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想像ラジオ [日本の現代文学]

 「想像ラジオ」 いとうせいこう (河出文庫)


 人々の想像力の中だけでオンエアされるラジオ番組「想像ラジオ」をめぐる物語です。
 2013年に出て、芥川賞候補作となりました。作者の代表作です。

 昨年2015年3月に、河出文庫から出ました。

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

  • 作者: いとう せいこう
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/02/06
  • メディア: 文庫



 「この番組は昼夜を問わずあなたの想像力の中でだけオンエアされる・・・」
 DJアークは38歳。高い杉の木のてっぺんに、引っかかっていました。

 しだいにDJアークは、自分に何が起こったのか、知るようになり・・・
 想像ラジオのリスナーは、みな〇〇たちで・・・

 非常にユニークな設定です。作者の想像力に、脱帽しました。
 1・3・5章のDJもいいのですが、私は個人的に第4章が泣けました。

 「僕」と会話している「君」は、実は・・・
 「僕」は書くことによって、〇〇とつながっている・・・

 「死者と共にこの国を作り直して行くしかないのに、まるで何もなかったように
 事態にフタをしていく僕らはなんなんだ。この国はどうなっちゃったんだ」

 「亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで、
 同時に少しずつ前に歩くんじゃないのか。死者と共に」 

 第4章のこれらの言葉に、作者の思いが込められているように感じました。
 震災での犠牲者との関わり方を、いま一度考え直さなければ。

 さて、私がいとうせいこうを知ったのは、実は「見仏記」によってです。
 私も仏像ファンなので、この本はとても楽しく読みました。


見仏記 (角川文庫)

見仏記 (角川文庫)

  • 作者: いとう せいこう
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 文庫



 さいごに。(2人とも凶)

 土曜日に初詣でに行きました。
 おみくじを引いたら、妻は吉。しかし、私も娘も凶でした。

 娘は、いつのまにかディズニーシ―で買った人形を無くしていました。
 「失物、遠くから出る」と書いてありましたが、どうでしょうか。

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