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礼儀作法入門 [読書・ライフスタイル]

 「礼儀作法入門」 山口瞳 (新潮文庫)


 人生の達人である著者が、自身の経験をもとに礼儀作法を伝授してくれます。
 1974年に書かれたものです。好評だったため、続きの応用編も出ています。


礼儀作法入門 (新潮文庫)

礼儀作法入門 (新潮文庫)

  • 作者: 山口 瞳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/03/29
  • メディア: 文庫



続・礼儀作法入門 (新潮文庫)

続・礼儀作法入門 (新潮文庫)

  • 作者: 山口 瞳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/01
  • メディア: 文庫



 最初に著者は、これは礼儀作法の教科書ではなく、副読本であると言います。
 「礼儀正しくしようとして悪戦苦闘する男の苦心談と失敗談」だそうです。

 日常生活や冠婚葬祭など、全24項目で「山口ワールド」が展開されています。
 著者自身の実体験から導き出された提言なので、納得できるものが多いです。

 「品行は悪くてもいい。礼儀作法は知らなくてもいい。しかし、品性は良くし
 なくてはいけない。」(P38)(なるほど!)

 酒の飲み方、箸の上げ下げ、祝辞の仕方、タバコの吸い方、見舞いの仕方、
 スーツの選び方、ネクタイの買い方、帽子の被り方、鞄の持ち方・・・

 と、具体的なことも色々書かれていますが、いずれも一家言があって面白い。
 例えばネクタイについては、次のように書かれています。(P190)

 「ネクタイというものは、女心と同じであって、変幻自在であって、とらえどこ
 ろがない。始末がわるい。そこが多分おもしろいのだろうけれど。
  だから、ネクタイは、値段の高低、色の良し悪し、幅がどうのこうの、柄がど
 うのこうのということは、いっさい関係ない。衝動買いでゆくよりほかはない。」

 衝動買いが良いか悪いかは別として、一理あると思います。
 「いい!」と直感したネクタイを買わないでおくと、後悔することが多いです。

 さて、続編に入っても山口節は健在。というより、ますます磨きがかかります。
 どのページも痛快で、読んでいて楽しいです。

 名刺の使い方、握手のしかた、接待の心得、観客のエチケット、ホテルと旅館、
 嫁選び、性生活、育児法、子の名前、読書、お洒落、通ぶる人、粋について・・・

 なお、山口瞳の魅力満載のエッセイに、「男性自身」シリーズがあります。
 「週刊新潮」に31年間休まず続けたコラムで、ある意味、彼の代表作です。


山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇 (新潮文庫)

山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇 (新潮文庫)

  • 作者: 山口 瞳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/05/28
  • メディア: 文庫



 ところで山口瞳は、開高健の推薦でサントリーの宣伝部に入ったことは有名です。
 だから、私の中でこの二人は1セットです。

 開高健の「知的な痴的な教養講座」も、非常に魅力のあるエッセイです。
 「痴的」というところがポイントで、若い頃に読んで衝撃を受けました。


知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)

知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)

  • 作者: 開高 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1992/05
  • メディア: 文庫



 さいごに。(お菓子のことで怒られた)

 私が腹ペコで帰って来ると、食卓に洋菓子があったので、食べようとしました。
 しかしそれは、娘が仲良しの友達からもらった、大事なお菓子だったのです。

 「ダメ! パパはお菓子を見ると、全部自分のものだと思っちゃうから困る!」
 確かに私にはそういう所がある。でも、お菓子1つでそんなに怒らなくても・・・

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