愛人(ラマン) [20世紀フランス文学]
「愛人 ラマン」 マルグリット・デュラス作 清水徹訳 (河出文庫)
仏領インドシナにおける、貧しい白人の少女と華僑の青年との愛の物語です。
1984年に出た自伝的小説で、映画が1992年に公開されて話題になりました。
河出文庫から出ています。口絵写真が付いていて参考になります。
話があっちこっちに飛ぶので、少し読みにくかったです。
少女は、仏領インドシナで、母と二人の兄と一緒に暮らしていました。
15歳半のある日、メコン川の渡し場で、華僑の金持ちの青年と出会いました。
二人は付き合い始め、関係を持つようになり、少女は性に目覚めました。
青年は激しく愛しましたが、少女は彼を愛していたわけではありませんでした。
少女は言いました。「そうすべきだったの、義務のような感じだった」と。
少女が彼に付いていくのは、彼がお金持ちだったから・・・
1992年の映画「愛人」は、映像の美しさが、日本でも話題になりました。
そして我々男どもは皆、主演のあの少女の魅力にやられてしまったのです。
映画を見た後、私は小説を読みましたが、「ん?」という感じでした。
好き勝手にしゃべっているような文体が、当時はとても読みにくかったです。
現在から15歳へ、4歳へ、23歳へ、そしてまた15歳へ、また現在へ・・・
話があっちこっちに飛んで、ちっとも前に進みません。
リムジンはP28で登場するのに、 青年が車から降りるのはP52なのです。
ようやく二人が出会ったら、また話があっちこっちへ飛んでいきます。
何度もはぐらかされているうちに、テンションがすっかり下がりました。
このような理由で、まだ若かった私は、この本を投げ出してしまったのです。
今回「愛人」を買い直して、久しぶりに読み直してみました。
そして、いろんな発見がありました。
私はこの作品を、華僑の「愛人」となった少女の物語だと記憶していました。
金持ちの世界に拒まれ、家族が崩壊したフランス娘の悲しみを描いたのだと。
しかし今回は、白人娘の「愛人」となった青年の物語として読んでいました。
傷ついたのはフランス娘ではなく、なんと、年上の青年の方だったのです!
青年はひ弱で軟弱でした。彼の恋は絶望的で破滅的でした。
少女には分かってもらえず、父親には許してもらえず、泣いてばかりいます。
読んでいてこちらが恥ずかしくなるほど、青年のカッコ悪さは印象的でした。
「愛人」は、哀れな男の物語だと私は思います。
さて、仏領インドシナが舞台の他の作品に、「太平洋の防波堤」があります。
池澤夏樹の世界文学全集に入っていますが、以前河出文庫から出ていました。
なお、あっちこっちに話が飛ぶ展開から、「ダロウェイ夫人」を連想しました。
角川文庫版は少し読みにくかったです。古典新訳文庫版に期待しています。
さいごに。(カファレル)
ホワイトデイの日、ママさんにカファレルのチョコをあげました。
昨年から彼女は、カファレルのジャンドゥーヤの大ファンなのです。
娘には、ゴンチャロフの猫チョコをあげました。
二人とも、とても喜んでくれて良かったです。
仏領インドシナにおける、貧しい白人の少女と華僑の青年との愛の物語です。
1984年に出た自伝的小説で、映画が1992年に公開されて話題になりました。
河出文庫から出ています。口絵写真が付いていて参考になります。
話があっちこっちに飛ぶので、少し読みにくかったです。
少女は、仏領インドシナで、母と二人の兄と一緒に暮らしていました。
15歳半のある日、メコン川の渡し場で、華僑の金持ちの青年と出会いました。
二人は付き合い始め、関係を持つようになり、少女は性に目覚めました。
青年は激しく愛しましたが、少女は彼を愛していたわけではありませんでした。
少女は言いました。「そうすべきだったの、義務のような感じだった」と。
少女が彼に付いていくのは、彼がお金持ちだったから・・・
1992年の映画「愛人」は、映像の美しさが、日本でも話題になりました。
そして我々男どもは皆、主演のあの少女の魅力にやられてしまったのです。
映画を見た後、私は小説を読みましたが、「ん?」という感じでした。
好き勝手にしゃべっているような文体が、当時はとても読みにくかったです。
現在から15歳へ、4歳へ、23歳へ、そしてまた15歳へ、また現在へ・・・
話があっちこっちに飛んで、ちっとも前に進みません。
リムジンはP28で登場するのに、 青年が車から降りるのはP52なのです。
ようやく二人が出会ったら、また話があっちこっちへ飛んでいきます。
何度もはぐらかされているうちに、テンションがすっかり下がりました。
このような理由で、まだ若かった私は、この本を投げ出してしまったのです。
今回「愛人」を買い直して、久しぶりに読み直してみました。
そして、いろんな発見がありました。
私はこの作品を、華僑の「愛人」となった少女の物語だと記憶していました。
金持ちの世界に拒まれ、家族が崩壊したフランス娘の悲しみを描いたのだと。
しかし今回は、白人娘の「愛人」となった青年の物語として読んでいました。
傷ついたのはフランス娘ではなく、なんと、年上の青年の方だったのです!
青年はひ弱で軟弱でした。彼の恋は絶望的で破滅的でした。
少女には分かってもらえず、父親には許してもらえず、泣いてばかりいます。
読んでいてこちらが恥ずかしくなるほど、青年のカッコ悪さは印象的でした。
「愛人」は、哀れな男の物語だと私は思います。
さて、仏領インドシナが舞台の他の作品に、「太平洋の防波堤」があります。
池澤夏樹の世界文学全集に入っていますが、以前河出文庫から出ていました。
なお、あっちこっちに話が飛ぶ展開から、「ダロウェイ夫人」を連想しました。
角川文庫版は少し読みにくかったです。古典新訳文庫版に期待しています。
さいごに。(カファレル)
ホワイトデイの日、ママさんにカファレルのチョコをあげました。
昨年から彼女は、カファレルのジャンドゥーヤの大ファンなのです。
娘には、ゴンチャロフの猫チョコをあげました。
二人とも、とても喜んでくれて良かったです。
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