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アンティゴネ [古代文学]

 「ギリシア悲劇Ⅱ ソポクレス」(ちくま文庫)


 「アンティゴネ」は、オイディプスの娘アンティゴネの、最期を描いた悲劇です。
 オイディプス死後の、テーバイにおける物語です。

 現在、ちくま文庫と、岩波文庫と、新潮文庫などで、読むことができます。
 オススメは、ちくま文庫版。ソポクレスの現存する七作が入っています。


ギリシア悲劇〈2〉ソポクレス (ちくま文庫)

ギリシア悲劇〈2〉ソポクレス (ちくま文庫)

  • 作者: ソポクレス
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1986/01
  • メディア: 文庫



 「アンティゴネ」だけを読みたいのなら、岩波文庫版があります。


アンティゴネー (岩波文庫)

アンティゴネー (岩波文庫)

  • 作者: ソポクレース
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1961/09/05
  • メディア: 文庫



 新潮文庫版は、「オイディプス」と「アンティゴネ」のカップリング。
 ただし、訳は英訳からの重訳だとのこと。


オイディプス王・アンティゴネ (新潮文庫)

オイディプス王・アンティゴネ (新潮文庫)

  • 作者: ソポクレス
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1984/09
  • メディア: 文庫



 オイディプスの死後、テーバイに残った二人の息子は争い、刺し違えて倒れます。
 敵方となってテーバイを攻めたのは、兄のポリュネイケスでした。

 その亡骸の埋葬を禁じ、獣の食い荒らすままにした、テーバイ王クレオン。
 その命令に反抗し、兄を埋葬して、クレオン王に責められるアンティゴネ。

 彼女は、命がけで訴えます。死んだら、敵も味方も無い、と。
 私たちは、憎しみを分けるためでなく、愛を分けるために生れてきたのだ、と。

 彼女の許婚のハイモンも、父であるクレオン王を説得しますが、聞き入れられません。
 とうとうアンティゴネは、生きながら墓穴へ入れられてしまい…

 クレオン王は、アンティゴネのことを、頑なだと批判します。
 でも、本当に頑ななのは、誰だったのか。王自身ではなっかったか。。

 そのことに気づかされた時には、しかし、何もかも遅すぎました。
 時に、人を裁いているつもりで、実は自分が神々によって裁かれていたりするものです。
 破滅は、いっきにやってきます。

 とても考えさせられる悲劇です。
 クレオン王は、それほど筋違いなことを、言っているわけではありません。
 ただ少し、愛が足りなかった。

 作者ソポクレスは、アテネにおいて、いくつかの要職につき、人望もあったそうです。
 彼は、悲劇の世界でも、一貫して、「正義とは何か」を訴え続けました。
 思うに、正義とは、愛の一部でしょうか。

 第二次大戦後、ブレヒトが「アンティゴネ」を改作して上演しました。
 2015年に古典新訳文庫から出たので、さっそく読みました。

 正直に言って、ソポクレスには及ばないと思いました。
 アンティゴネの個性は、ソポクレスの方がはるかに印象に残りました。


アンティゴネ (光文社古典新訳文庫)

アンティゴネ (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: ブレヒト
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/08/06
  • メディア: 文庫



 さいごに。(鉄棒、なわとび)

 娘は、いつのまにか、鉄棒の前回りができるようになっていました。
 また、なわとびの前回し跳びも、20回以上できるようになっていました。

 ほんと、子どもの上達って、早いですね。
 私は、4月に新しくなった職場のパソコン・ソフトに、いまだに慣れていません。

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