キャッチャー・イン・ザ・ライ [20世紀アメリカ文学]
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 サリンジャー作 村上春樹訳 (白水社)
放校された16歳のホールデンが、家に帰るまでの3日間を描いた青春小説です。
若者のバイブルとして、全世界で読まれている作品です。
文庫本ではありません。白水社から新書で、野崎孝訳と村上春樹訳が出ています。
分かりやすいのは村上訳の方。しかし、野崎訳の雰囲気を好む人も多いです。
全寮制高校に通うホールデンは、クリスマス前に退学処分を食らいました。
思わず寮を飛び出したホールデンは、故郷ニューヨークに向かいます。
仲間との殴り合い、恋人とのけんか、タバコ、酒、セックス・・・
土曜から月曜までの3日間に体験したことを、ホールデン自身が語ります。
この小説の魅力は、なんといっても、主人公ホールデンの語り口です。
若者言葉を多用し、時に暴言を吐き、あらゆるものをこき下ろしています。
でも、それはホールデンが、誰よりも正直だからなのかもしれません。
正直だからこそ、世の中の偽善に我慢できないのでしょう。
そんなホールデンも、死んだ弟アリーのことは、大事に思っていました。
そして、10歳の妹フィービーのことを、心から可愛がっています。
特に、終盤のフィービーとやりとりには、じーんときます。
最後は、ちょっと泣けてしまいます。
さて、私がこの作品を最初に読んだのは、大学4年のときです。
当時夢中になって読んでいた「ノルウェイの森」の影響です。
「緑」が、「あなたって、ライ麦畑の男の子みたいなしゃべりかたをするのね」と、
「僕」に言う場面があって、どんなしゃべり方なのか気になって読んだのです。
当時は野崎訳だけしかなくて、野崎訳で読みましたが、ぴんときませんでした。
しかし今回、村上春樹訳を読んで、とてもしっくりきました。
そうか、「緑」が言ったのは、こういうしゃべりかただったんだ、と納得しました。
野崎訳のホールデンは、攻撃的な感じで、とっつきにくいです。
村上訳のホールデンは、友達に話しているような感じで、親しみやすいです。
どちらも評価が高い翻訳で、だからこそ同じ白水社から二種の訳が出ています。
どちらを選ぶかは、相性と好みの問題です。私は両方とも、本棚に並べています。
さいごに。(参観会)
娘の小学校の参観会に行きました。一生懸命に授業を受けていていました。
授業の最後には発表することができて、とても喜んでいました。(私も)
放校された16歳のホールデンが、家に帰るまでの3日間を描いた青春小説です。
若者のバイブルとして、全世界で読まれている作品です。
文庫本ではありません。白水社から新書で、野崎孝訳と村上春樹訳が出ています。
分かりやすいのは村上訳の方。しかし、野崎訳の雰囲気を好む人も多いです。
キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
- 作者: J.D. サリンジャー
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/04
- メディア: 新書
全寮制高校に通うホールデンは、クリスマス前に退学処分を食らいました。
思わず寮を飛び出したホールデンは、故郷ニューヨークに向かいます。
仲間との殴り合い、恋人とのけんか、タバコ、酒、セックス・・・
土曜から月曜までの3日間に体験したことを、ホールデン自身が語ります。
この小説の魅力は、なんといっても、主人公ホールデンの語り口です。
若者言葉を多用し、時に暴言を吐き、あらゆるものをこき下ろしています。
でも、それはホールデンが、誰よりも正直だからなのかもしれません。
正直だからこそ、世の中の偽善に我慢できないのでしょう。
そんなホールデンも、死んだ弟アリーのことは、大事に思っていました。
そして、10歳の妹フィービーのことを、心から可愛がっています。
特に、終盤のフィービーとやりとりには、じーんときます。
最後は、ちょっと泣けてしまいます。
さて、私がこの作品を最初に読んだのは、大学4年のときです。
当時夢中になって読んでいた「ノルウェイの森」の影響です。
「緑」が、「あなたって、ライ麦畑の男の子みたいなしゃべりかたをするのね」と、
「僕」に言う場面があって、どんなしゃべり方なのか気になって読んだのです。
当時は野崎訳だけしかなくて、野崎訳で読みましたが、ぴんときませんでした。
しかし今回、村上春樹訳を読んで、とてもしっくりきました。
そうか、「緑」が言ったのは、こういうしゃべりかただったんだ、と納得しました。
野崎訳のホールデンは、攻撃的な感じで、とっつきにくいです。
村上訳のホールデンは、友達に話しているような感じで、親しみやすいです。
どちらも評価が高い翻訳で、だからこそ同じ白水社から二種の訳が出ています。
どちらを選ぶかは、相性と好みの問題です。私は両方とも、本棚に並べています。
さいごに。(参観会)
娘の小学校の参観会に行きました。一生懸命に授業を受けていていました。
授業の最後には発表することができて、とても喜んでいました。(私も)
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