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ティラン・ロ・ブラン 1 [中世文学]

 「ティラン・ロ・ブラン 1」 J・マルトゥレイ作 田澤耕訳 (岩波文庫)


 騎士ティラン・ロ・ブランの愛と冒険を、写実的かつ現実的に描いた長編小説です。
 「ドン・キホーテが読みふけり正気を失う原因となった世界一の騎士道小説」です。

 2016年に岩波文庫から刊行されました。1冊1200円前後なので4巻で4800円です。
 かつて広辞苑のような分厚いで、17280円で出ていたことを考えるとお買い得です。


ティラン・ロ・ブラン 1 (岩波文庫)

ティラン・ロ・ブラン 1 (岩波文庫)

  • 作者: J.マルトゥレイ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/10/19
  • メディア: 文庫



 イングランド王とフランス王女との婚約が決まり、武術試合の開催が決まりました。
 ティラン・ロ・ブラン一行は、宮廷に行く途中、隠者から様々なことを学びました。

 婚礼の祝宴からの帰途、再び隠者を訪れた一行は、ティランの活躍を語ります。
 ティランはいかに戦い、いかに勝ったか。いかにして、最高の騎士の称号を得たか。

 世界中にその名を鳴り響かせたティランは、その後ロードス島の救援に向かいます。
 モーロ人の包囲網を突破し、奇策を用いてモーロ人を撤退させ・・・

 イングランドへ、シチリア島へ、ロードス島へ、フランスへ・・・
 さすが、ドン・キホーテを狂わせた物語。ティランの八面六臂の活躍はありえない。

 ところがこの物語は、当時の騎士道物語に比べては、とても現実的なのだそうです。
 そう言われると、確かに「アーサー王」と違って、魔法使いや妖怪は出てきません。

 そして、宮廷生活や武術試合などの描写が、細かすぎるぐらい細かくてリアルです。
 このリアルさは作品の価値を高めていますが、同時に物語を退屈にもしています。

 婚礼の祝宴の様子をえんえんと語ったり、宮廷の食事の場面をいちいち述べたり。
 物語の展開上、必要でしょうか? 当時の資料としては、重要かもしれませんが。

 また、会話文が多いのも特徴です。おしゃべりが長くて、なかなか先に進みません。
 ごちゃごちゃ言ってないでさっさと戦えと、何度か叱りつけたくなりました。

 ところで、第一巻で最も面白かったのは、冒頭の「隠者王」の活躍の部分でした。
 ウォーウィック伯ウィリアムは、いかにしてイングランドを救ったか・・・

 勝手ながら私は、隠者がティランの父親だと思い、劇的な展開を予想していました。
 しかしティランと血筋の関係はなく、途中で退場してしまうので、少し驚きました。

 さて第二巻では、ティランが恋に落ち、いよいよ恋愛ロマンスが始まると言います。
 恋の相手は、なんとコンスタンチノーブルの皇帝の娘?!・・・楽しみです。

 さいごに。(アイスティーしか飲まなくなった理由)

 仕事が早く終わってカフェに寄るとき、最近はアイスティーしか飲みません。
 その理由は、私の場合、コーヒーを飲むと眠くなって、本が読めなくなるからです。

 ブラックで飲めなくて、砂糖をたっぷり入れてしまうのが、悪いのかもしれません。
 アイスティーはシロップを入れないで飲むためか、本を読んでも眠くならないです。

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