たんぽぽ娘 [20世紀アメリカ文学]
「たんぽぽ娘」 R・F・ヤング作 伊藤典夫編 (河出文庫)
タイムマシンものの傑作「たんぽぽ娘」など、全13編収録の短編集です。
日本では長い間絶版だったため、幻の名作として知られていました。
『たんぽぽ娘』はわずか20ページほどですが、とても印象に残る作品です。
「ビブリア古書堂の事件手帖」で紹介されて、改めて注目を集めました。
ある日44歳のマークは、丘の上でたんぽぽ色の髪の少女に出会いました。
「わたし、いまから二百四十年後のコーヴ・シティから来たんです」
「タイムマシンでこちらに来たわけか」と、マークは話を合わせました。
そして、この風変わりな少女と会うたびに、 どんどん惹かれていきました。
数日後、少女が去りました。やがて妻と二人の生活に戻りましたが・・・
妻の不安の原因は? たんぽぽ娘はどこへ?・・・そして、感動の結末!
『河を下る旅』もまた、短いながら印象的な作品です。
イカダで河を下っていたファレルは、ニコルズという女性と出会いました。
「おそらく現実には人間が知らない無数の相があるんだ。
いまぼくらがいるのも、そういう相のひとつだろうね・・・」(P33)
無数の相とはどういうことか? 彼らのいる河は何なのか?
読者はしだいに、驚くべき状況を理解していきます。
『荒寥の地より』は、ヤングの遺作となった作品です。
このような重たい作品を、最後に残したところに、作者の悲哀を感じます。
「人類の問題というのは、彼らがまったく見当違いの場所で奇跡をさがし求め
ているせいではないんでしょうかね。奇跡が目と鼻の先で起こっているのに、
それに気づこうともしないのです」(P127)という言葉はイミシンです。
以上、『たんぽぽ娘』『河を下る旅』『荒寥の地より』が、マイベスト3です。
以下、『主従問題』『スターファインダー』『ジャンヌの弓』の3作が次点です。
『主従問題』は、メビウス宇宙という異色な宇宙論を題材にしています。
「メビウス宇宙においては、地球とシリウス21は同時存在していることになる」?
タイトルの意味がなかなか分からないのですが、最後にようやく理解できます。
しかし、結末のどんでん返しは必要だろうか?
ほか、『スターファインダー』と『ジャンヌの弓』は、読みごたえがありました。
『スターファインダー』に出てくる「宇宙クジラ」は、面白いアイディアです。
さいごに。(熱心に読んでいたのは)
娘が、漢字の読み方をママに聞きながら、10分以上も新聞を読んでいました。
読んでいたのはテレビ番組欄。そういうページはいつまでも飽きないらしい。
タイムマシンものの傑作「たんぽぽ娘」など、全13編収録の短編集です。
日本では長い間絶版だったため、幻の名作として知られていました。
『たんぽぽ娘』はわずか20ページほどですが、とても印象に残る作品です。
「ビブリア古書堂の事件手帖」で紹介されて、改めて注目を集めました。
ある日44歳のマークは、丘の上でたんぽぽ色の髪の少女に出会いました。
「わたし、いまから二百四十年後のコーヴ・シティから来たんです」
「タイムマシンでこちらに来たわけか」と、マークは話を合わせました。
そして、この風変わりな少女と会うたびに、 どんどん惹かれていきました。
数日後、少女が去りました。やがて妻と二人の生活に戻りましたが・・・
妻の不安の原因は? たんぽぽ娘はどこへ?・・・そして、感動の結末!
『河を下る旅』もまた、短いながら印象的な作品です。
イカダで河を下っていたファレルは、ニコルズという女性と出会いました。
「おそらく現実には人間が知らない無数の相があるんだ。
いまぼくらがいるのも、そういう相のひとつだろうね・・・」(P33)
無数の相とはどういうことか? 彼らのいる河は何なのか?
読者はしだいに、驚くべき状況を理解していきます。
『荒寥の地より』は、ヤングの遺作となった作品です。
このような重たい作品を、最後に残したところに、作者の悲哀を感じます。
「人類の問題というのは、彼らがまったく見当違いの場所で奇跡をさがし求め
ているせいではないんでしょうかね。奇跡が目と鼻の先で起こっているのに、
それに気づこうともしないのです」(P127)という言葉はイミシンです。
以上、『たんぽぽ娘』『河を下る旅』『荒寥の地より』が、マイベスト3です。
以下、『主従問題』『スターファインダー』『ジャンヌの弓』の3作が次点です。
『主従問題』は、メビウス宇宙という異色な宇宙論を題材にしています。
「メビウス宇宙においては、地球とシリウス21は同時存在していることになる」?
タイトルの意味がなかなか分からないのですが、最後にようやく理解できます。
しかし、結末のどんでん返しは必要だろうか?
ほか、『スターファインダー』と『ジャンヌの弓』は、読みごたえがありました。
『スターファインダー』に出てくる「宇宙クジラ」は、面白いアイディアです。
さいごに。(熱心に読んでいたのは)
娘が、漢字の読み方をママに聞きながら、10分以上も新聞を読んでいました。
読んでいたのはテレビ番組欄。そういうページはいつまでも飽きないらしい。
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