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光あるうち光の中を歩め [19世紀ロシア文学]

 「光あるうち光の中を歩め」 トルストイ作 原久一郎訳 (新潮文庫)


 豪商ユリウスと、その親友でキリスト教徒パンフィリウスの物語です。
 トルストイの晩年の思想が端的に示されている作品です。

 新潮文庫から出ています。初版は1952年。しかし、分かりやすい訳でした。
 訳者の原久一郎氏は、「カラマーゾフ」等を訳している原卓也氏のお父様。


光あるうち光の中を歩め (新潮文庫)

光あるうち光の中を歩め (新潮文庫)

  • 作者: トルストイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 文庫



 舞台は古代のローマ。トラヤヌス帝の御代のこと。主人公は、二人の友です。
 二人は青年期に、同じ哲学者のもとで学び、その後別々の道を歩みます。

 ユリウスは豪商の息子。贅沢三昧をして暮らし、酒と女におぼれました。
 生き方を反省したユリウスは、親友のもとへ赴こうとしますが・・・

 一方、パンフィリウスは、キリスト教徒として、集団生活を送っていました。
 しかし当時は、キリスト教徒を信仰すれば、処刑されるならわしでした・・・

 この2人、ユリウスとパンフィリウスとの問答が、大きな部分を占めます。
 そして、この問答の中に、トルストイの考え方がよく表れています。

 私には、パンフィリウスの語るキリスト教的生活は、ピンときませんでした。
 あまりにも理想的すぎるように感じました。

 むしろ、ユリウスによるキリスト教批判の方に、説得力を感じてしまった。
 私自身が、俗世間にどっぷりつかっているせいでしょうか。

 さて、この本を手に取った理由は、「クオ・ワディス」に対する興味からです。
 シェンキェーヴィチの「クオ・ワディス」は、ネロの時代。
 トラヤヌス帝の50年ほど前です。


クオ・ワディス〈上〉 (岩波文庫)

クオ・ワディス〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: シェンキェーヴィチ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/03/16
  • メディア: 文庫



 同時に、「ローマ皇帝伝」も読んでみたいです。


ローマ皇帝伝 上 (岩波文庫 青 440-1)

ローマ皇帝伝 上 (岩波文庫 青 440-1)

  • 作者: スエトニウス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1986/08/18
  • メディア: 文庫



 さいごに。(7歳の誕生祝い)

 娘の7歳の誕生祝いを、少し前倒しして、昨日行いました。
 ケーキは、ユーハイムの赤頭巾ちゃんシリーズ。
 食べるのが、もったいないようなケーキでした。

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