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世界の終りとハードボイルドワンダーランド [日本の現代文学]

 「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」 村上春樹 (新潮文庫)


 「世界の終り」の「僕」と、「ハードボイルドワンダーランド」の「私」の物語です。
 村上春樹の4作目の長編で、谷崎潤一郎賞を受賞した傑作です。

 現在、新潮文庫から、上下二分冊で出ています。
 私の本は昭和63年度版で、やや活字が小さいのが難点。
 2010年に出た最新版(リンクの本)で、もう一度読みたい。


世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 新装版 (新潮文庫 む 5-4)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 新装版 (新潮文庫 む 5-4)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 文庫



世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 新装版 (新潮文庫 む 5-5)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 新装版 (新潮文庫 む 5-5)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 文庫



 「世界の終り」の章は、高い壁に囲まれた街が舞台です。
 「僕」はその街の図書館で、一角獣の頭骨から夢を読み取る仕事をしています。

 「僕」は、この街に入った時、門番によって影を切り離されました。
 その時、記憶を影に残してきたため、外の世界の記憶がありません。
 やがて「僕」は、「影」からその街の地図を作るように言われて…

 一方、「ハードボイルドワンダーランド」の章は、近未来の世界が舞台です。
 「私」は暗号を扱う計算士で、シャフリングという高度な技術を持っています。

 あるとき、老博士によって、「私」の脳に秘密の加工がなされます。
 それによって、自分の中に別の意識が生じ、「私」の運命は大きく狂わされます。
 やがて「私」は、自分の中に一角獣の存在を感じるようになって…

 「世界の終り」の章と、「ハードボイルドワンダーランド」の章。
 この二つの章が入れ替わりながら、並行して物語は進みます。

 二つはまったく別々の物語ですが、しだいに一つに重なってきます。
 「僕」と「私」が、だんだん一つに見えてきます。

 その過程が、ぞくぞくするほど面白い。
 ページをめくるのがもどかしいくらい、ワクワクしながら読めてしまいます。

 そして、ちょっと意外な結末!
 ついつい、「どういうこと?」と、「僕」に尋ねたくなります。

 奥が深くて、いろいろな解釈が可能な小説です。
 村上春樹の中で、最も好きな作品です。

 さいごに。(今年も出た、陸上の大会)

 県の中部地区の陸上競技会で、高校生や大学生に混じって走りました。
 種目は400ハードル。44歳の私は、もちろん最高齢です。

 雨で、タイムは悪かったものの、2年ぶりに決勝に進みました。
 決勝ではびりでしたが、若い競技者と走れて、とても楽しめました。

 ちなみに甥っ子は100mと200mに出場し、どちらも当たり前のように優勝。
 しかも、100mは大会新記録、200mは大会タイ記録でした。

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