月と六ペンス [20世紀イギリス文学]
「月と六ペンス」 モーム作 中野好夫訳 (新潮文庫)
「モームといえばこの本だろ」という人も多いはずです。
ゴーギャンの伝記に暗示を受けて、書かれた物語として有名です。
現在、新潮文庫、岩波文庫、古典新訳文庫などから出ています。
私の本棚には、例によって、新潮文庫版。中野好夫氏の名訳です。
岩波文庫の行方氏の訳は新訳です。読みやすくて、評判が良いです。
古典新訳文庫の土屋氏の訳は、最も新しい訳です。評判が良いです。
でも、表紙は相変わらず。この虫みたいな絵は、何なのでしょうか。
この小説はゴーギャンをモデルにしている、と説明されます。
だから、ゴーギャンとストリックランドを、同一視してしまいがちです。
しかし、実際はだいぶ違います。
ストリックランドは、本当に悪いやつです。
長年連れ添った妻を、突然離縁して、勝手にパリで暮らし始める。
借金しまくり、命の恩人から奥さんを奪い、飽きると捨ててしまう。
冷酷で身勝手。自分に対する批判には、軽蔑でこたえる。
ムカムカしますが、ムカムカしながらも、ひかれてしまいます。
それが天才の魅力なのでしょうか。
ストリックランドには、野生的な生命力があります。
45~58章のタヒチでの話は、とても興味深いです。
絵にのめりこんだ男の、天才と狂気!
特に、ストリックランドの最期は、壮絶です。
タイトルの「月」は理想、「六ペンス」は現実を表すのだそうです。
ストリックランドは、なりふりかまわず、月を追いかけた男か。
この小説には、すごみがあって、モームらしい作品だと思います。
ところで、私は大学時代、一時期ゴーギャンにはまりました。
彼がタヒチで描いた絵に、とても感動したからです。
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
これは、死を決意したゴーギャンが、遺書代わりに描いた絵です。
しかし、ゴーギャンの自殺は、未遂に終わりました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Woher_kommen_wir_Wer_sind_wir_Wohin_gehen_wir.jpg
個人的には、左側にある仏像のようなものが、気になります。
この文庫本を購入したのは、実は大学4年の時です。(1989年)
しかし、卒業論文に追われるようになって、そのまま放置。
読んだのは、なんと15年後でした。(2004年)
さいごに。
娘の最近のブームは、ハートです。
お絵かきでは、ハートマークを、無意味にたくさん書き加えます。
そして、嬉しいのは、私が出勤する時。
「ハート」と言って、両手でハートマークを作って、見せてくれます。
おかげで、なごやかな気分で、出勤できます。
「モームといえばこの本だろ」という人も多いはずです。
ゴーギャンの伝記に暗示を受けて、書かれた物語として有名です。
現在、新潮文庫、岩波文庫、古典新訳文庫などから出ています。
私の本棚には、例によって、新潮文庫版。中野好夫氏の名訳です。
岩波文庫の行方氏の訳は新訳です。読みやすくて、評判が良いです。
古典新訳文庫の土屋氏の訳は、最も新しい訳です。評判が良いです。
でも、表紙は相変わらず。この虫みたいな絵は、何なのでしょうか。
この小説はゴーギャンをモデルにしている、と説明されます。
だから、ゴーギャンとストリックランドを、同一視してしまいがちです。
しかし、実際はだいぶ違います。
ストリックランドは、本当に悪いやつです。
長年連れ添った妻を、突然離縁して、勝手にパリで暮らし始める。
借金しまくり、命の恩人から奥さんを奪い、飽きると捨ててしまう。
冷酷で身勝手。自分に対する批判には、軽蔑でこたえる。
ムカムカしますが、ムカムカしながらも、ひかれてしまいます。
それが天才の魅力なのでしょうか。
ストリックランドには、野生的な生命力があります。
45~58章のタヒチでの話は、とても興味深いです。
絵にのめりこんだ男の、天才と狂気!
特に、ストリックランドの最期は、壮絶です。
タイトルの「月」は理想、「六ペンス」は現実を表すのだそうです。
ストリックランドは、なりふりかまわず、月を追いかけた男か。
この小説には、すごみがあって、モームらしい作品だと思います。
ところで、私は大学時代、一時期ゴーギャンにはまりました。
彼がタヒチで描いた絵に、とても感動したからです。
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
これは、死を決意したゴーギャンが、遺書代わりに描いた絵です。
しかし、ゴーギャンの自殺は、未遂に終わりました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Woher_kommen_wir_Wer_sind_wir_Wohin_gehen_wir.jpg
個人的には、左側にある仏像のようなものが、気になります。
この文庫本を購入したのは、実は大学4年の時です。(1989年)
しかし、卒業論文に追われるようになって、そのまま放置。
読んだのは、なんと15年後でした。(2004年)
さいごに。
娘の最近のブームは、ハートです。
お絵かきでは、ハートマークを、無意味にたくさん書き加えます。
そして、嬉しいのは、私が出勤する時。
「ハート」と言って、両手でハートマークを作って、見せてくれます。
おかげで、なごやかな気分で、出勤できます。
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