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タッソオ [18世紀文学]

 「タッソオ」 ゲーテ作 実吉捷郎(さねよしはやお)訳 (岩波文庫)


 16世紀のイタリア最大の詩人タッソオの、破滅までを描いた戯曲です。
 ゲーテの数多い戯曲のうち、最も重要な作品の一つです。

 岩波文庫から1950年に第1刷が出て、2009年にまだ第5刷です。
 旧字体で読みにくいですが、買うなら今のうちです。


タッソオ (岩波文庫)

タッソオ (岩波文庫)

  • 作者: ゲエテ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1992/02
  • メディア: 文庫



 タッソオが、アルフォンス公に詩を捧げ、公の妹から花冠を授けられました。
 公女に恋心を持ったタッソオは、いっときの幸福を味わいます。

 しかし、大臣のアントニオは、それを良く思いません。
 アントニオの挑発によって、タッソオはとうとう広間で剣を抜き…

 いくらゲーテ作だといっても、この戯曲を知っている人は少ないでしょう。
 ちなみに私が「タッソオ」を知ったのは、「ドイツ文学案内」によってです。
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-02-01

 筆者の手塚氏は、最初、ゲーテがあまり好きでなかったといいます。
 しかし「タッソオ」によって彼の苦悩を知り、ゲーテを身近に感じたといいます。

 「タッソオ」には、ゲーテ自身の苦悩が、投影されているといいます。
 政治家としての挫折感、詩人としての孤独、シュタイン夫人との恋などなど。

 「ウェルテル」は青年期の苦悩で、「タッソオ」は壮年期の苦悩だといいます。
 そういう意味で、この作品は実に興味深いです。

 ただし、正直に言うと、タッソオは少し子供じみているように思いました。
 思い込みが激しくて、ふところの狭い男です。
 最後は、「どうして?」と言いたくなるような結末です。

 さて、16世紀に実在したタッソは、当時イタリア最大の詩人でした。
 そして、実際のタッソも、最後は精神に異常をきたし、幽閉されてしまいます。

 タッソの代表作は、「エルサレム解放」。
 ずっと読めなかったこの作品が、現在、岩波文庫から出ているそうです。
 抄訳で、完全版ではありませんが、読みやすいと評判です。(読まなければ)


タッソ エルサレム解放 (岩波文庫)

タッソ エルサレム解放 (岩波文庫)

  • 作者: トルクァート・タッソ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/04/17
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ベルベット・イースター)

 ユーミンの1stアルバムには、「ベルベット・イースター」も収録されています。
 これまた、かわいい曲です。



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