、娘と妻は呆れながらそんな私を見ています。
久しぶりにオカルト雑誌「ムー」を買ってみようかと思っています。
魏呉蜀の三国時代を舞台にした講談を、明時代にまとめて成立した歴史小説です。
ここでは、最も新しい講談社学術文庫(全4巻)の井波律子訳を紹介します。
講談社学術文庫版(三)には、第六十一回から第九十回までが収められています。
益州と漢中支配、関羽の死、張飛の死、曹操の死、蜀建国、呉に敗北、劉備の死・・・
第三巻の前半は、劉備が益州と漢中を支配し、一大勢力となった全盛期を描きます。
しかし後半は、関羽が死に、張飛が死に、劉備も死に、いっきに衰退へ向かいます。
また、この巻では曹操も死に、これまで物語の中心人物たちが一気に退場しました。
魏では曹丕が、蜀では諸葛孔明が中心となり、物語の大きな転換点を迎えました。
さて私はこれまで、関羽は完璧な人、張飛はおっちょこちょい、と思っていました。
しかし第三巻を読んで、私の持っていた二人のイメージが、大きく覆されました。
特に張飛は、「義によって厳顔を許す」ことで、劉備の危機を救いました。
また、酔ったふりをして敵を欺くなど、並みの人物ではできない計略を用いました。
おそらく張飛は、劉備・関羽・孔明に感化され、この時期に急成長したのでしょう。
そしてこの時期、4人の歯車が一番かみ合っていたからこそ全盛期を迎えたのです。
しかしそれもつかのま、意外にも、完璧なはずの関羽から、ほころびが生じました。
関羽の慢心によって荊州は取られ、関羽は関平とともに斬られてしまいました。
桃園の誓い以来、三人は一体ですから、一人が死ねば他の二人も崩れてしまいます。
これが義兄弟で行動することの限界でしょう。張飛も劉備もすぐ後を追ってしまう。
私は、この三人が死んだ場面で、「三国志演義」は終わっても良かったと思います。
南蛮を攻略し、五丈原で戦い、蜀が滅亡する過程は、この物語のおまけですよ。
しかしあと三十回分も物語を残しています。「三国志演義」は第四巻へと続きます。
ここまで読んだのだから、もちろん最後まで読みます。
余談ですが、第三巻は転換点なので、人物が次から次に入れ替わってたいへんです。
冒頭の登場人物リストは10ページにわたっていて、眺めるだけで酔ってしまいそう。
さいごに。(超ムーの世界)
毎週日曜日の20時から、BS12で「超ムーの世界R」が放送されています。
宇宙人が人類を監視しているとか、UFOは異次元からやってくるとか・・・
毎回私が感心しながら番組を見て、娘と妻は呆れながらそんな私を見ています。
久しぶりにオカルト雑誌「ムー」を買ってみようかと思っています。
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