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ふしぎなキリスト教 ほか [哲学・歴史・芸術]

 「ふしぎなキリスト教」 橋爪大三郎・大澤真幸 (講談社現代新書)


 二人の知識人の対談によって、キリスト教について分かりやすく解説した著書です。
 2011年の刊行後に話題となり、ちょっとしたキリスト教ブームを巻き起こしました。


ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

  • 作者: 橋爪 大三郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/18
  • メディア: 新書



 主に大澤が問いかけ、橋爪が答えています。対談なのでとても分かりやすいです。
 内容は、次のような三部構成です。

 第1部 一神教を理解する(主に一神教の解説)
 第2部 イエス・キリストとは何か(主にイエスの解説)
 第3部 いかに「西洋」をつくったか(歴史に与えたインパクトについて)

 特に第2部のイエス・キリストについて踏み込むところは、スリリングです。
 二人は、この辺りのことを一番語り合いたかったのではないか、と思いました。

 イエスは実在したのか? イエスは神の子か? イエスはなぜ処刑されたのか?
 イエスは自分が復活することを知っていたのか? イエスの死と復活の意味は?

 神の子であるイエスの死が、全人類の罪の贖いとなるのはどうしてか?
 この問いに、「同害報復」の観点から説明する場面は、まさに圧巻でした。

 更に、アブラハムにおけるイサクの犠牲が、イエスの犠牲に対応しているとか、
 ユダの裏切りは神の計画であったとか、「ユダの福音書」だとか驚きの連続です。

 時には「イエスの言っていることは違うと思う」と、はっきり指摘したりします。
 様々な疑問に対して、怖気ることなく、真正面から答えている点がすばらしい。

 この本については、のちに多くの批判の書が出ました。
 しかしそれは、それだけこの本が刺激に満ちていた証拠です。

 なお、キリスト教の暗黒面に注目した本が、「キリスト教暗黒の裏面史」です。
 異端審問、異教徒虐殺、芸術破壊、焚書、十字軍の暴行、そして魔女裁判・・・

 「キリスト教の教えが広まってからというもの、何百万という無実の男女や子供
 が火あぶりにされ、拷問され、罰金を科され、投獄されてきた。けれども、私た
 ちは一インチたりとも統一に向かって進んではいない。では、いったい圧政は何
 をもたらしたのか? 世界の半分の人が愚者に、残りの半分が偽善者に変わって
 しまった。」(P236・トマス・ジェファソンの言葉)

 歴史上の人物の生々しい証言が多数引用されていて、信頼できる確かな内容です。
 ただし信者の方は不快に感じるでしょう。誰にでも勧められる本ではありません。


キリスト教暗黒の裏面史 (徳間文庫)

キリスト教暗黒の裏面史 (徳間文庫)

  • 作者: ヘレン エラーブ
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 文庫



 さいごに。(コロボックル・ヒュッテ)

 夏休みに、家族で、信州の車山を訪れました。
 コロボックル・ヒュッテで迎えた朝は、本当に素晴らしくて忘れられません。

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コメント 5

サンフランシスコ人

サンフランシスコでは、キリスト教徒の割合が半分以下です.....

http://www.pewforum.org/religious-landscape-study/metro-area/san-francisco-metro-area/
by サンフランシスコ人 (2018-09-11 05:51) 

ike-pyon

いつもコメントをありがとうございます。
半分以下ですか。驚きです。
by ike-pyon (2018-09-12 20:33) 

サンフランシスコ人

12/25に何もする事がない人達を多数見かけます.....
by サンフランシスコ人 (2018-09-13 01:16) 

ike-pyon

12/25に、忙しく働いている人たちを、日本では多く見かけます。

by ike-pyon (2018-09-17 06:23) 

サンフランシスコ人

キリスト教徒の割合が半分以下のサンフランシスコでも、12/25は全社(?)休業です.....
by サンフランシスコ人 (2018-09-18 03:16) 

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