やし酒飲み [20世紀その他文学]
「やし酒飲み」 エイモス・チュツオーラ作 土屋哲訳 (岩波文庫)
死んだ「やし酒造り」を探して、死者の国に旅する男とその妻の物語です。
アフリカ文学の傑作です。作者はナイジェリア人ですが、作品は英語です。
2012年10月に、岩波文庫から出たばかりですが、新訳ではありません。
土屋訳は、1970年に晶文社から出たものですが、分かりやすかったです。
10歳からやし酒を飲み始めた「わたし」は、一日中やし酒を飲んで暮らしていた。
ところがある日、やし酒造りが、やしの木から落ちて、死んでしまいました。
「わたし」は、死んだやし酒造りを探して、旅立ちますが…
「わたし」は、魔術者的な存在です。ジュジュというものを使って、変身します。
妻は、預言者的な存在です。彼女の言うことは、様々な形をとって、実現します。
この二人の行く先々に現れるのは、様々な怪物たちです。
死神、頭ガイ骨、親指から生れた赤ん坊、精霊、赤い化け物、赤ん坊の死者・・・
読むだけで、酔っ払ってしまいそうです。
この荒唐無稽な物語は、ヨルバ人の伝承に基づいているのだそうです。
そして、この素朴で神話的な世界観が、高く評価されています。
しかし私の印象は、ただのヘンな話。でも、それでいいじゃありませんか。
文学的価値を探したりしないで、割り切って、アフリカ的な世界を味わいましょう。
例えば、赤い町における冒険は、実に面白かったです。
その町に入ると、赤い住人と赤い王様が、なぜかとても喜んで迎えてくれました。
赤い王様は言います。三日後に、赤い化け物が来て、人身御供を要求する。
誰もいけにえになりたがらないから、あなた、いけにえになってくれ、と。
「冗談じゃない!」と言うべきところを、なんと「わたし」は、承知するのです。
というのも、「わたし」は既に、「死」を売ってしまって、死ぬことができないから。
実はそれ以前、「死」をお金に買えて、そのお金を賭博で無くしていたのです。
その後、「死」を取り戻そうとしましたが、返してもらえませんでした。(!)
さて、こうして、赤い化け物との戦いに挑みますが…
作者エイモス・チュツオーラは、とても苦学して、学問を身につけた人です。
「やし酒飲み」で国際的に有名になり、ナイジェリアの英雄となりました。
さいごに。(お酒)
私にとって、お酒は恐ろしいものです。職場の忘年会で、ビールをコップに
二杯飲んだら、翌日の夕方まで、コメカミがズキズキと痛くて苦しみました。
それで、新年会などでも、全くお酒を飲んでいません。
この時期、飲める人が、ちょっとうらやましく感じられます。
死んだ「やし酒造り」を探して、死者の国に旅する男とその妻の物語です。
アフリカ文学の傑作です。作者はナイジェリア人ですが、作品は英語です。
2012年10月に、岩波文庫から出たばかりですが、新訳ではありません。
土屋訳は、1970年に晶文社から出たものですが、分かりやすかったです。
10歳からやし酒を飲み始めた「わたし」は、一日中やし酒を飲んで暮らしていた。
ところがある日、やし酒造りが、やしの木から落ちて、死んでしまいました。
「わたし」は、死んだやし酒造りを探して、旅立ちますが…
「わたし」は、魔術者的な存在です。ジュジュというものを使って、変身します。
妻は、預言者的な存在です。彼女の言うことは、様々な形をとって、実現します。
この二人の行く先々に現れるのは、様々な怪物たちです。
死神、頭ガイ骨、親指から生れた赤ん坊、精霊、赤い化け物、赤ん坊の死者・・・
読むだけで、酔っ払ってしまいそうです。
この荒唐無稽な物語は、ヨルバ人の伝承に基づいているのだそうです。
そして、この素朴で神話的な世界観が、高く評価されています。
しかし私の印象は、ただのヘンな話。でも、それでいいじゃありませんか。
文学的価値を探したりしないで、割り切って、アフリカ的な世界を味わいましょう。
例えば、赤い町における冒険は、実に面白かったです。
その町に入ると、赤い住人と赤い王様が、なぜかとても喜んで迎えてくれました。
赤い王様は言います。三日後に、赤い化け物が来て、人身御供を要求する。
誰もいけにえになりたがらないから、あなた、いけにえになってくれ、と。
「冗談じゃない!」と言うべきところを、なんと「わたし」は、承知するのです。
というのも、「わたし」は既に、「死」を売ってしまって、死ぬことができないから。
実はそれ以前、「死」をお金に買えて、そのお金を賭博で無くしていたのです。
その後、「死」を取り戻そうとしましたが、返してもらえませんでした。(!)
さて、こうして、赤い化け物との戦いに挑みますが…
作者エイモス・チュツオーラは、とても苦学して、学問を身につけた人です。
「やし酒飲み」で国際的に有名になり、ナイジェリアの英雄となりました。
さいごに。(お酒)
私にとって、お酒は恐ろしいものです。職場の忘年会で、ビールをコップに
二杯飲んだら、翌日の夕方まで、コメカミがズキズキと痛くて苦しみました。
それで、新年会などでも、全くお酒を飲んでいません。
この時期、飲める人が、ちょっとうらやましく感じられます。
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