失楽園 ミルトン 2 [17世紀文学]
「失楽園 下」 ミルトン作 平井正穂訳 (岩波文庫)
「旧約聖書」の創世記をもとに、堕天使の逆襲と人間の楽園追放を描いた叙事詩です。
ミルトンは17世紀の清教徒革命時に政務を執り、不遇の晩年にこの傑作を残しました。
神はアダムに言いました。「この園の実はどれを食べてもいい。ただ一つを除いては。
それこそ、善と悪の知識をもたらす樹。これを食べたら、死ぬことになるのだ。」と。
ところがサタンは、エデンの園に忍び込み、眠っていた蛇の体内に入り込んで・・・
蛇は、一人でいるイーブに、人の言葉で、知恵の木の実を食べるように勧めて・・・
イーブは不思議に思いました。「蛇は知恵の実を食べたのに、死なないではないか。
それどころか、人の言葉で話し始めたではないか。これは、どういうことか?」・・・
下巻に入ると、「聖書」の創世記に書かれた内容が語られます。
そのクライマックスは、サタンによる誘惑と、アダムとイーブの楽園追放の場面です。
この物語を読んで、私は思いました。「最大の黒幕は、神ではないか?」と。
思わせぶりなことを言っておいて、知恵の実を食べるなと禁じるのは、どうしてか?
本当に食べさせたくなかったら、知恵の木などそこに置かなければよいではないか。
楽園追放は、神によって仕組まれた、巧妙な罠だったのではないか。
視点を変えると、楽園追放は、人類が神の束縛から免れ、自立する物語でもあります。
永遠の生命と引き換えに、知識を手に入れたアダムとイーブは、自由を求めて旅立つ!
現在人類は、この地球を飛び立ち、いよいよ宇宙の探査に乗り出そうとしています。
我々の科学の飛躍的進歩は、アダムとイーブが知恵の実を食べたおかげではないのか。
このような解釈をも許してしまうところに、「失楽園」という作品の深さがあります。
また、危険な魅力が潜んでいることに、改めて気付かされました。
もしかしたらミルトンは、時々やけくそになって「失楽園」を書いたのではないか?
晩年の不遇に対する怒りを、神に投げつける気持ちが、まったくなかっただろうか?
バニヤンの「天路歴程」が、一貫して「良い子」の物語で、面白みに欠けたのに対し、
ミルトンの「失楽園」は、基本的に「不良」の物語で、そこに大きな魅力があります。
さいごに。(ありえない、15分30秒)
先日の駅伝で、3キロ走るのに15分30秒かかりました。1キロ5分10秒のペースです。
以前は、1キロ4分30秒のペースで、10キロ以上を普通に走っていたものですが・・・
その頃はフルマラソンに出ていたので、10キロなんて短くて、走った気がしなかった。
しかし、今ではわずか3キロが、長くて長くて。何度も止まりそうになってしまった!
「旧約聖書」の創世記をもとに、堕天使の逆襲と人間の楽園追放を描いた叙事詩です。
ミルトンは17世紀の清教徒革命時に政務を執り、不遇の晩年にこの傑作を残しました。
神はアダムに言いました。「この園の実はどれを食べてもいい。ただ一つを除いては。
それこそ、善と悪の知識をもたらす樹。これを食べたら、死ぬことになるのだ。」と。
ところがサタンは、エデンの園に忍び込み、眠っていた蛇の体内に入り込んで・・・
蛇は、一人でいるイーブに、人の言葉で、知恵の木の実を食べるように勧めて・・・
イーブは不思議に思いました。「蛇は知恵の実を食べたのに、死なないではないか。
それどころか、人の言葉で話し始めたではないか。これは、どういうことか?」・・・
下巻に入ると、「聖書」の創世記に書かれた内容が語られます。
そのクライマックスは、サタンによる誘惑と、アダムとイーブの楽園追放の場面です。
この物語を読んで、私は思いました。「最大の黒幕は、神ではないか?」と。
思わせぶりなことを言っておいて、知恵の実を食べるなと禁じるのは、どうしてか?
本当に食べさせたくなかったら、知恵の木などそこに置かなければよいではないか。
楽園追放は、神によって仕組まれた、巧妙な罠だったのではないか。
視点を変えると、楽園追放は、人類が神の束縛から免れ、自立する物語でもあります。
永遠の生命と引き換えに、知識を手に入れたアダムとイーブは、自由を求めて旅立つ!
現在人類は、この地球を飛び立ち、いよいよ宇宙の探査に乗り出そうとしています。
我々の科学の飛躍的進歩は、アダムとイーブが知恵の実を食べたおかげではないのか。
このような解釈をも許してしまうところに、「失楽園」という作品の深さがあります。
また、危険な魅力が潜んでいることに、改めて気付かされました。
もしかしたらミルトンは、時々やけくそになって「失楽園」を書いたのではないか?
晩年の不遇に対する怒りを、神に投げつける気持ちが、まったくなかっただろうか?
バニヤンの「天路歴程」が、一貫して「良い子」の物語で、面白みに欠けたのに対し、
ミルトンの「失楽園」は、基本的に「不良」の物語で、そこに大きな魅力があります。
さいごに。(ありえない、15分30秒)
先日の駅伝で、3キロ走るのに15分30秒かかりました。1キロ5分10秒のペースです。
以前は、1キロ4分30秒のペースで、10キロ以上を普通に走っていたものですが・・・
その頃はフルマラソンに出ていたので、10キロなんて短くて、走った気がしなかった。
しかし、今ではわずか3キロが、長くて長くて。何度も止まりそうになってしまった!
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