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一九八四年 [20世紀イギリス文学]

 「一九八四年」 ジョージ・オーウェル作 高橋和久訳 (ハヤカワepi文庫)


 ビッグ・ブラザーによって統制された全体主義国家を描く、アンチユートピア小説です。
 世界中でベストセラーになり、20世紀文学の傑作の一つだと言われています。

 「1Q84」のブームによって、再び注目されています。
 2009年に、ハヤカワepi文庫から新訳が出ました。とても読みやすかったです。


一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: ジョージ・オーウェル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/07/18
  • メディア: 文庫



 舞台は1984年のロンドン。これが書かれた1948年から見ると、近未来世界でした。
 国家は、ビッグ・ブラザーと呼ばれる男によって、統治されています。

 国民生活は、テレスクリーンによってすべて監視されて、自由な行動ができません。
 言語は、ニュースピークという簡潔な言語にまとめられ、自由な思考を許しません。

 最も根本的な罪は、党の体制に疑問を持つことであり、それを「思考犯罪」と呼びます。
 思考犯罪を取り締まるために、「思考警察」が国民をスパイしています。
 そして思考警察は、怪しい人物を次々に「蒸発」(!)させてしまうのです。

 主人公は、ウィンストン・スミス。39歳。
 職場は「真理省」。しかしその仕事は、歴史の改変です。
 ウィンストンは、自分の仕事とこの社会のあり方に、疑問を持っています。

 あるときウィンストンは、ジュリアという若い女性と、深く愛し合うようになります。
 そして、党中枢部が腐敗していることを知ります。
 やがて二人は、反政府組織の「ブラザー同盟」に加わりますが…

 ビッグ・ブラザーはスターリンを、全体主義国家は旧ソ連を、イメージしているようです。
 冷戦下で、この小説は売れに売れて、反全体主義のバイブルとなりました。

 それにしても、めちゃくちゃですよ。特に、第三部のオブライエン! 
 四本出した指を、「五本」と言わせたり、2+2を5だと言わせたり。(P386~)
 実にばかばかしくて面白かったです。

 ところで、ジョージ・オーウェルには、「動物農場」という傑作もあります。
 こちらも、面白そうです。

 さいごに。(宝さがしゲーム)

 娘のマイブームが、「宝さがしゲーム」です。
 宝物(例えばおもちゃのブレスレット)を、娘が隠して、私が探すというものです。

 最近は、なかなか巧妙に隠します。例えば、TVの裏側だとか。
 でも時々、自分で隠した場所を忘れて、見付からなくなってしまうことも…

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