ねじの回転 [19世紀アメリカ文学]
「ねじの回転」 ヘンリー・ジェイムズ作 蕗沢忠枝訳 (新潮文庫)
「ロード・ジム」とはまた違う意味で、良く分からない小説です。
書いてある内容は分かるのですが、解釈の仕方が分からないのです。
古い貴族屋敷に来た、家庭教師の若い女性が、亡霊に悩まされる話です。
怪奇小説として、そして心理小説として、有名です。
現在、新潮文庫、創元SF文庫、岩波文庫などで読むことができます。
私の本棚にあるのは、新潮文庫版です。
新潮文庫版だけが、「ねじの回転」を単独で扱っています。
読んでいて、次々に疑問が湧き起こります。
彼らはなぜ死んだのか、なぜ霊になったのか、なぜ子供にとりつくのか。
二人はなぜそのことを隠しているのか、雇い主は何も知らないのか…
さまざまな疑問が解けないままに、物語はどんどん進行します。
このこと自体が、一種の恐怖体験です。
「分からない」ということほど、怖いことはありません。
そして、衝撃の結末。
と同時に、湧き起こるのは、次のような決定的な疑問。
「そもそも、本当に霊はいたのか。」
最後まで疑問は疑問のまま残ります。
そういう意味では、煙に巻かれたような結末です。
ですから、読み終わった後も、ずっと怖いままなのです。
多くの人が、この小説の解釈を試みていますが、決定打はありません。
さて、創元SF文庫版の副題は「心霊小説傑作選」で全5編収録です。
5編に共通する点は、幽霊が実在したか、よく分からない点です。
作者ヘンリー・ジェイムズには、長編の傑作があります。
例えば、映画化された「ある貴婦人の肖像」や晩年の「大使」など。
「ねじの回転」は、決して代表作とは言えません。
しかし、恐怖小説の古典として忘れられない作品です。
さいごに。
原発の復旧作業中に被爆した方を思うと、本当にせつなくなります。
今でも、被爆の危険にさらされながら、作業している方々がいます。
感謝のしようがありません。
我が家では、職場や町内会や幼稚園の義援金に協力したり、
使い捨てカイロを、救援物資収集所に寄付したりしましたが…
こんなことしかできないのが残念です。
「ロード・ジム」とはまた違う意味で、良く分からない小説です。
書いてある内容は分かるのですが、解釈の仕方が分からないのです。
古い貴族屋敷に来た、家庭教師の若い女性が、亡霊に悩まされる話です。
怪奇小説として、そして心理小説として、有名です。
現在、新潮文庫、創元SF文庫、岩波文庫などで読むことができます。
私の本棚にあるのは、新潮文庫版です。
新潮文庫版だけが、「ねじの回転」を単独で扱っています。
読んでいて、次々に疑問が湧き起こります。
彼らはなぜ死んだのか、なぜ霊になったのか、なぜ子供にとりつくのか。
二人はなぜそのことを隠しているのか、雇い主は何も知らないのか…
さまざまな疑問が解けないままに、物語はどんどん進行します。
このこと自体が、一種の恐怖体験です。
「分からない」ということほど、怖いことはありません。
そして、衝撃の結末。
と同時に、湧き起こるのは、次のような決定的な疑問。
「そもそも、本当に霊はいたのか。」
最後まで疑問は疑問のまま残ります。
そういう意味では、煙に巻かれたような結末です。
ですから、読み終わった後も、ずっと怖いままなのです。
多くの人が、この小説の解釈を試みていますが、決定打はありません。
さて、創元SF文庫版の副題は「心霊小説傑作選」で全5編収録です。
5編に共通する点は、幽霊が実在したか、よく分からない点です。
作者ヘンリー・ジェイムズには、長編の傑作があります。
例えば、映画化された「ある貴婦人の肖像」や晩年の「大使」など。
「ねじの回転」は、決して代表作とは言えません。
しかし、恐怖小説の古典として忘れられない作品です。
さいごに。
原発の復旧作業中に被爆した方を思うと、本当にせつなくなります。
今でも、被爆の危険にさらされながら、作業している方々がいます。
感謝のしようがありません。
我が家では、職場や町内会や幼稚園の義援金に協力したり、
使い捨てカイロを、救援物資収集所に寄付したりしましたが…
こんなことしかできないのが残念です。
はじめまして。
文学の率直な紹介を続けているブログを久しぶりに見つけました。
RSSに登録して、今後も読ませていただきます。
ここで主に紹介されているような有名作品をあまり読めていないので、大いに参考になりそうです。
ちなみに「ねじの回転」について。
数年前に読んだ時には、年上の女性を慕う少年の話として読んではどうか、と思ったようです。
よくできた通俗小説として読む方が深く理解できそう、とも。
by plant (2011-03-28 20:02)
Plantさん、ナイスとコメントを、ありがとうございました。
また、「ねじの回転」について、面白い視点の紹介をありがとうございます。
この本については、いまだに、どう解釈してよいのか分かりません。
今後ともよろしくお願いします。
by ike-pyon (2011-04-01 04:00)