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曽根崎心中 [日本の古典文学]

 「曾根崎心中」 近松門左衛門作 諏訪春雄訳注 (角川ソフィア文庫)


 友人に仕組まれて窮地に立った男と、男に最後まで尽くす遊女の悲劇です。
 人形浄瑠璃の作者近松門左衛門の、最初の世話物として有名です。

 角川ソフィア文庫で読みました。河出文庫、岩波文庫からも出ています。


曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 近松 門左衛門
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫


 
 醤油屋で真面目に働く徳兵衛には、将来を契った遊女のお初がいました。
 しかし、結婚のことで主人から疎まれ、友人からは裏切りにあって・・・

 特に心中の「道行」の文は名文として知られています。
 私はこの文を 、「声に出して読みたい日本語」か何かで覚えました。

 「此の世のなごり。夜もなごり。死にに行く身をたとふれば、
 あだしが原の道の霜。一足ずつに消えて行く。夢の夢こそ哀れなれ。」

 この作によって心中は美学にまで高まり、心中物がブームになりました。
 徳兵衛とお初は恋の手本となり、二人を真似る者たちも出ました。

 この物語は、実際に起きた心中事件を題材に描いています。
 「徳兵衛」と「お初」も、実在の人物だったのです。

 二人の心中事件の舞台となったのは、大阪市北区の「露天神社」です。
 通称「お初天神」ともいって、「お初と徳兵衛ブロンズ像」があります。

 ところで、私はこの作品を、角川ソフィア文庫で読みました。
 「曾根崎心中」「冥土の飛脚」「心中天の網島」と、名作三つが読めます。

 表紙に「現代語訳付き」とありますが、「原文付き」と改 めたほうがいい。
 最初に現代語訳があり、巻末に原文が付属されている、という形態なので。

 こういう形態がベストだと思います。原文から始まったら読み通せません。
 現代語訳を読んで、気に入った箇所だけ原文を参照するのがいいでしょう。


曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 近松 門左衛門
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫



 河出文庫版は、全六編収録ですが、現代語訳だけです。
 訳は分かりやすいのですが、原文が付いていないのは寂しい気がします。


現代語訳 曾根崎心中 (河出文庫)

現代語訳 曾根崎心中 (河出文庫)

  • 作者: 近松 門左衛門
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/01/05
  • メディア: 文庫



 岩波文庫版は、全七編収録ですが、原文と注釈だけです。
 古文が得意な人はいいでしょう。私は、現代語訳がないものは敬遠します。


曾根崎心中・冥途の飛脚 他五篇 (岩波文庫)

曾根崎心中・冥途の飛脚 他五篇 (岩波文庫)

  • 作者: 近松 門左衛門
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/01
  • メディア: 文庫



 角川文庫のビギナーズクラシックシリーズからも出ています。
 ビギナー向けなので、クライマックスだけがセレクトされています。





 さて、今年のテーマは18世紀。近松は17世紀から18世紀の人です。
 特に「曾根崎心中」など世話物は、18世紀の初頭に出ています。

 当時は太平の世。上方では町人が力を持ち、独自の文化を求めました。
 そして、上方を中心とする、元禄文化を生み出したのです。

 また、江戸幕府の文治政策によって、教育水準がじわじわと上がりました。
 印刷術の進歩によって、様々なジャンルの文学が興隆しました。

 元禄時代の文学を代表するのが、井原西鶴、近松門左衛門、松尾芭蕉です。
 この時代の日本は、世界的に見ても、恥ずかしくない時代だったと思います。

 さいごに。(どうせ当たるのなら)

 正月早々追突されて、車が1週間ぶりに、直って帰ってきました。
 年末の当て逃げと年初の追突と、2度の大きな当たりを取りました。

 宝くじを買っておけば良かったです。
 当たるのなら、宝くじで当たりたかった!


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