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病は気から [17世紀文学]

 「病は気から」 モリエール作 鈴木力衛訳 (岩波文庫)


 自分を病気だと思い込んで、薬漬けになっている男を描いた笑劇です。
 モリエールの最後の作品で、現在でも上演され続けています。

 岩波文庫版の初版は1970年。2008年に改版されました。
 訳は分かりやすくて、活字は読みやすかったです。


病は気から (岩波文庫 赤 512-9)

病は気から (岩波文庫 赤 512-9)

  • 作者: モリエール
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1970/04
  • メディア: 文庫



 主人公は、裕福な市民の男アルガン。
 自分を病気だと思い込み、医者の言うがままに大量の薬を服用しています。
 自分のことしか考えず、ひとり娘を医者の息子と結婚させようとします。

 その医者の息子というのは、間抜けな男で…
 娘のアンジェリックは、すでにほかの青年と…

 アルガンの若き後妻は、あることを企んでいて…
 女中トワネットは、アンジェリックを救うために一計を案じて…

 モリエールらしい、とても楽しい喜劇です。
 モリエールの最後を飾るに、ふさわしい作品だと思います。

 当時の公演では、モリエール自身が、アルガンを演じました。
 そして、4回目の公演後に倒れ、そのまま自宅で息を引き取ったといいます。

 実に皮肉です。
 病気だと思い込んでいる男を演じた本人が、実際は本当に病気だったのです。
 そういう運命の皮肉まで含めて、とても興味深い作品です。

 他のモリエール作品
 「人間ぎらい」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19
 「タルチュフ」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26
 「町人貴族」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-08
 「ドン・ジュアン」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-12

 さいごに。(パソコン初期化)

 パソコンがとても重たくなったので、思い切って初期化しました。
 7年前の代物ですが、今はわりと快適に動きます。
 ただし、色々なソフトのバージョンアップに、丸一日かかりました。

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