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キャッチャー・イン・ザ・ライ [20世紀アメリカ文学]

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 サリンジャー作 村上春樹訳 (白水社)


放校された16歳のホールデンが、家に帰るまでの3日間を描いた青春小説です。
若者のバイブルとして、全世界で読まれている作品です。

文庫本ではありません。白水社から新書で、野崎孝訳と村上春樹訳が出ています。
分かりやすいのは村上訳の方。しかし、野崎訳の雰囲気を好む人も多いです。


キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

  • 作者: J.D. サリンジャー
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 新書



ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

  • 作者: J.D.サリンジャー
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 1984/05/20
  • メディア: 新書



全寮制高校に通うホールデンは、クリスマス前に退学処分を食らいました。
思わず寮を飛び出したホールデンは、故郷ニューヨークに向かいます。

仲間との殴り合い、恋人とのけんか、タバコ、酒、セックス・・・
土曜から月曜までの3日間に体験したことを、ホールデン自身が語ります。

この小説の魅力は、なんといっても、主人公ホールデンの語り口です。
若者言葉を多用し、時に暴言を吐き、あらゆるものをこき下ろしています。

でも、それはホールデンが、誰よりも正直だからなのかもしれません。
正直だからこそ、世の中の偽善に我慢できないのでしょう。

そんなホールデンも、死んだ弟アリーのことは、大事に思っていました。
そして、10歳の妹フィービーのことを、心から可愛がっています。

特に、終盤のフィービーとやりとりには、じーんときます。
最後は、ちょっと泣けてしまいます。

さて、私がこの作品を最初に読んだのは、大学4年のときです。
当時夢中になって読んでいた「ノルウェイの森」の影響です。

「緑」が、「あなたって、ライ麦畑の男の子みたいなしゃべりかたをするのね」と、
「僕」に言う場面があって、どんなしゃべり方なのか気になって読んだのです。

当時は野崎訳だけしかなくて、野崎訳で読みましたが、ぴんときませんでした。
しかし今回、村上春樹訳を読んで、とてもしっくりきました。
そうか、「緑」が言ったのは、こういうしゃべりかただったんだ、と納得しました。

野崎訳のホールデンは、攻撃的な感じで、とっつきにくいです。
村上訳のホールデンは、友達に話しているような感じで、親しみやすいです。

どちらも評価が高い翻訳で、だからこそ同じ白水社から二種の訳が出ています。
どちらを選ぶかは、相性と好みの問題です。私は両方とも、本棚に並べています。

さいごに。(参観会)

娘の小学校の参観会に行きました。一生懸命に授業を受けていていました。
授業の最後には発表することができて、とても喜んでいました。(私も)

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