ソラリス [20世紀ロシア文学]
「ソラリス」 スタニスワフ・レム作 沼野允義訳 (ハヤカワ文庫)
惑星ソラリスを覆う海の、奇妙な現象に巻き込まれた人々を描いたSF小説です。
1961年にポーランド作家レムによって書かれ、二度にわたって映画化されました。
2015年にハヤカワ文庫から、ポーランド語オリジナルからの全訳が出ました。
とても分かりやすい文章でした。最近NHK「100分de名著」で紹介されました。
ソラリス、それは、不思議な海に覆われた惑星です。
海そのものが一つの生命体であり、しかも高い知能を備えているらしいのです。
人類は海の謎を解くために、様々な試みをしましたが、結局成功していません。
ソラリス上空の宇宙ステーションに滞在するのは、今ではわずか3人だけです。
そこへケルヴィンが派遣され、変わり果てたステーションの様子に驚きました。
既に1人は死んでいるし、正体不明の黒人女が歩き回っていているし。
そして、ケルヴィンの身にも、不思議な現象が起こりました。
あるとき目覚めると、そこに死んだはずの元恋人ハリーがいて・・・
眼の前のハリーはいったい何者か? ケルヴィンはどのような行動に出るのか?
あの海はいったい何なのか? 海はどのような意図を持っているのか?
昨年12月に放送された「100分de名著」を見てから、興味を持ちました。
番組はとても面白かったけど、小説はまた更に面白かったです。
「ソラリス」は第一に、コンタクトを扱った物語です。ただし、相手は海。
「未知との遭遇」や「ET」と、いかに違うことか!
「宇宙の向こう側から真実が―人間が口に出さず、隠してきた真実がー突きつけ
られたとき、われわれはそれをどうしても受け入れられないんだ」(P136)
「ソラリス」で描かれているのは、ただただ人類の戸惑いと混乱ばかりです。
そして、自分とは何か、存在とは何か、という哲学的な問いなのです。
「でも・・・わたしは・・・ハリーじゃないわ。じゃあ、わたしは誰なの・・・?
ハリー? じゃあ、あなたは!?」(P265)
結末まで読んでも、結局「海」が何なのか、よく分かりませんでした。
最後にヒントのようなものはありますが、答えは読者に委ねているようです。
ハラハラドキドキというよりも、深く深く考えさせられる作品でした。
そしてそれゆえに、古い作品でありながら、今でも多くの人を引きつけています。
さいごに。(雪には弱い)
めったに雪が降らない地域に住んでいるため、雪にはめっぽう弱いです。
昨日、近隣の市から通う仲間は、雪で帰れなくなり、職場の近くに泊まりました。
惑星ソラリスを覆う海の、奇妙な現象に巻き込まれた人々を描いたSF小説です。
1961年にポーランド作家レムによって書かれ、二度にわたって映画化されました。
2015年にハヤカワ文庫から、ポーランド語オリジナルからの全訳が出ました。
とても分かりやすい文章でした。最近NHK「100分de名著」で紹介されました。
ソラリス、それは、不思議な海に覆われた惑星です。
海そのものが一つの生命体であり、しかも高い知能を備えているらしいのです。
人類は海の謎を解くために、様々な試みをしましたが、結局成功していません。
ソラリス上空の宇宙ステーションに滞在するのは、今ではわずか3人だけです。
そこへケルヴィンが派遣され、変わり果てたステーションの様子に驚きました。
既に1人は死んでいるし、正体不明の黒人女が歩き回っていているし。
そして、ケルヴィンの身にも、不思議な現象が起こりました。
あるとき目覚めると、そこに死んだはずの元恋人ハリーがいて・・・
眼の前のハリーはいったい何者か? ケルヴィンはどのような行動に出るのか?
あの海はいったい何なのか? 海はどのような意図を持っているのか?
昨年12月に放送された「100分de名著」を見てから、興味を持ちました。
番組はとても面白かったけど、小説はまた更に面白かったです。
「ソラリス」は第一に、コンタクトを扱った物語です。ただし、相手は海。
「未知との遭遇」や「ET」と、いかに違うことか!
「宇宙の向こう側から真実が―人間が口に出さず、隠してきた真実がー突きつけ
られたとき、われわれはそれをどうしても受け入れられないんだ」(P136)
「ソラリス」で描かれているのは、ただただ人類の戸惑いと混乱ばかりです。
そして、自分とは何か、存在とは何か、という哲学的な問いなのです。
「でも・・・わたしは・・・ハリーじゃないわ。じゃあ、わたしは誰なの・・・?
ハリー? じゃあ、あなたは!?」(P265)
結末まで読んでも、結局「海」が何なのか、よく分かりませんでした。
最後にヒントのようなものはありますが、答えは読者に委ねているようです。
ハラハラドキドキというよりも、深く深く考えさせられる作品でした。
そしてそれゆえに、古い作品でありながら、今でも多くの人を引きつけています。
さいごに。(雪には弱い)
めったに雪が降らない地域に住んでいるため、雪にはめっぽう弱いです。
昨日、近隣の市から通う仲間は、雪で帰れなくなり、職場の近くに泊まりました。
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