アーサー王物語 [中世文学]
「アーサー王物語」 ノウルズ作 金原瑞人訳 (偕成社文庫)
イギリスのノウルズがまとめた、読みやすくて格好いいアーサー王物語です。
子供にも読めて、センチメンタルではない物語として、訳者に選ばれました。
なお、本書は確かに読みやすいのですが、子供向けにしては難しかったです。
また偕成社文庫は文庫版ではなく、単行本の扱いになっています。
アーサーの即位、エクスカリバーの獲得、ブリテンの統一、ガリアの征服、
グウィネビアとの結婚、ローマ帝国の征服、ラーンスロットとの戦いと最期。
様々なアーサー王伝説が、一つのストーリーとなるように編集されています。
アーサーを中心にし た物語については、とてもバランスが取れています。
もちろん、円卓の騎士たちの冒険も、主だったものは収録されています。
バリンとバランの悲劇、ラーンスロットの冒険、ボーメンの冒険、聖杯探求。
ところが、トリスタンやガウェインの物語が入っていません!
アーサー王物語の本筋に関係ないエピソードは、外されているらしいのです。
もやもやしながら、ネットでレビューを見てみたら、同じ感想がちらほら。
トリスタンとイズーや、ガウェインの結婚は、収録してほしかったなあ・・・
さて、解説にある訳者の言葉が印象に残りました。
子供向けの本はロマンチックすぎるとした上で、次のように言います。
「ぼくの頭のなかにある『アーサー王物語』は、騎士がくりひろげる勇壮な戦
いの物語であり、残酷な運命にふりまわされる人びとの物語であり、『よきも
の』も『美しきもの』もついにはすべてがほろんでいく壮絶な物語なのです。」
「よきもの」も「美しきもの」も・・・というくだりがとても良いです。
アーサー王国が崩壊に向かう場面を読むと、いつも悲しい気持ちになります。
アーサー王国崩壊のきっかけは、ラーンスロットと王妃による罪でした。
しかし私は、王国崩壊の兆しは、聖杯探求の時点で既に表れていたと思います。
騎士たちが聖杯のために団結をといて、円卓を離れたことがきっかけではないか。
キリストの聖杯は、ケルトのアーサーにとって、不運の源だったのではないか。
ところで、アーサー王は死後、伝説の島「アヴァロン」に旅立ちました。
蛇足ですが、ロキシーミュージックの「アヴァロン」は、私の愛聴盤です。
岩波少年文庫の「アーサー王物語」も気になります。訳がやや古いようですが。
ちなみにこちらも版型は文庫ではなく新書です。惜しいことに絶版でした。
「ケルト神話と中世騎士物語」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-04-23
「アーサー王ロマンス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13
「アーサー王の死」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-02-10
「中世騎士物語」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-01-23
さいごに。(ひざがヤバイ)
区民大運動会のリレーで転んでから、1か月以上たちます。
しかし、左ひざがまだ戻らず、走るとひざが抜けるような感じがします。
通院していた整形外科によると、靭帯損傷のときの症状だという。
紹介状を書いてもらい、総合病院で調べることになりました。ああー。
イギリスのノウルズがまとめた、読みやすくて格好いいアーサー王物語です。
子供にも読めて、センチメンタルではない物語として、訳者に選ばれました。
なお、本書は確かに読みやすいのですが、子供向けにしては難しかったです。
また偕成社文庫は文庫版ではなく、単行本の扱いになっています。
アーサーの即位、エクスカリバーの獲得、ブリテンの統一、ガリアの征服、
グウィネビアとの結婚、ローマ帝国の征服、ラーンスロットとの戦いと最期。
様々なアーサー王伝説が、一つのストーリーとなるように編集されています。
アーサーを中心にし た物語については、とてもバランスが取れています。
もちろん、円卓の騎士たちの冒険も、主だったものは収録されています。
バリンとバランの悲劇、ラーンスロットの冒険、ボーメンの冒険、聖杯探求。
ところが、トリスタンやガウェインの物語が入っていません!
アーサー王物語の本筋に関係ないエピソードは、外されているらしいのです。
もやもやしながら、ネットでレビューを見てみたら、同じ感想がちらほら。
トリスタンとイズーや、ガウェインの結婚は、収録してほしかったなあ・・・
さて、解説にある訳者の言葉が印象に残りました。
子供向けの本はロマンチックすぎるとした上で、次のように言います。
「ぼくの頭のなかにある『アーサー王物語』は、騎士がくりひろげる勇壮な戦
いの物語であり、残酷な運命にふりまわされる人びとの物語であり、『よきも
の』も『美しきもの』もついにはすべてがほろんでいく壮絶な物語なのです。」
「よきもの」も「美しきもの」も・・・というくだりがとても良いです。
アーサー王国が崩壊に向かう場面を読むと、いつも悲しい気持ちになります。
アーサー王国崩壊のきっかけは、ラーンスロットと王妃による罪でした。
しかし私は、王国崩壊の兆しは、聖杯探求の時点で既に表れていたと思います。
騎士たちが聖杯のために団結をといて、円卓を離れたことがきっかけではないか。
キリストの聖杯は、ケルトのアーサーにとって、不運の源だったのではないか。
ところで、アーサー王は死後、伝説の島「アヴァロン」に旅立ちました。
蛇足ですが、ロキシーミュージックの「アヴァロン」は、私の愛聴盤です。
岩波少年文庫の「アーサー王物語」も気になります。訳がやや古いようですが。
ちなみにこちらも版型は文庫ではなく新書です。惜しいことに絶版でした。
「ケルト神話と中世騎士物語」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-04-23
「アーサー王ロマンス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13
「アーサー王の死」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-02-10
「中世騎士物語」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-01-23
さいごに。(ひざがヤバイ)
区民大運動会のリレーで転んでから、1か月以上たちます。
しかし、左ひざがまだ戻らず、走るとひざが抜けるような感じがします。
通院していた整形外科によると、靭帯損傷のときの症状だという。
紹介状を書いてもらい、総合病院で調べることになりました。ああー。
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