アシェンデン [20世紀イギリス文学]
「アシェンデン」 モーム作 中島賢二訳 (岩波文庫)
文豪モームの書いた、スパイ小説です。
モームの作品の中で、一番これが面白い、と言う人も多いです。
現在、岩波文庫で読むことができます。
中島訳は新訳で評判が良いです。表紙もカッコイイ。
作家アシェンデンは、あるパーティーで、「R」に引き合わされます。
彼は、イギリス諜報部の人間でした。
アシェンデンは、危険を承知で、スパイ活動を引き受けます…
モームが、イギリスのスパイだったことは、有名です。
第一次大戦や、ロシア革命で、活動していました。
作家という職業は、隠れ蓑として最適なのですね。
もちろんこの話は、自身のスパイ活動をもとに、描かれています。
アシェンデンは、モームの分身です。
ただし、スパイと言っても、007を想像してはいけません。
殺人シーンや、戦闘シーンはありません。
また、何か大きな作戦に、取り組むわけではありません。
むしろ、組織の中の歯車として、地味に活動しています。
それでいて、なかなか読ませるのは、文章がうまいからでしょう。
構成は、16の短篇の連作という形を、とっています。
特に私が好きな話は、「家宅捜査」と「ギリシア人」です。
どちらも、とても短い話です。
事件そのものよりも、登場人物のやりとりに、味わいがあります。
ここでは、人間関係の機微や、人生の皮肉を、味わえます。
そういう意味で言えば、「シャーロックホームズ」に、似ています。
ところで、私はこの作品を、数年前にちくま文庫で読みました。
当時は、「ちくまモームコレクション」というシリーズがあったのです。
ちくま文庫は、このようなファン垂涎の企画を、立ててくれます。
とてもありがたい。でも、とても気まぐれなのが、玉に瑕です。
すぐに品切れになったり、絶版になったりするのです。
今、「モームコレクション」で読めるのは、「コスモポリタン」のみ。
なんと中途半端な!
ついでに言えば、かつては、ディケンズ作品も充実させていました。
「ピクウィック・クラブ」も、「骨董屋」も、「リトル・ドリット」もありました。
それなのに、今は… ああ、ちくま文庫さん!
さいごに。
娘は昨年まで、バレンタインデーもホワイトデーも知りませんでした。
しかし今年は、「ホワイトデーはまだ?」、「その日に何をもらえる?」
と、うるさい、うるさい。
結局、土曜日に、家族全員で、洋菓子屋に行くことになりました。
みんなで、自分がもらいたいお菓子を、勝手に選ぶと言うのです。
もちろん私は、自分用のも、買いますよ。
文豪モームの書いた、スパイ小説です。
モームの作品の中で、一番これが面白い、と言う人も多いです。
現在、岩波文庫で読むことができます。
中島訳は新訳で評判が良いです。表紙もカッコイイ。
作家アシェンデンは、あるパーティーで、「R」に引き合わされます。
彼は、イギリス諜報部の人間でした。
アシェンデンは、危険を承知で、スパイ活動を引き受けます…
モームが、イギリスのスパイだったことは、有名です。
第一次大戦や、ロシア革命で、活動していました。
作家という職業は、隠れ蓑として最適なのですね。
もちろんこの話は、自身のスパイ活動をもとに、描かれています。
アシェンデンは、モームの分身です。
ただし、スパイと言っても、007を想像してはいけません。
殺人シーンや、戦闘シーンはありません。
また、何か大きな作戦に、取り組むわけではありません。
むしろ、組織の中の歯車として、地味に活動しています。
それでいて、なかなか読ませるのは、文章がうまいからでしょう。
構成は、16の短篇の連作という形を、とっています。
特に私が好きな話は、「家宅捜査」と「ギリシア人」です。
どちらも、とても短い話です。
事件そのものよりも、登場人物のやりとりに、味わいがあります。
ここでは、人間関係の機微や、人生の皮肉を、味わえます。
そういう意味で言えば、「シャーロックホームズ」に、似ています。
ところで、私はこの作品を、数年前にちくま文庫で読みました。
当時は、「ちくまモームコレクション」というシリーズがあったのです。
ちくま文庫は、このようなファン垂涎の企画を、立ててくれます。
とてもありがたい。でも、とても気まぐれなのが、玉に瑕です。
すぐに品切れになったり、絶版になったりするのです。
今、「モームコレクション」で読めるのは、「コスモポリタン」のみ。
なんと中途半端な!
ついでに言えば、かつては、ディケンズ作品も充実させていました。
「ピクウィック・クラブ」も、「骨董屋」も、「リトル・ドリット」もありました。
それなのに、今は… ああ、ちくま文庫さん!
さいごに。
娘は昨年まで、バレンタインデーもホワイトデーも知りませんでした。
しかし今年は、「ホワイトデーはまだ?」、「その日に何をもらえる?」
と、うるさい、うるさい。
結局、土曜日に、家族全員で、洋菓子屋に行くことになりました。
みんなで、自分がもらいたいお菓子を、勝手に選ぶと言うのです。
もちろん私は、自分用のも、買いますよ。
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