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ハツカネズミと人間 [20世紀アメリカ文学]

 「ハツカネズミと人間」 スタインベック作 大浦暁生訳 (新潮文庫)


 二人の渡り労働者ジョージとレニーの、ささやかな夢とその挫折の物語です。
 代表作「怒りの葡萄」の2年前に出された中編小説です。

 新潮文庫から出ています。訳は、1977年のものを1994年に改めたものです。
 旧版の大門訳に比べて、文章は分かりやすくて、活字は読みやすいです。


ハツカネズミと人間 (新潮文庫)

ハツカネズミと人間 (新潮文庫)

  • 作者: ジョン スタインベック
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/08/10
  • メディア: 文庫



 農場目指して歩いていく二人の男がいました。ジョージとレニーです。
 ジョージは、小柄で賢い男。レニーは、大きな赤ん坊のような男です。

 レニーはポケットにハツカネズミを隠していて、死なせてしまいました。
 しかし、レニーに悪気はありません。

 レニーは、少し頭が弱いのです。だから力の加減ができません。
 大好きなハツカネズミをかわいがっていたら、死んでしまいました。

 二人は、いつか自分たちだけの土地を手に入れることを、夢見ています。
 そして、その夢が本当に実現しそうに思えたときに・・・

 実に悲しい物語です。最後は、レニーが、かわいそうでかわいそうで。
 でも、それ以上に、ジョージは悲しかったに違いありません。

 「この連中はやって来て働いちゃ、やめて次へ移って行く。その一人一人が、
 みんな頭の中に小さな土地を持っている。でもだれ一人、その土地をほんとう
 に手に入れた者はいねえ。まるで天国みてえなもんだ。」(P103)

 「わかってたはずなんだ」 ジョージの絶望的な一言が、胸に刺さります。
 ジョージがつらい決断をしのは、レニーのことを本当に思っていたからです。

 さて、スタインベックと言ったら、「怒りの葡萄」でしょう。
 この新訳が、ハヤカワepi文庫で出ました。epi文庫さんに感謝です。


怒りの葡萄〔新訳版〕(上) (ハヤカワepi文庫)

怒りの葡萄〔新訳版〕(上) (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: ジョン スタインベック
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: 新書



怒りの葡萄〔新訳版〕(下) (ハヤカワepi文庫)

怒りの葡萄〔新訳版〕(下) (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: ジョン スタインベック
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: 新書



 さいごに。(仕事始め)

 楽しいお正月休みが終わりました。今日から仕事です。
 学校も明日から始まるため、娘は少し機嫌が悪いです。


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