サンクチュアリ [20世紀アメリカ文学]
「サンクチュアリ」 フォークナー作 加島祥造訳 (新潮文庫)
無実の罪で逮捕された男の悲劇と、彼の弁護人の絶望的な努力を描いた作品です。
作者自身が、「想像しうる限りの最も恐ろしい物語」を書いたと言いました。
新潮文庫から出ていますが、初版が1972年で、訳が少し古いです。
しかし、それほど読みにくくはありませんでした。
弁護士ベンボウは、ある午後偶然、酒の密造人グッドウィンの屋敷に立ち寄りました。
そこには、ヤクザ者のポパイなど、怪しい男たちがいましたが、彼は無事帰されます。
数日後、大学生のカップルが車を横転させて、グッドウィンの屋敷にやってきました。
そして、そこで事件は起きるのです。
犯人として逮捕されたのは、グッドウィンでした。
弁護を買ってでたのはベンボウ。グッドウィンの無実を直感していましたが・・・
作者自身の言葉が一人歩きをして、残虐な物語というイメージが定着しています。
実は私も、そういうイメージを持っていたため、なかなか読む気になりませんでした。
ところが、実際に読んでみると、「正義の物語」という印象が強かったです。
絶望的な状況下で最善を尽くそうとする、弁護士ベンボウの「正義の物語」です。
「男というのはね、ときにはそれが正しいと知ったら、ただそれだけのために
何かをしようとするものなんだ、」(P362)
妻から逃げてきたような、ダメダメな男なのですが、やるときはやる。
監獄で三人で過ごす場面は、ほんとうにすばらしい。心を打たれます。
ベンボウの言葉の端から、彼自身は正義を信じていなかったような気がします。
正義を信じていなかったからこそ、あれだけ必死に戦おうとしたのではないか。
そして、結末は・・・やりきれません。
「それはないだろう!」と言いたい。
思うに、フォークナー自身も、正義を信じていなかったのではないか。
正義を信じていなかったからこそ、あのような結末に?
さいごに。(楽寿園)
家族3人で、三島の楽寿園に行き、紅葉を見ました。
とてもきれいでした。しかも、たまたま入園料タダの日でした。ラッキー。
無実の罪で逮捕された男の悲劇と、彼の弁護人の絶望的な努力を描いた作品です。
作者自身が、「想像しうる限りの最も恐ろしい物語」を書いたと言いました。
新潮文庫から出ていますが、初版が1972年で、訳が少し古いです。
しかし、それほど読みにくくはありませんでした。
弁護士ベンボウは、ある午後偶然、酒の密造人グッドウィンの屋敷に立ち寄りました。
そこには、ヤクザ者のポパイなど、怪しい男たちがいましたが、彼は無事帰されます。
数日後、大学生のカップルが車を横転させて、グッドウィンの屋敷にやってきました。
そして、そこで事件は起きるのです。
犯人として逮捕されたのは、グッドウィンでした。
弁護を買ってでたのはベンボウ。グッドウィンの無実を直感していましたが・・・
作者自身の言葉が一人歩きをして、残虐な物語というイメージが定着しています。
実は私も、そういうイメージを持っていたため、なかなか読む気になりませんでした。
ところが、実際に読んでみると、「正義の物語」という印象が強かったです。
絶望的な状況下で最善を尽くそうとする、弁護士ベンボウの「正義の物語」です。
「男というのはね、ときにはそれが正しいと知ったら、ただそれだけのために
何かをしようとするものなんだ、」(P362)
妻から逃げてきたような、ダメダメな男なのですが、やるときはやる。
監獄で三人で過ごす場面は、ほんとうにすばらしい。心を打たれます。
ベンボウの言葉の端から、彼自身は正義を信じていなかったような気がします。
正義を信じていなかったからこそ、あれだけ必死に戦おうとしたのではないか。
そして、結末は・・・やりきれません。
「それはないだろう!」と言いたい。
思うに、フォークナー自身も、正義を信じていなかったのではないか。
正義を信じていなかったからこそ、あのような結末に?
さいごに。(楽寿園)
家族3人で、三島の楽寿園に行き、紅葉を見ました。
とてもきれいでした。しかも、たまたま入園料タダの日でした。ラッキー。
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