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三国志演義3 [中世文学]

 「三国志演義(三)」 羅貫中 井波律子訳 (講談社学術文庫)


 魏呉蜀の三国時代を舞台にした講談を、明時代にまとめて成立した歴史小説です。
 ここでは、最も新しい講談社学術文庫(全4巻)の井波律子訳を紹介します。


三国志演義 (三) (講談社学術文庫)

三国志演義 (三) (講談社学術文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/11/11
  • メディア: 文庫



 講談社学術文庫版(三)には、第六十一回から第九十回までが収められています。
 益州と漢中支配、関羽の死、張飛の死、曹操の死、蜀建国、呉に敗北、劉備の死・・・

 第三巻の前半は、劉備が益州と漢中を支配し、一大勢力となった全盛期を描きます。
 しかし後半は、関羽が死に、張飛が死に、劉備も死に、いっきに衰退へ向かいます。

 また、この巻では曹操も死に、これまで物語の中心人物たちが一気に退場しました。
 魏では曹丕が、蜀では諸葛孔明が中心となり、物語の大きな転換点を迎えました。

 さて私はこれまで、関羽は完璧な人、張飛はおっちょこちょい、と思っていました。
 しかし第三巻を読んで、私の持っていた二人のイメージが、大きく覆されました。

 特に張飛は、「義によって厳顔を許す」ことで、劉備の危機を救いました。
 また、酔ったふりをして敵を欺くなど、並みの人物ではできない計略を用いました。

 おそらく張飛は、劉備・関羽・孔明に感化され、この時期に急成長したのでしょう。
 そしてこの時期、4人の歯車が一番かみ合っていたからこそ全盛期を迎えたのです。

 しかしそれもつかのま、意外にも、完璧なはずの関羽から、ほころびが生じました。
 関羽の慢心によって荊州は取られ、関羽は関平とともに斬られてしまいました。

 桃園の誓い以来、三人は一体ですから、一人が死ねば他の二人も崩れてしまいます。
 これが義兄弟で行動することの限界でしょう。張飛も劉備もすぐ後を追ってしまう。

 私は、この三人が死んだ場面で、「三国志演義」は終わっても良かったと思います。
 南蛮を攻略し、五丈原で戦い、蜀が滅亡する過程は、この物語のおまけですよ。

 しかしあと三十回分も物語を残しています。「三国志演義」は第四巻へと続きます。
 ここまで読んだのだから、もちろん最後まで読みます。

 余談ですが、第三巻は転換点なので、人物が次から次に入れ替わってたいへんです。
 冒頭の登場人物リストは10ページにわたっていて、眺めるだけで酔ってしまいそう。

 さいごに。(超ムーの世界)

 毎週日曜日の20時から、BS12で「超ムーの世界R」が放送されています。
 宇宙人が人類を監視しているとか、UFOは異次元からやってくるとか・・・

 毎回私が感心しながら番組を見て、娘と妻は呆れながらそんな私を見ています。
 久しぶりにオカルト雑誌「ムー」を買ってみようかと思っています。


ムー 2018年 12 月号 [雑誌]

ムー 2018年 12 月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2018/11/09
  • メディア: 雑誌



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