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ベラミ [19世紀フランス文学]

 「ベラミ」 モーパッサン作 中村佳子訳 (角川文庫)

 女を踏み台にして、出世の階段を駆け上がる、若き新聞記者の物語です。
 名作「女の一生」に続く、モーパッサンの第二長編小説です。

 映画「ベラミ」が上映されたのをきっかけに、角川文庫から新訳が出ました。
 とても分かりやすい訳でした。
 岩波文庫からも上下二分冊で出ていますが、やや古さを感じてしまいます。


ベラミ (角川文庫)

ベラミ (角川文庫)

  • 作者: モーパッサン
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/02/23
  • メディア: 文庫



ベラミ〈上〉 (岩波文庫)

ベラミ〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: モーパッサン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1977/02/16
  • メディア: 文庫



 主人公は青年新聞記者、ジョルジュ・デュロワ。
 しかし、女たちは彼を、ベラミ(美しき男友達)と呼びます。

 美しい色の口ひげ、すらりとした長身、いかにも女たらしの風貌。
 その美しさを武器に、デュロワは社交界に乗り出しました。

 女たちを誘惑し、次々に乗り換え、自分の駒として利用します。
 高官の夫人、親友の夫人、社長夫人、そして最後に手に入れたのは…

 それにしても、パリの数年間で、人間こんなに変われるものでしょうか。
 抜け目無く狡猾に振舞ううちに、ふと気付くとすっかり悪党になっていた。

 きっとこのままじゃすまないぞ、と思いながら、私は読み続けました。
 ところが! この結末は、いかなるどんでん返しよりも意外でした。

 最初から最後まで、本当に面白い小説でした。
 私は、「女の一生」よりも、断然「ベラミ」を推します。

 「女の一生」は、一生懸命にまじめに書いた、という感じですが、
 「ベラミ」は、気軽に楽しみながら書いた、という感じです。

 2010年に作った「19世紀フランス文学ベスト20」を書き直さなければ。
 19世紀仏文学ベスト→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23

 さいごに。(姿勢がいいと、)

 娘が、小学校で、「姿勢がいいね」と、何度かほめられたのだそうです。
 バレエの練習の成果が出たのかもしれません。

 娘はとても喜んで、大きくなったらモデルさんになりたいと言っています。
 今までどおり、ケーキ屋さんを目指してほしいのですが。

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