SSブログ

怪盗紳士ルパン [20世紀フランス文学]

 「怪盗紳士ルパン」 モーリス・ルブラン作 平岡敦訳 (ハヤカワ文庫)


 イギリスの名探偵、シャーロック・ホームズに、対抗できるのは?
 フランスの怪盗、アルセーヌ・ルパンだけでしょう。

 本書は、ルパンシリーズの第一短編集で、9編収録です。
 紳士的な大泥棒ルパンの活躍が楽しめます。

 現在、様々な訳が出ています。
 5年前に出たハヤカワ文庫版が、最も新しくて読みやすいです。


怪盗紳士ルパン (ハヤカワ文庫 HM)

怪盗紳士ルパン (ハヤカワ文庫 HM)

  • 作者: モーリス・ルブラン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/09/09
  • メディア: 文庫



 「アルセーヌ・ルパンの逮捕」が、ルパン初登場作品です。
 定期客船内で、ルパン探しが行われます。
 疑心暗鬼となった船中で、ルパンかと疑われる男がいますが…

 途中で、あっと驚く展開があります。
 ルパンを逮捕したのは、名警部のガニマール。
 この後、ルパンのライバルになります。

 「獄中のアルセーヌ・ルパン」での、犯罪はみごと。
 ネタは、乱歩の「怪人二十面相」に、みごとにぱくられています。

 「王妃の首飾り」では、6歳のルパンが登場。
 その生い立ちの一部が分かって、興味深い作品です。

 「ハートの7」では、語り手との出会いが語られます。
 ここでのルパンは、とてもかっこいいです。

 「遅かりしシャーロック・ホームズ」も注目です。
 ホームズとの最初の出会いが描かれています。
 ホームズとルパンの、二人の活躍が楽しめます。

 ただし、タイトルで分かる通り、ホームズがやや後手に回ります。
 これでは、シャーロキアンたちは怒るでしょう。

 さて、作者モーリス・ルブランは最初、純文学を志していました。
 フローベールやモーパッサンを敬愛していたのです。
 (子供の頃に世話になった医師は、フローベールの兄でした。)

 しかし、1905年に発表されたルパンものが人気となり…
 すっかり、ルパンシリーズの作家として、有名になりました。
 内心は複雑だったようです。ドイルと同じですね。

 ところで。

 ハヤカワ文庫は全集を目指すかと思いきや、わずか4冊で中断。
 5冊目が、いつまで待っても出ません。
 名作「813」を期待していましたが、残念です。

 ポプラ文庫からは、児童向けの「怪盗紳士ルパン」も出ています。
 こちらは、9編中6編のみ収録です。
 子供の時、南氏の簡約版を、ワクワクしながら読んだ人も多いはず。


怪盗紳士―怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック)

怪盗紳士―怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック)

  • 作者: モーリス ルブラン
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2009/12
  • メディア: 文庫



 さいごに。

 新年、おめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。

 おもちと、おせちと、新年会での食事で、
 この二日間は、おなかがはちきれそうです。
 体重も2キロほど増えたのでは…

 ちなみに、我が家の一番人気は、栗きんとんです。
 娘は栗きん、私は煮豚、妻はだてまきが好物です。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。