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幻の女 [20世紀アメリカ文学]

 「幻の女」 アイリッシュ作 稲垣明雄訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫)


 コリンズの「白衣の女」から、アイリッシュの「幻の女」を連想しました。
 派手な帽子をかぶった謎の女を巡る、ミステリー小説の傑作です。

 現在、ハヤカワ・ミステリ文庫から、稲垣訳で出ています。
 私が買った時のカバーには、青白い女の顔が描かれていました。
 タイトルを考えたら、カバーに女の顔を描いてはいけないでしょう。

 現在の表紙は、帽子が描かれていて、おしゃれな感じです。
 買い直さなければなりません。


幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))

  • 作者: ウイリアム・アイリッシュ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1976/04/30
  • メディア: 文庫



 作者アイリッシュは、サスペンスの詩人と言われることがあります。
 叙情的で哀愁ただよう文章です。
 「幻の女」の冒頭は、詩的な名文です。そして名訳です。

 「夜は若く、彼も若かった。
  が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」

 彼の名はスコット。気分が苦いのは、夫婦喧嘩のためです。
 夜の街をさまよい、ふと出会った派手な帽子の女と食事をし、劇場へ。
 そして家に帰ると、妻はネクタイで殺されていました!

 スコットは死刑の判決を受けます。
 アリバイを証明するため、帽子の女を探しますが…

 物語は「幻の女」の捜索を軸に進みます。
 捕らわれたスコットの代わりに、女を追うのは友人のロンバート。
 しかし、捜索は進まず、処刑の日は刻々と近づきます。

 二転三転して、最後の最後まで、展開が読めません。
 そして、あっと驚く結末です。

 作者ウィリアム・アイリッシュは、20世紀にアメリカで活躍しました。
 「幻の女」は、1944年に書かれ、1951年に映画化されました。
 (同名の他の映画があるので注意)

 映画「ポワゾン」(「暗闇へのワルツ」)は、記憶に新しいです。
 アンジェリーナ・ジョリーの演技が、話題になりました。
 また、短編「裏窓」は、ヒッチコックのサスペンス映画として有名です。


裏窓―アイリッシュ短編集 (3) (創元推理文庫 (120-5))

裏窓―アイリッシュ短編集 (3) (創元推理文庫 (120-5))

  • 作者: ウィリアム・アイリッシュ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1973/03/30
  • メディア: 文庫


 
 さいごに。

 娘を水泳教室に通わせるため、三人で娘の水着を買いに行きました。
 しかし、この時期は、まだほとんどお店に水着が出ていません。
 私は、「どれだっていいじゃん」と思ったのですが、妻は納得しません。

 結局、ネットで何時間もかけて、気に入ったものを見つけたようです。
 こういう根気強さは、本当に、感心してしまいます。(男には無理)

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