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十八史略1 [中世文学]

 「十八史略1・2」 曾先之著 丸山松幸・西野広祥訳 (徳間文庫)


 伝説時代から南宋までの18の史書を、簡潔にまとめた中国歴史の入門書です。
 14世紀前半に曾先之によって作られ、明の陳殷によって注釈が施されました。

 私が読んだのは、徳間文庫版です。全6巻ありますが、抄訳だそうです。
 読みやすいように、小見出しや註や補説が付いています。


十八史略〈1〉覇道の原点 (徳間文庫)

十八史略〈1〉覇道の原点 (徳間文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 文庫



十八史略〈2〉権力の構図 (徳間文庫)

十八史略〈2〉権力の構図 (徳間文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 文庫



 「史記」「漢書」「三国志」「晋書」「宋書」「魏書」「隋書」「新唐書」・・・
 ほか、全18の中国史書の膨大な内容を、略して分かりやすく記述しています。

 中国歴史のポイントを押さえ、ほとんどの故事や名言も採録してあります
 ひと通り読めば、中国歴史の基礎知識が得られるようになっています。

 第一巻は、神々の時代から、夏、殷、周、春秋、戦国までを収録しています。
 この巻では、高校の教科書 で学んだ有名な逸話が、次から次に登場します。

 「鼓腹撃壌」「臥薪嘗胆」「太公望」「管鮑の交わり」「晏子の御」
 「鶏鳴狗盗」「鶏口牛後」「刎頚の交わり」「隗より始めよ」・・・

 印象的だったのは、呉の夫差と伍子胥、越の句践と范蠡の、熱い復讐の物語!
 それから、蘇秦の合従策と、張儀の連衡策。かつての旧友同士の友情と戦い!

 春秋時代の国々、戦国の七雄と、多くの国があって、頭が整理できません。
 取り上げられる人物も多く、誰がどこの国の人なのか、すぐ忘れてしまいます。

 第二巻は、秦の統一から、項羽と劉邦を経て、漢の時代までを収録しています。
 基本は秦と漢だけなので、第一巻に比べて、歴史の流れが整理しやすいです。

 始皇帝、趙高、陳勝と呉広、項羽と劉邦、韓信、呂后、文帝、武帝、王莽・・・
 中国の雄大な歴史を、お手軽に振り返ることができるという意味は大きい。

 しかし、あまりにも簡略化されているので、物足りなさを感じてしまいます。
 そこで、つい何度も「史記」を開いて、同じ場面を読み返してしまいました。

 ところで、私が読んだ徳間文庫版は、1975年に出た本の文庫化で全6冊です。
 講談社学術文庫版とちくま学芸文庫版は、なんと、一巻に圧縮しています。


十八史略 (講談社学術文庫)

十八史略 (講談社学術文庫)

  • 作者: 竹内 弘行
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 文庫



十八史略 (ちくま学芸文庫)

十八史略 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 曾 先之
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2014/07/09
  • メディア: 文庫



 さいごに。(走ることにキョーミ?)

 娘が珍しく、「走り方を教えて」と言ったので、公園で2回ほど教えました。
 少し教えただけで、見違えるようにフォームが大きくなり、良くなりました。

 娘も手ごたえがあったようで、教えを意識してリレーを走ると言っています。
 ああ、それなのに、小学校最後の運動会が、仕事と重なってしまうとは・・・

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