聖アントワヌの誘惑 [19世紀フランス文学]
「聖アントワヌの誘惑」 フローベール作 渡辺一夫訳 (岩波文庫)
3世紀の聖人アントワヌが、悪魔からの誘惑を退ける姿を描く戯曲的な作品です。
着想から30年近くかけて完成させた、フロベールの「生涯の作品」です。
2月に岩波文庫から復刊されました。入手困難な本なので、買うなら今です。
初版は1940年。1957年に改版が出ていますが読みにくい。新訳化を期待します。
テバイスの山の頂に、小屋を建てて断食の苦行をしていた聖アントワヌ。
ある夜、悪魔が彼を誘惑するために幻覚を見せました。
悪魔、死神、亡霊、異教の神々、おぞましい怪物たち・・・
壮絶な戦いののち、聖アントワヌが朝日の中に見出したものは・・・
岩波文庫の春の復刊で、「愉しき放浪児」とともにまっさきに買った本です。
まっさきに読んだものの、読みにくくて大部分を読み飛ばしてしまいました。
雰囲気はゲーテの「ファウスト第二部」に似ています。読みにくさも同じです。
次から次にいろんなものが、これでもかこれでもかと出てきては消えて行きます。
そのほとんどが我々には馴染みのない存在で、そこが読みにくい理由です。
巻末には非常に多くの固有名詞の注がありますが、見ただけで頭が痛くなりそう。
この作品は、ブリューゲルの「聖アントニウスの誘惑」を見て着想されました。
なるほど。ごちゃごちゃして不気味なところが、その絵とそっくりです。
解説では、最後の天啓もまた悪魔による幻覚ではないか、と述べられています。
実に面白い。そうだとしたら、結末の解釈がひっくりかえってしまいますね。
ところでこの本は、「完璧な美しさと厳格な様式を持つ傑作」と紹介されています。
しかし、この訳で完璧な美しさや厳格な様式を味わえというのは、少し苦しいです。
さいごに。(東京ツアー)
さきほど、東京から帰ってきました。初めて、スカイツリーに行きました。
つかれたー。しかし、楽しかった。スカイツリーからの夜景は最高でした。
3世紀の聖人アントワヌが、悪魔からの誘惑を退ける姿を描く戯曲的な作品です。
着想から30年近くかけて完成させた、フロベールの「生涯の作品」です。
2月に岩波文庫から復刊されました。入手困難な本なので、買うなら今です。
初版は1940年。1957年に改版が出ていますが読みにくい。新訳化を期待します。
テバイスの山の頂に、小屋を建てて断食の苦行をしていた聖アントワヌ。
ある夜、悪魔が彼を誘惑するために幻覚を見せました。
悪魔、死神、亡霊、異教の神々、おぞましい怪物たち・・・
壮絶な戦いののち、聖アントワヌが朝日の中に見出したものは・・・
岩波文庫の春の復刊で、「愉しき放浪児」とともにまっさきに買った本です。
まっさきに読んだものの、読みにくくて大部分を読み飛ばしてしまいました。
雰囲気はゲーテの「ファウスト第二部」に似ています。読みにくさも同じです。
次から次にいろんなものが、これでもかこれでもかと出てきては消えて行きます。
そのほとんどが我々には馴染みのない存在で、そこが読みにくい理由です。
巻末には非常に多くの固有名詞の注がありますが、見ただけで頭が痛くなりそう。
この作品は、ブリューゲルの「聖アントニウスの誘惑」を見て着想されました。
なるほど。ごちゃごちゃして不気味なところが、その絵とそっくりです。
解説では、最後の天啓もまた悪魔による幻覚ではないか、と述べられています。
実に面白い。そうだとしたら、結末の解釈がひっくりかえってしまいますね。
ところでこの本は、「完璧な美しさと厳格な様式を持つ傑作」と紹介されています。
しかし、この訳で完璧な美しさや厳格な様式を味わえというのは、少し苦しいです。
さいごに。(東京ツアー)
さきほど、東京から帰ってきました。初めて、スカイツリーに行きました。
つかれたー。しかし、楽しかった。スカイツリーからの夜景は最高でした。
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